口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
078-512-0011
トップ
TOP
料金システム
SYSTEM
在籍一覧
LIST
新人情報
NEW FACE
出勤情報
SCHEDULE
待ち時間
REAL TIME
新着情報
TOPICS
イベント
EVENT
口コミ
REVIEW
写メ日記
PHOTO DIARY
求人情報
RECRUIT
男子求人
RECRUIT
アクセス
ACCESS
動画
MOVIE
メルマガ
MAIL MAGAZINE
クレジット決済
CTREDIT
営業時間9:00 ~ 24:00前
口コミ
REVIEW
口コミを投稿する
れもん【VIP】(23)
れもん【VIP】の口コミだけ見る
投稿者:シン太郎左衛門と『れもんソング』 様
ご来店日 2024年03月10日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。最近、剣術の弟子にしたクワガタを新兵衛と名付けて可愛がっている。
やがて別れのときがやって来る。暖かくなれば、新兵衛は丘の上の林に帰る。二度と会うこともないだろう。それまでに一端の武士にしてやらねばと、シン太郎左衛門は頑張っている。
今日は日曜日、れもんちゃんに会う日。やはり5時に起こされた。
「父上、新兵衛を出してくだされ」
「はい、はい」と私は布団から這い出して、蓋付きの小さな水槽からクワガタを摘まみ上げ、布団の上に置くと、近くに座った。
シン太郎左衛門は、元気よく、「では、新兵衛、稽古を始めるぞ。やあっ!とおっ!」と素振りを始めた。
私は、朦朧と、虚ろな目を天井に向けて、なんとも空虚な時間を過ごした。
「新兵衛、どこへ行く!おおっ!新兵衛、こっちに来るな!父上、新兵衛がハサミを振り振り、拙者に向かって迫って来おった!父上、新兵衛を離してくだされ!」
「はい、はい」と、新兵衛を摘まんで、離して置くと、私はまた虚ろな目を天井に向けた。
「やあっ!とおっ!まだまだ!やあっ!とおっ!」
こんなことが約1時間続き、
「よし。今日の稽古は、これまで。新兵衛、随分と腕を上げたな」
(嘘を吐け)と思ったが、余計なことを言う気力もなかった。夢現のまま、新兵衛を摘まんで、おウチに返してやった。このところ、ずっと睡眠が足りていない。
台所で、新兵衛の朝御飯(砂糖水)を拵えながら、
「おかしなもので、最近俺の砂糖水作りの腕が上がってきた気がする。こんなものにも上手下手があるのだ」
「うむ。砂糖水作りの道を極められよ」
「嫌だね」
砂糖水を無心に吸っている新兵衛は、なんとも微笑ましかった。お腹が一杯になると、朽ち木の下に姿を消した。
「新兵衛のヤツ、『ご馳走さま』も言わずに、寝に行った。まあ、クワガタだから、しょうがないな。シン太郎左衛門、はっきり言って、新兵衛には武士になる気なんてないぞ」
「うむ。なんであれ、逞しく生きてくれれば、本望でござる」
時計を見ると、7時前だった。もう一眠りしようと布団に入ったが、寝足りてないのは歴然としているのに、目が冴えていた。シン太郎左衛門に話し掛けた。
「おい、シン太郎左衛門。毎朝毎朝5時に起こしやがって、体調が日に日におかしくなってる気がする。後2、3時間は寝ておきたいから、何か面白い話をしろ。お前が面白いと思う話は、俺には退屈だから、きっと眠気がやって来る」
「うむ。では、昔話を致しましょう・・・昔々、あるところに、お爺さんとお婆さんが沢山いる老人ホームがありました」
「ほう、お伽噺としては中々斬新だ」
「お爺さんの中には、すっかり枯れてしまった人もいれば、まだまだ元気な人も、また異様に元気な人もおりました。お婆さんたちも、やっぱりそうでした」
「お前、何の話をしてるんだ?」
「老人ホームの話でござる」
「それは分かってる。『老人ホーム』というテーマには全く興味がないが、凄く嫌な展開になりそうな予感がして、完全に眠気が失せた」
「よくぞ見抜かれましたな。これは老人たちの、出口のないドロドロの愛憎劇でござる。続けて宜しいか?」
「宜しくない!そんなもの聞きながら、気持ちよく寝れるか!安易な気持ちでお前に話をさせたのは失敗だった」
「うむ」
眠いのに、完全に目が冴えてしまった。潔く起きて、新聞を取りに行き、コーヒーの湯を沸かし、パンを焼き、目玉焼きを作った。
「これぞ日曜の朝だ」
と、機嫌よく、出来上がった朝食を目の前にしたとき、全く食欲の湧かない自分に直面した。コーヒーに軽く口を付けた後は、ダイニングの椅子に凭れかかり、口をポカ~ンと開けて、天井を見上げながら、ぼんやり過ごした。
2、30分も経っただろうか、シン太郎左衛門が言った。
「父上、れもんちゃんに会う日の朝にピッタリの曲を流してくだされ」
「『ボーン・トゥ・ラブ・ユー』は先週嫌になるほど聴いた」
「拙者も他の歌が良い」
「じゃあ、お前が『れもんちゃん音頭』を歌え」
「拙者、寝不足ゆえに、歌など歌う気にならん」
