口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
078-512-0011
トップ
TOP
料金システム
SYSTEM
在籍一覧
LIST
新人情報
NEW FACE
出勤情報
SCHEDULE
待ち時間
REAL TIME
新着情報
TOPICS
イベント
EVENT
口コミ
REVIEW
写メ日記
PHOTO DIARY
求人情報
RECRUIT
男子求人
RECRUIT
アクセス
ACCESS
動画
MOVIE
メルマガ
MAIL MAGAZINE
クレジット決済
CTREDIT
営業時間9:00 ~ 24:00前
口コミ
REVIEW
口コミを投稿する
れもん【VIP】(23)
れもん【VIP】の口コミだけ見る
投稿者:シン太郎左衛門と眠れぬ夜様
ご来店日 2023年07月02日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士だそうだ。少なくとも当人は、そう言っている。
最近、日々暑さが増している。暑さ、特に寝苦しい夜は大の苦手だ。
先日、日中の熱が籠ったままの布団では、なかなか寝付かれず、エアコンを入れるべきか思い悩んでいると、近くでプ~ンと例の羽音まで聞こえてきた。
「嫌なヤツが来た。シン太郎左衛門、お友達が来たぞ」
「蚊が飛んでござるな」
「シン太郎左衛門、斬れ」
「拙者、無益な殺生は致しませぬ」
「しょうがない。蚊取り線香を焚こう」
部屋の明かりを点けて、蚊取り線香を探してゴソゴソしたせいで、いよいよ目が冴えてしまった。
布団に戻ったが、眠れそうな気がしない。
「父上、寝苦しい夜でござるな」
「うん。これはたまらんな」
「しりとりでも致しまするか」
「絶対に嫌だ」
「では唄でも歌いましょうか」
「お前が歌うか?」
「無論、拙者が歌いまする。父上が歌えば、蚊がポトポト落ちてくる」
確かに私は酷い音痴だった。
「うむ。では、歌ってもらうとするが、俺が『もういい』と言ったら止めること。いいね?」
「畏まってござる。それでは、拙者の新作でござる」
「新作か。それは楽しみだ」と、心にもないことを言っていた。
はぁ~、広い世界にただ一輪
可憐に咲いたレモン花
甘い香りに誘われて
出来た行列、五万キロ
・・・
そんな行列の最後尾にいれば順番が回ってくるのは二、三百年は先だろうが、シン太郎左衛門は確かに歌が上手い。これは認めざるを得ない。伸びやかな歌声に、思わず手拍子を取っていた。
宵闇の中、沢山の提灯に飾られた櫓、そして団扇片手に歩く浴衣姿の人々が目に浮かんできた。
・・・
優しい、可愛い、美しい
宇宙で一番、れもんちゃん
「うん。これは盆踊りにピッタリだ。曲名は『れもんちゃん音頭』か?」
「まだ名を付けてはおりませぬが、『れもんちゃん音頭』とはなりませぬ」
「それは何故だ?どう考えても『れもんちゃん音頭』だろ」
「そうはなりませぬ。先を聞けば分かりまする」
急に妙な胸騒ぎが始まった。
「先って、この曲、めちゃ長かったりする?」
「れもんちゃんのための唄が短いはずがござるまい。たっぷりと先はござる。さらに、れもんちゃんには、様々魅力がござる故、この曲も一本調子とはいきませぬ。どんどん曲調が変わりまする」
「そうなのか」
「先を続けて宜しいか」と訊かれても、すぐに返事をしかねた。
シン太郎左衛門、私の沈黙に心証を害した様子で、「れもんちゃんへの想いを込めた唄でござる。耳でなく心で聴いてくだされ」と、何の安心感も与えてくれないことを言った。
「うん。分かった。ただ俺が『もういい』と言ったら、すぐ止めてな」と再度念を押すと、シン太郎左衛門、「うむ」と大きく頷いた。
