口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
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れもん【VIP】(23)
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投稿者:シン太郎左衛門、松江で暇を持て余す様
ご来店日 2023年06月18日
前回に続いて、松江出張の間の出来事を記す。
今回で何度目の登場なのか忘れてしまったが、我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士を自称している。真偽の程は定かでない。
さて、松江出張は、万事順調に運んだ。いや、余りにもアッサリと用事が済んでしまい、空き時間がドッサリ出来てしまった。
「すんなり行き過ぎて、拍子抜けですね。午後は、ゆっくり松江観光でもなさってください。明日も、14時に来ていただいたら十分でしょう」
こんなふうに取引先の担当者に見送ってもらうと、何の宛もなく街をブラブラする気にもならず、宿泊先のホテルに戻った。軽くシャワーを浴びて、裸のままベッドに仰向けになると、放心して天井を見上げていた。
1時間は経っただろう。ぼちぼち昼飯時なのだが、日頃の疲れが出たのか、全身に気だるさがあり、なかなか起き上がる気になれない。
「シン太郎左衛門、起きてるか?」
「起きておりまする」
「何をしている?」
「天井を見てござる」
「楽しいか?」
返事はなかった。
以上の会話は、字面からはトントンと進んでいると思えるだろうが、それぞれの発話の間に30秒、長ければ1分以上の沈黙がある。以下も同様のモノとしてお読み頂きたい。
「それにしても暇だな」
「暇でござる」
「今は何をしてる?」
「引き続き天井を見てござる」
「お前は本当に天井が好きだな」
また返事がなかった。
「れもんちゃんと一緒のときは『あっ』と言う間に時間が経つが、ここでこうしてお前と二人だけだと『あ』と言っても1秒も経っていない。こういう時間・・・」と言っている最中に、何を考えたか、シン太郎左衛門が「あ~」と言い始め、私の言葉の続きは、シン太郎左衛門の「あ~」の伴奏付きとなった。
「・・・を過ごしていると、よく分かる。俺の日常は、どうにも救いようがない退屈に、誤魔化しのシュガーコーティングを施したものでしかないのだ。ただ、れもんちゃんだけが輝き亘っている。れもんちゃんは灰色の日常に紛れ込んだ奇跡である・・・そして、近くに抑揚もなく『あ~』と言い続けるヤツがいると本当に喋りにくいこともまた紛れのない事実であった」
その後も、静かなホテルの部屋に、かれこれ5分以上、シン太郎左衛門の、息継ぎなしの「あ~」が、単調な時間の経過を際立たせていた。
「シン太郎左衛門、楽しいか?」
「一向に楽しくはござらぬ」
「今の長~い『あ』には特別な想いとかが込められていたのか?」
「何の意味もない一塊の『あ』でござる。ただ、『あ~』と言いながら、れもんちゃんの海外ドラマの上映日が、本日であれば良かったものを、とは考えてござった」
そう。以前クチコミに書いた出来事の教訓から、れもんちゃんの写メ動画の上映日は、奇数月の最終日曜日に限定されていることを、シン太郎左衛門には厳に通告していた。これは、世界共通の取り決めであり、私にはどうしてやることもできない、と。
今、れもんちゃんの動画を見せてやれば、気詰まりな雰囲気など一掃されるのは明らかだったが、その後が大変なことになる。一度吐いたウソは、吐き続けるしかない。
「叶えてやりたいのは山々だが、こればっかりは、どうしようもない。国連で決めたことだからな」
「『コクレン』とな。それは何者でござるか」
もちろん、シン太郎左衛門がこう尋ねてくるのは予期できたし、真面目に答えかかったのだが、人がキメのセリフを言っている最中に「あ~」と妨害電波を送ってくるようなヤツにマトモに解説をする必要もあるまい。
「国連とは国際的な秘密結社で、松江から120キロ東の鳥取砂丘に本部を置いている。鳥取砂丘では、世界各国から集まった背広姿のイカツい連中が、各々の国の国旗をモチーフとする色とりどりのテントに暮らしていて、夜になるとバーベキューをしたり大鍋でカレーを作ったりするが、日中はれもんちゃんの海外ドラマの監視と砂丘の清掃活動をする他に、紙飛行機を沢山飛ばして砂丘の景観を損なっている」とか、嘘八百を並べていた。
シン太郎左衛門は、眉間に深い皺を寄せ、「そのような怪しい連中が、れもんちゃんを付け狙っていると」
「そういうこと」
