口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
078-512-0011
トップ
TOP
料金システム
SYSTEM
在籍一覧
LIST
新人情報
NEW FACE
出勤情報
SCHEDULE
待ち時間
REAL TIME
新着情報
TOPICS
イベント
EVENT
口コミ
REVIEW
写メ日記
PHOTO DIARY
求人情報
RECRUIT
男子求人
RECRUIT
アクセス
ACCESS
動画
MOVIE
メルマガ
MAIL MAGAZINE
クレジット決済
CTREDIT
営業時間9:00 ~ 24:00前
口コミ
REVIEW
口コミを投稿する
れもん【VIP】(23)
れもん【VIP】の口コミだけ見る
投稿者:シン太郎左衛門と猫型ロボット『俊之』様
ご来店日 2023年12月17日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。シン太郎左衛門は、「れもんちゃんが、この世にいれば、オカズがなくてもご飯が食べれる」と公言する、生粋の絶対れもん主義者である。一方、私はオカズがなくては、どうしてもご飯が食べられないタイプの絶対れもん主義者である。
日曜日は、れもんちゃんに会う日だ。だから、終日れもんちゃんだけに集中していたいのだが、そうも言っていられないことがある。宅急便が届いた。学生時代の友人からの荷物だった。
そいつの名前をAとしておく。一昨日、金曜日の夜、Aを含む学生時代の友人何人かで久しぶりに梅田で食事をした。その後、帰宅の方向が同じだったので、Aと二人でもう一軒バーに寄った。同学年ではあったが、Aは私より年上で、今は退職してゴロゴロしているらしい。学生の頃から、かなり無口な上に、稀に発言すると、9割がた意味不明だった。飲みながら彼と何を話したか、全く記憶にないが、別れ際、「俺、最近ロボット、作ったんだ。1個送ってやるよ」と言われたことだけは覚えている。
ということで、この荷物の中身は、ロボットに違いなかった。ロボットなんて全く興味がなかったが、数ヶ月後、何かの拍子でAと偶然に出会って感想を訊かれたとき、「まだ箱も開けてない」とは答えにくい。それに、箱はやけに軽くて、荷札を見ると、中身は「食品(ポテトチップス)」と書いてあった。どんなものが入っているか、見るだけは、見ておこう、と思った。
リビングに戻り、テーブルの上に箱を置くと、「シン太郎左衛門、我が家にロボットが来た」
シン太郎左衛門は勝手にズボンのチャックを開けて、モゾモゾと顔を出し、
「また下らん買い物をされましたな。父上には使いこなせますまい」
「買ったんじゃない。古くからの友人が送ってきた」
段ボール箱を開けると、丸めた新聞紙を緩衝材にして、8cm×8cm×4cm程のプラスチックの箱が入っていた。これがロボットなのか?と、頭の上が疑問符だらけになった。封筒が同梱されており、中に折り畳まれた便箋が入っていた。広げて読み上げた。
「これは、猫型ロボットの『俊之』です。スイッチを入れると、約1分で動作可能となります。末永くご愛用ください・・・ということだ」
「『俊之』?」
「トシユキは、あいつの弟の名前だ。あいつの学生時代のチャリンコも、俊之と呼ばれていた。よく盗まれたが、何故か翌日には元の置き場で見つかった。実は『俊之』には複数の持ち主がいるのではないかと噂されていた。それぐらい頻繁に、当たり前のように行方不明になっては、また出てくる不思議な自転車だった。ちなみに、Aの母親の名は『和子』だ。あいつの下宿の炊飯器は、カズコと呼ばれていた」
猫型ロボットとされている小箱を段ボールから取り出して、少し眺めた後、テーブルの上に置いた。
シン太郎左衛門も不思議そうな顔で、「なるほど・・・しかし、自転車や炊飯器の話はさておき、これが、ロボットでござるか」
「そうらしい」
「とても猫には見えぬ」
「うん。確かに猫型と呼ぶ理由は分からない。普通に四角い、クリーム色のプラスチックの箱だ。マイクとスピーカーとカメラが内蔵されているようだ」