そして、私の嫌な予感は当たった。
男と生まれて短い一生
終わるとなったらニッコリ合掌
挽肉丸めて平たく伸ばす
胡椒を少々、でもノー・ソルト
塩の結晶、俺の敵
砕いてやるぜ、しょっぱい野望
塩分0.0000
健康第一、れもんちゃん
「待て、待て。何だ、これ?」
「少し飛ばしまして、27番でござる」
「いや、何番かは訊いてない。なんで、27番はラップ風なの?」
「ラップとな」
「いや、何と言ったらいいか」
私自身、日本語のラップをマトモに聴いた経験がない。シン太郎左衛門が、いつどこで、この種の音楽と接点を持ったのか全く解せなかった。ただ思えば、追求するのも面倒だった。
「まあ、いいや。シン太郎左衛門、確かに、れもんちゃんに、しょっぱさは皆無だな」
「いかにも。塩対応ゼロ。大変な甘さでござる」
「いわば、山のような生クリームに」
「たっぷりの蜂蜜をかけ」
「どっさりとチョコチップをまぶした上に」
「これでもかと練乳をかけ流したぐらいには」
「甘いわなぁ~」と二人の声が重なった。
「れもんちゃんを歌うには、その甘い甘い、蕩けるような甘さだけを言葉にすればよいのであって、塩抜きのハンバーグを作って、俺の健康診断の結果を匂わす必要はないのだ」
「つまり簡潔を旨とすべしということでござるな」
「そういうこと。大体、シン太郎左衛門のクチコミは毎回長すぎるよ」
「書いているのは父上でござる」
「だから反省している。毎回すごく反省してる。次回からは徹底的に短くする」
「父上に短く出来まするか」
街灯が微かに射し込む以外には、ほぼ真っ暗な部屋の中で、しばしの沈黙があった。
「やってみるよ」
「父上、おとぎ話をして進ぜよう」
「ふむ」
「昔むかし、あるところに、れもんちゃんがおりました」
「ほう」
「大変な美人でした」
「それはそうだろう」
「おしまい」
隣の犬が数回吠えた。
「なるほど、よく分かった。よく分かったら、眠くなってきた」
「日曜日れもんちゃんと会うのに、寝不足はなりませぬ」
「れもんちゃんは素晴らしいからな」
「素晴らしすぎまする」
ときには、負うた子に教わることもある。
ただ、あいつのラップだけは、どうにもいただけなかった。
シン太郎左衛門と眠れぬ夜様ありがとうございました。
Club Royal (クラブロイヤル)
トップ
口コミ
投稿者:シン太郎左衛門と眠れぬ夜様
ご来店日 2023年07月02日
最近、日々暑さが増している。暑さ、特に寝苦しい夜は大の苦手だ。
先日、日中の熱が籠ったままの布団では、なかなか寝付かれず、エアコンを入れるべきか思い悩んでいると、近くでプ~ンと例の羽音まで聞こえてきた。
「嫌なヤツが来た。シン太郎左衛門、お友達が来たぞ」
「蚊が飛んでござるな」
「シン太郎左衛門、斬れ」
「拙者、無益な殺生は致しませぬ」
「しょうがない。蚊取り線香を焚こう」
部屋の明かりを点けて、蚊取り線香を探してゴソゴソしたせいで、いよいよ目が冴えてしまった。
布団に戻ったが、眠れそうな気がしない。
「父上、寝苦しい夜でござるな」
「うん。これはたまらんな」
「しりとりでも致しまするか」
「絶対に嫌だ」
「では唄でも歌いましょうか」
「お前が歌うか?」
「無論、拙者が歌いまする。父上が歌えば、蚊がポトポト落ちてくる」
確かに私は酷い音痴だった。
「うむ。では、歌ってもらうとするが、俺が『もういい』と言ったら止めること。いいね?」
「畏まってござる。それでは、拙者の新作でござる」
「新作か。それは楽しみだ」と、心にもないことを言っていた。
はぁ~、広い世界にただ一輪
可憐に咲いたレモン花
甘い香りに誘われて