「国連の魔の手から、れもんちゃんを守らねばなりませぬな」
「そういうこと」
「これは一大事でござる」
「いや、まあ、そんなに差し迫ったことでもない」
「直ちに鳥取砂丘に赴き、きゃつらを退治致しましょうぞ」
「いやいや連中を甘くみてはいかんな。彼らの武器が、清掃用の熊手やカレー鍋ぐらいだと思っていたら、大きな間違いだ」
「大筒がございまするか」
「あるに決まってる。外国人だもん、みんな、お前より大きい」
「何の話でござるか」
「とにかく危険だ。ガットリング砲とかもある。普通にやったら、コテンパンにやられる」
「しかし、父上、れもんちゃんに関わること、見過ごせませぬ」
「分かってるさ。力では勝てんから、知恵で勝負するしかない。相手の裏の裏の裏の裏をかくような秘策を練るしかない」
「ふむふむ」
「ただ今のお前には知恵が足りんから、鍛えねばならん」
「なるほど、言われてみれば、拙者、些か知恵が足りませぬ。如何にして鍛えまするか」
「しりとりだ」
「おお、それは願ったり叶ったり」
「いつものようにデレデレになってはいかんぞ。気持ちを入れてやるように」
「それを言ってくださるな。れもんちゃんの一大事。拙者の命に代えて、お守り申す」
「それではいくぞ」
「知恵を鍛えるためでござる。キツいのを頼みまする」
「よし。では、『れもんちゃんの指先』、『き』だぞ」
「うぐっ。いきなり拙者の知力の弱点を突いて参った。指先は考えになかった。可愛いネイルが目に浮かび、脳が蕩けそうじゃ」
「降参か?」
「まっ、待たれよ」
シン太郎左衛門の必死さ、平素の比ではなかった。
「もう次の問題にしないか?」
「暫く。おっ、そうじゃ、キリン!いや、キリンさん!」
「『ん』だな。お前の負けだ」
「キリンさん!」
何故繰り返したのかは分からなかったが、シン太郎左衛門の様子がいつもとは違う。「ん」で終わっていようが、言葉を返してきたのは、今のが初めてだった。
そのとき、私は自分の失策を悟った。シン太郎左衛門、元々大好きなしりとりに、れもんちゃんの命運がかかっているという展開に、我を忘れんばかりに興奮しているのだった。シン太郎左衛門の妖しく眼の輝きに、私は自らが窮地に立たされていることを自覚した。
(やってしまった。普段は10分程度の「れもんちゃんしりとり」だが、今日は下手をすると徹夜になるぞ)
私は自ら招いたピンチからいかにして脱出したのであろうか?
次回に続く
シン太郎左衛門、松江で暇を持て余す様ありがとうございました。
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投稿者:シン太郎左衛門、松江で暇を持て余す様
ご来店日 2023年06月18日
今回で何度目の登場なのか忘れてしまったが、我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士を自称している。真偽の程は定かでない。
さて、松江出張は、万事順調に運んだ。いや、余りにもアッサリと用事が済んでしまい、空き時間がドッサリ出来てしまった。
「すんなり行き過ぎて、拍子抜けですね。午後は、ゆっくり松江観光でもなさってください。明日も、14時に来ていただいたら十分でしょう」
こんなふうに取引先の担当者に見送ってもらうと、何の宛もなく街をブラブラする気にもならず、宿泊先のホテルに戻った。軽くシャワーを浴びて、裸のままベッドに仰向けになると、放心して天井を見上げていた。
1時間は経っただろう。ぼちぼち昼飯時なのだが、日頃の疲れが出たのか、全身に気だるさがあり、なかなか起き上がる気になれない。
「シン太郎左衛門、起きてるか?」
「起きておりまする」
「何をしている?」
「天井を見てござる」
「楽しいか?」
返事はなかった。
以上の会話は、字面からはトントンと進んでいると思えるだろうが、それぞれの発話の間に30秒、長ければ1分以上の沈黙がある。以下も同様のモノとしてお読み頂きたい。
「それにしても暇だな」
「暇でござる」
「今は何をしてる?」
「引き続き天井を見てござる」
「お前は本当に天井が好きだな」
また返事がなかった。
「れもんちゃんと一緒のときは『あっ』と言う間に時間が経つが、ここでこうしてお前と二人だけだと『あ』と言っても1秒も経っていない。こういう時間・・・」と言っている最中に、何を考えたか、シン太郎左衛門が「あ~」と言い始め、私の言葉の続きは、シン太郎左衛門の「あ~」の伴奏付きとなった。