「こやつ、何が出来まするか」
「分からん。さっき読んで聞かせたのが、説明の全てだ」
「料理は出来まするか」
「出来ないだろうな。自分が燃えてしまうと思う」
「買い物を頼めまするか」
「この形では、自分でスーパーまで出掛けていくことはあるまい。ネットで注文することは出来るかもしれないが、頼んでもいないモノが沢山届けられて、慌てるのは嫌だ」
「クチコミを書かせましょう」
「それもダメだろうな。この前、最新AIに試しに書かせてみたが、ちっとも面白くなかった。こいつは、更に期待薄だ」
シン太郎左衛門は、少しイライラした様子で、「こやつ、結局、何が出来まするか」
「分からん。取り敢えず電源を入れてみよう」
電源プラグをソケットに差して、スイッチを入れると、カラカラカラっと小さな音がして、ファンが回り始めた。約1分の沈黙の後、軽やかなチャイムの音楽が鳴り、それに続いて、若い女性の爽やかな声で、「お風呂が沸きました」
「父上・・・風呂が沸いてござる」
「風呂など頼んだ覚えはない。シン太郎左衛門、トシユキに話し掛けてみろ。ちょっとした受け答えぐらいはするだろう」
「うむ。では、やってみまする」
シン太郎左衛門はグッと身を乗り出して
「初めてお目にかかりまする。拙者、シン太郎左衛門と申す。当代きっての絶対れもん主義者でござる」
すると、割れてかすれた男性の声が「あん?なんだって?」と無愛想に怒鳴ってきた。
「なんと・・・これまた横柄な口をきくヤツでござる」
「・・・さっきは若い女性だったのに、いきなり年配男性になった。いかにも育ちの悪そうなヤツだ。シン太郎左衛門、怯まず話し続けろ」
「うむ・・・お寛ぎのところ、恐縮でござる。拙者、富士山シン太郎左衛門でござる」
「え?なに?誰が死んだって?」
「誰も死んではおらぬ。みな、恙無く過ごしてござる」
「何言ってるか、全然分かんねぇ」
「・・・父上、こやつ、清々しいほど好かんヤツでござる。話にならぬ」
「う~ん、確かにそうだが、根気強く話せば、マトモになるかも知れない」
「拙者は、もうよい。父上が試されよ」
「よし、俺がやってみよう・・・まず、こういうときは挨拶だ。挨拶をしよう。トシユキ、おはよう」
「・・・はい、おはよう」
「おっ、ほら見ろ」
「挨拶ができましたな」
「こうやって少しずつ学んでいくのだ。よし・・・トシユキ、れもんちゃんを知ってるか?れもんちゃんは、素晴らしいぞ。驚くほどの美人だぞ」
「あ?モモンガ?モモンガが、どうしたって?」
「無礼者!誰がモモンガの話をした?ブッ潰すぞ」
「父上、落ち着いてくだされ」
「ダメだ、こりゃ。こいつ、まるでなってない」
「うむ。フザケ切ってござる」
「こういうヤツに関わると、れもんちゃんの素晴らしさが一段と際立つ」
「れもんちゃんは崇高なまでに気立てのよい娘でござる。『れもんちゃん』という名前からして愛嬌満点でござる。トシユキと比べるなど、畏れ多い」
「ホントだよ・・・こいつ、金ちゃんに上げてしまおう」
「それがよい。金ちゃんの部屋は、元々ガラクタが一杯でござる」
「金ちゃんは、見た目はニートだが、実はそれなりのエンジニアらしい。トシユキの始末は、金ちゃんに任せたよう。煮るなり、焼くなり、油で揚げるなり、好きにしてもらおう」
「うむ」
「メッセージは少し変えておこう。金ちゃんも、いきなり『俊之』と言われたら面食らうだろうからな」
朝刊のチラシの裏面にフェルトペンで、「オチン型ロボット『シン太郎左衛門』見参!電源を入れて約1分で準備完了。あなたは、シン太郎左衛門と力を合わせ、絶世の美女『れもんちゃん』を、魔人トシユキの手から救い出せるか?最終決戦の地、ひらかたパークで待ってるよ~ん」と書いて、畳んで封筒に入れた。
「父上の学生時代の友達には、ロクなのがおらぬ」
「うん。揃いも揃って社会不適合者だ。れもんちゃんには、あいつらの話は絶対に出来ん。俺まで同類だと思われては困るからな」
シン太郎左衛門は黙り込んだ。