出来た行列、五万キロ
・・・
そんな行列の最後尾にいれば順番が回ってくるのは二、三百年は先だろうが、シン太郎左衛門は確かに歌が上手い。これは認めざるを得ない。伸びやかな歌声に、思わず手拍子を取っていた。
宵闇の中、沢山の提灯に飾られた櫓、そして団扇片手に歩く浴衣姿の人々が目に浮かんできた。
・・・
優しい、可愛い、美しい
宇宙で一番、れもんちゃん
「うん。これは盆踊りにピッタリだ。曲名は『れもんちゃん音頭』か?」
「まだ名を付けてはおりませぬが、『れもんちゃん音頭』とはなりませぬ」
「それは何故だ?どう考えても『れもんちゃん音頭』だろ」
「そうはなりませぬ。先を聞けば分かりまする」
急に妙な胸騒ぎが始まった。
「先って、この曲、めちゃ長かったりする?」
「れもんちゃんのための唄が短いはずがござるまい。たっぷりと先はござる。さらに、れもんちゃんには、様々魅力がござる故、この曲も一本調子とはいきませぬ。どんどん曲調が変わりまする」
「そうなのか」
「先を続けて宜しいか」と訊かれても、すぐに返事をしかねた。
シン太郎左衛門、私の沈黙に心証を害した様子で、「れもんちゃんへの想いを込めた唄でござる。耳でなく心で聴いてくだされ」と、何の安心感も与えてくれないことを言った。
「うん。分かった。ただ俺が『もういい』と言ったら、すぐ止めてな」と再度念を押すと、シン太郎左衛門、「うむ」と大きく頷いた。
そして、私の嫌な予感は当たった。
男と生まれて短い一生
終わるとなったらニッコリ合掌
挽肉丸めて平たく伸ばす
胡椒を少々、でもノー・ソルト
塩の結晶、俺の敵
砕いてやるぜ、しょっぱい野望
塩分0.0000
健康第一、れもんちゃん
「待て、待て。何だ、これ?」
「少し飛ばしまして、27番でござる」
「いや、何番かは訊いてない。なんで、27番はラップ風なの?」
「ラップとな」
「いや、何と言ったらいいか」
私自身、日本語のラップをマトモに聴いた経験がない。シン太郎左衛門が、いつどこで、この種の音楽と接点を持ったのか全く解せなかった。ただ思えば、追求するのも面倒だった。
「まあ、いいや。シン太郎左衛門、確かに、れもんちゃんに、しょっぱさは皆無だな」
「いかにも。塩対応ゼロ。大変な甘さでござる」
「いわば、山のような生クリームに」
「たっぷりの蜂蜜をかけ」
「どっさりとチョコチップをまぶした上に」
「これでもかと練乳をかけ流したぐらいには」
「甘いわなぁ~」と二人の声が重なった。
「れもんちゃんを歌うには、その甘い甘い、蕩けるような甘さだけを言葉にすればよいのであって、塩抜きのハンバーグを作って、俺の健康診断の結果を匂わす必要はないのだ」
「つまり簡潔を旨とすべしということでござるな」
「そういうこと。大体、シン太郎左衛門のクチコミは毎回長すぎるよ」
「書いているのは父上でござる」
「だから反省している。毎回すごく反省してる。次回からは徹底的に短くする」
「父上に短く出来まするか」
街灯が微かに射し込む以外には、ほぼ真っ暗な部屋の中で、しばしの沈黙があった。
「やってみるよ」
「父上、おとぎ話をして進ぜよう」
「ふむ」
「昔むかし、あるところに、れもんちゃんがおりました」
「ほう」
「大変な美人でした」
「それはそうだろう」
「おしまい」
隣の犬が数回吠えた。
「なるほど、よく分かった。よく分かったら、眠くなってきた」
「日曜日れもんちゃんと会うのに、寝不足はなりませぬ」
「れもんちゃんは素晴らしいからな」
「素晴らしすぎまする」
ときには、負うた子に教わることもある。
ただ、あいつのラップだけは、どうにもいただけなかった。
シン太郎左衛門と眠れぬ夜様ありがとうございました。