「・・・を過ごしていると、よく分かる。俺の日常は、どうにも救いようがない退屈に、誤魔化しのシュガーコーティングを施したものでしかないのだ。ただ、れもんちゃんだけが輝き亘っている。れもんちゃんは灰色の日常に紛れ込んだ奇跡である・・・そして、近くに抑揚もなく『あ~』と言い続けるヤツがいると本当に喋りにくいこともまた紛れのない事実であった」
その後も、静かなホテルの部屋に、かれこれ5分以上、シン太郎左衛門の、息継ぎなしの「あ~」が、単調な時間の経過を際立たせていた。
「シン太郎左衛門、楽しいか?」
「一向に楽しくはござらぬ」
「今の長~い『あ』には特別な想いとかが込められていたのか?」
「何の意味もない一塊の『あ』でござる。ただ、『あ~』と言いながら、れもんちゃんの海外ドラマの上映日が、本日であれば良かったものを、とは考えてござった」
そう。以前クチコミに書いた出来事の教訓から、れもんちゃんの写メ動画の上映日は、奇数月の最終日曜日に限定されていることを、シン太郎左衛門には厳に通告していた。これは、世界共通の取り決めであり、私にはどうしてやることもできない、と。
今、れもんちゃんの動画を見せてやれば、気詰まりな雰囲気など一掃されるのは明らかだったが、その後が大変なことになる。一度吐いたウソは、吐き続けるしかない。
「叶えてやりたいのは山々だが、こればっかりは、どうしようもない。国連で決めたことだからな」
「『コクレン』とな。それは何者でござるか」
もちろん、シン太郎左衛門がこう尋ねてくるのは予期できたし、真面目に答えかかったのだが、人がキメのセリフを言っている最中に「あ~」と妨害電波を送ってくるようなヤツにマトモに解説をする必要もあるまい。
「国連とは国際的な秘密結社で、松江から120キロ東の鳥取砂丘に本部を置いている。鳥取砂丘では、世界各国から集まった背広姿のイカツい連中が、各々の国の国旗をモチーフとする色とりどりのテントに暮らしていて、夜になるとバーベキューをしたり大鍋でカレーを作ったりするが、日中はれもんちゃんの海外ドラマの監視と砂丘の清掃活動をする他に、紙飛行機を沢山飛ばして砂丘の景観を損なっている」とか、嘘八百を並べていた。
シン太郎左衛門は、眉間に深い皺を寄せ、「そのような怪しい連中が、れもんちゃんを付け狙っていると」
「そういうこと」
「国連の魔の手から、れもんちゃんを守らねばなりませぬな」
「そういうこと」
「これは一大事でござる」
「いや、まあ、そんなに差し迫ったことでもない」
「直ちに鳥取砂丘に赴き、きゃつらを退治致しましょうぞ」
「いやいや連中を甘くみてはいかんな。彼らの武器が、清掃用の熊手やカレー鍋ぐらいだと思っていたら、大きな間違いだ」
「大筒がございまするか」
「あるに決まってる。外国人だもん、みんな、お前より大きい」
「何の話でござるか」
「とにかく危険だ。ガットリング砲とかもある。普通にやったら、コテンパンにやられる」
「しかし、父上、れもんちゃんに関わること、見過ごせませぬ」
「分かってるさ。力では勝てんから、知恵で勝負するしかない。相手の裏の裏の裏の裏をかくような秘策を練るしかない」
「ふむふむ」
「ただ今のお前には知恵が足りんから、鍛えねばならん」
「なるほど、言われてみれば、拙者、些か知恵が足りませぬ。如何にして鍛えまするか」
「しりとりだ」
「おお、それは願ったり叶ったり」
「いつものようにデレデレになってはいかんぞ。気持ちを入れてやるように」
「それを言ってくださるな。れもんちゃんの一大事。拙者の命に代えて、お守り申す」
「それではいくぞ」
「知恵を鍛えるためでござる。キツいのを頼みまする」
「よし。では、『れもんちゃんの指先』、『き』だぞ」
「うぐっ。いきなり拙者の知力の弱点を突いて参った。指先は考えになかった。可愛いネイルが目に浮かび、脳が蕩けそうじゃ」
「降参か?」
「まっ、待たれよ」
シン太郎左衛門の必死さ、平素の比ではなかった。
「もう次の問題にしないか?」
「暫く。おっ、そうじゃ、キリン!いや、キリンさん!」
「『ん』だな。お前の負けだ」
「キリンさん!」
何故繰り返したのかは分からなかったが、シン太郎左衛門の様子がいつもとは違う。「ん」で終わっていようが、言葉を返してきたのは、今のが初めてだった。
そのとき、私は自分の失策を悟った。シン太郎左衛門、元々大好きなしりとりに、れもんちゃんの命運がかかっているという展開に、我を忘れんばかりに興奮しているのだった。シン太郎左衛門の妖しく眼の輝きに、私は自らが窮地に立たされていることを自覚した。
(やってしまった。普段は10分程度の「れもんちゃんしりとり」だが、今日は下手をすると徹夜になるぞ)
私は自ら招いたピンチからいかにして脱出したのであろうか?
次回に続く
シン太郎左衛門、松江で暇を持て余す様ありがとうございました。