神戸に向けて家を出ると、まず隣家の呼び鈴を鳴らして、玄関に出て来た金ちゃんに「メリークリスマス。はい、プレゼントのポテトチップス」と、Aから送られてきたロボットを、修正したメモとともに押し付けた。
そして、れもんちゃんに会ってきた。宇宙一のれもんちゃんは、今日もギンギラギンに輝いていた。れもんちゃんは人類の希望の星であり、れもんちゃんの笑顔を見た瞬間に、俊之の事など、跡形もなく忘れ去ってしまっていた。
あの後、金ちゃんに何が起こったか、私は知らない。
シン太郎左衛門と猫型ロボット『俊之』様ありがとうございました。
Club Royal (クラブロイヤル)
トップ
口コミ
投稿者:シン太郎左衛門と猫型ロボット『俊之』様
ご来店日 2023年12月17日
日曜日は、れもんちゃんに会う日だ。だから、終日れもんちゃんだけに集中していたいのだが、そうも言っていられないことがある。宅急便が届いた。学生時代の友人からの荷物だった。
そいつの名前をAとしておく。一昨日、金曜日の夜、Aを含む学生時代の友人何人かで久しぶりに梅田で食事をした。その後、帰宅の方向が同じだったので、Aと二人でもう一軒バーに寄った。同学年ではあったが、Aは私より年上で、今は退職してゴロゴロしているらしい。学生の頃から、かなり無口な上に、稀に発言すると、9割がた意味不明だった。飲みながら彼と何を話したか、全く記憶にないが、別れ際、「俺、最近ロボット、作ったんだ。1個送ってやるよ」と言われたことだけは覚えている。
ということで、この荷物の中身は、ロボットに違いなかった。ロボットなんて全く興味がなかったが、数ヶ月後、何かの拍子でAと偶然に出会って感想を訊かれたとき、「まだ箱も開けてない」とは答えにくい。それに、箱はやけに軽くて、荷札を見ると、中身は「食品(ポテトチップス)」と書いてあった。どんなものが入っているか、見るだけは、見ておこう、と思った。
リビングに戻り、テーブルの上に箱を置くと、「シン太郎左衛門、我が家にロボットが来た」
シン太郎左衛門は勝手にズボンのチャックを開けて、モゾモゾと顔を出し、
「また下らん買い物をされましたな。父上には使いこなせますまい」
「買ったんじゃない。古くからの友人が送ってきた」
段ボール箱を開けると、丸めた新聞紙を緩衝材にして、8cm×8cm×4cm程のプラスチックの箱が入っていた。これがロボットなのか?と、頭の上が疑問符だらけになった。封筒が同梱されており、中に折り畳まれた便箋が入っていた。広げて読み上げた。
「これは、猫型ロボットの『俊之』です。スイッチを入れると、約1分で動作可能となります。末永くご愛用ください・・・ということだ」
「『俊之』?」
「トシユキは、あいつの弟の名前だ。あいつの学生時代のチャリンコも、俊之と呼ばれていた。よく盗まれたが、何故か翌日には元の置き場で見つかった。実は『俊之』には複数の持ち主がいるのではないかと噂されていた。それぐらい頻繁に、当たり前のように行方不明になっては、また出てくる不思議な自転車だった。ちなみに、Aの母親の名は『和子』だ。あいつの下宿の炊飯器は、カズコと呼ばれていた」
猫型ロボットとされている小箱を段ボールから取り出して、少し眺めた後、テーブルの上に置いた。
シン太郎左衛門も不思議そうな顔で、「なるほど・・・しかし、自転車や炊飯器の話はさておき、これが、ロボットでござるか」
「そうらしい」
「とても猫には見えぬ」
「うん。確かに猫型と呼ぶ理由は分からない。普通に四角い、クリーム色のプラスチックの箱だ。マイクとスピーカーとカメラが内蔵されているようだ」
「こやつ、何が出来まするか」
「分からん。さっき読んで聞かせたのが、説明の全てだ」
「料理は出来まするか」
「出来ないだろうな。自分が燃えてしまうと思う」
「買い物を頼めまするか」
「この形では、自分でスーパーまで出掛けていくことはあるまい。ネットで注文することは出来るかもしれないが、頼んでもいないモノが沢山届けられて、慌てるのは嫌だ」
「クチコミを書かせましょう」
「それもダメだろうな。この前、最新AIに試しに書かせてみたが、ちっとも面白くなかった。こいつは、更に期待薄だ」
シン太郎左衛門は、少しイライラした様子で、「こやつ、結局、何が出来まするか」
「分からん。取り敢えず電源を入れてみよう」
電源プラグをソケットに差して、スイッチを入れると、カラカラカラっと小さな音がして、ファンが回り始めた。約1分の沈黙の後、軽やかなチャイムの音楽が鳴り、それに続いて、若い女性の爽やかな声で、「お風呂が沸きました」
「父上・・・風呂が沸いてござる」
「風呂など頼んだ覚えはない。シン太郎左衛門、トシユキに話し掛けてみろ。ちょっとした受け答えぐらいはするだろう」
「うむ。では、やってみまする」
シン太郎左衛門はグッと身を乗り出して
「初めてお目にかかりまする。拙者、シン太郎左衛門と申す。当代きっての絶対れもん主義者でござる」
すると、割れてかすれた男性の声が「あん?なんだって?」と無愛想に怒鳴ってきた。
「なんと・・・これまた横柄な口をきくヤツでござる」
「・・・さっきは若い女性だったのに、いきなり年配男性になった。いかにも育ちの悪そうなヤツだ。シン太郎左衛門、怯まず話し続けろ」
「うむ・・・お寛ぎのところ、恐縮でござる。拙者、富士山シン太郎左衛門でござる」
「え?なに?誰が死んだって?」
「誰も死んではおらぬ。みな、恙無く過ごしてござる」
「何言ってるか、全然分かんねぇ」
「・・・父上、こやつ、清々しいほど好かんヤツでござる。話にならぬ」
「う~ん、確かにそうだが、根気強く話せば、マトモになるかも知れない」
「拙者は、もうよい。父上が試されよ」
「よし、俺がやってみよう・・・まず、こういうときは挨拶だ。挨拶をしよう。トシユキ、おはよう」
「・・・はい、おはよう」
「おっ、ほら見ろ」
「挨拶ができましたな」
「こうやって少しずつ学んでいくのだ。よし・・・トシユキ、れもんちゃんを知ってるか?れもんちゃんは、素晴らしいぞ。驚くほどの美人だぞ」
「あ?モモンガ?モモンガが、どうしたって?」
「無礼者!誰がモモンガの話をした?ブッ潰すぞ」
「父上、落ち着いてくだされ」
「ダメだ、こりゃ。こいつ、まるでなってない」
「うむ。フザケ切ってござる」
「こういうヤツに関わると、れもんちゃんの素晴らしさが一段と際立つ」
「れもんちゃんは崇高なまでに気立てのよい娘でござる。『れもんちゃん』という名前からして愛嬌満点でござる。トシユキと比べるなど、畏れ多い」
「ホントだよ・・・こいつ、金ちゃんに上げてしまおう」
「それがよい。金ちゃんの部屋は、元々ガラクタが一杯でござる」
「金ちゃんは、見た目はニートだが、実はそれなりのエンジニアらしい。トシユキの始末は、金ちゃんに任せたよう。煮るなり、焼くなり、油で揚げるなり、好きにしてもらおう」
「うむ」
「メッセージは少し変えておこう。金ちゃんも、いきなり『俊之』と言われたら面食らうだろうからな」
朝刊のチラシの裏面にフェルトペンで、「オチン型ロボット『シン太郎左衛門』見参!電源を入れて約1分で準備完了。あなたは、シン太郎左衛門と力を合わせ、絶世の美女『れもんちゃん』を、魔人トシユキの手から救い出せるか?最終決戦の地、ひらかたパークで待ってるよ~ん」と書いて、畳んで封筒に入れた。
「父上の学生時代の友達には、ロクなのがおらぬ」
「うん。揃いも揃って社会不適合者だ。れもんちゃんには、あいつらの話は絶対に出来ん。俺まで同類だと思われては困るからな」
シン太郎左衛門は黙り込んだ。
神戸に向けて家を出ると、まず隣家の呼び鈴を鳴らして、玄関に出て来た金ちゃんに「メリークリスマス。はい、プレゼントのポテトチップス」と、Aから送られてきたロボットを、修正したメモとともに押し付けた。
そして、れもんちゃんに会ってきた。宇宙一のれもんちゃんは、今日もギンギラギンに輝いていた。れもんちゃんは人類の希望の星であり、れもんちゃんの笑顔を見た瞬間に、俊之の事など、跡形もなく忘れ去ってしまっていた。
あの後、金ちゃんに何が起こったか、私は知らない。
シン太郎左衛門と猫型ロボット『俊之』様ありがとうございました。