(ふざけたヤツだ)と思ったが、言葉を発する気も起きず、引き続き天井を眺めていると、突然閃きがあった。
「そうだ。取って置きの曲があった。その名もずばり『レモンソング』だ」
「うむ。それがよい。かけてくだされ」
「レッド・ツェッペリンだ」
「うむ」
「眠いときに聴きたい音楽ではない」
「構わぬ。『れもんソング』、流してくだされ」
スマホの動画アプリを立ち上げて、検索をかけると、れもんちゃん人気にあやかってか、何件でもヒットした。
「よし、じゃあ、いくぞ」
「うむ」
曲が始まると、シン太郎左衛門が「ムムッ!」と唸った。
「これは実にハードでござる」
「だろ?」
「実にヘビーでござる」
「だろ?」
「まさに『れもんソング』の名に恥じぬ名曲。魂を揺さぶるまでに、ブルージーでござる。歌も良い。早速覚えて、今日の帰りの電車で歌いまする」
「好きにしたらいい。ただ今度は、ロバート・プラント(レッド・ツェッペリンのボーカル)の生まれ変わりとは言わせんぞ。まだ生きてるからな」
「知ってござる。でも、ボンゾは死んだ。ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリンのドラマー。「ボンゾ」は彼の愛称)は、キース・ムーンと並んで拙者が若かりし頃、最も愛したミュージシャンでござる」
「・・・そうだったんだ。お前が、ツェッペリンのファンだったことも、ドラマー志望だったことも初めて知った」
曲が終わると、シン太郎左衛門は、うっすらと涙を浮かべ、
ボンゾは~
拙者の~
青春~
そのもの~
と歌った。
「・・・『卒業写真』の替え歌だ」
「いかにも」
「ユーミンだ」
「ハイ・ファイ・セットの方でござる」
「・・・今の歌で、どうやって区別するんだ!俺も、山本潤子の声が好きだが・・・今回のクチコミは、ひどいな。唯一の読者、れもんちゃんの年齢を考えろ。注釈も中途半端だし、これじぁ、ちんぷんかんぷんだぞ」
「大体、毎回こんなもんでござる」
「・・・まあ、そうだな。それも今日を限りだ。今回でシン太郎左衛門シリーズは終わる」
「うむ。冒頭から、そうと察してござった」
「そうか。見透かされていたか・・・まあいい。シン太郎左衛門、これまで楽しかったぞ」
「うむ。拙者も楽しかった」
「今日も、れもんちゃんに会いに行く」
「楽しみでござる」
こんな朝だった。
そして、れもんちゃんに会った。「宇宙一可愛い」れもんちゃんは、「宇宙一」の笑顔を振り撒いて、「宇宙一」燦然と輝いていた。
それだけで十分だった。
シン太郎左衛門と『れもんソング』 様ありがとうございました。
Club Royal (クラブロイヤル)
トップ
口コミ
投稿者:シン太郎左衛門と『れもんソング』 様
ご来店日 2024年03月10日
やがて別れのときがやって来る。暖かくなれば、新兵衛は丘の上の林に帰る。二度と会うこともないだろう。それまでに一端の武士にしてやらねばと、シン太郎左衛門は頑張っている。
今日は日曜日、れもんちゃんに会う日。やはり5時に起こされた。
「父上、新兵衛を出してくだされ」
「はい、はい」と私は布団から這い出して、蓋付きの小さな水槽からクワガタを摘まみ上げ、布団の上に置くと、近くに座った。
シン太郎左衛門は、元気よく、「では、新兵衛、稽古を始めるぞ。やあっ!とおっ!」と素振りを始めた。
私は、朦朧と、虚ろな目を天井に向けて、なんとも空虚な時間を過ごした。
「新兵衛、どこへ行く!おおっ!新兵衛、こっちに来るな!父上、新兵衛がハサミを振り振り、拙者に向かって迫って来おった!父上、新兵衛を離してくだされ!」
「はい、はい」と、新兵衛を摘まんで、離して置くと、私はまた虚ろな目を天井に向けた。
「やあっ!とおっ!まだまだ!やあっ!とおっ!」
こんなことが約1時間続き、
「よし。今日の稽古は、これまで。新兵衛、随分と腕を上げたな」
(嘘を吐け)と思ったが、余計なことを言う気力もなかった。夢現のまま、新兵衛を摘まんで、おウチに返してやった。このところ、ずっと睡眠が足りていない。
台所で、新兵衛の朝御飯(砂糖水)を拵えながら、
「おかしなもので、最近俺の砂糖水作りの腕が上がってきた気がする。こんなものにも上手下手があるのだ」
「うむ。砂糖水作りの道を極められよ」
「嫌だね」
砂糖水を無心に吸っている新兵衛は、なんとも微笑ましかった。お腹が一杯になると、朽ち木の下に姿を消した。
「新兵衛のヤツ、『ご馳走さま』も言わずに、寝に行った。まあ、クワガタだから、しょうがないな。シン太郎左衛門、はっきり言って、新兵衛には武士になる気なんてないぞ」
「うむ。なんであれ、逞しく生きてくれれば、本望でござる」
時計を見ると、7時前だった。もう一眠りしようと布団に入ったが、寝足りてないのは歴然としているのに、目が冴えていた。シン太郎左衛門に話し掛けた。
「おい、シン太郎左衛門。毎朝毎朝5時に起こしやがって、体調が日に日におかしくなってる気がする。後2、3時間は寝ておきたいから、何か面白い話をしろ。お前が面白いと思う話は、俺には退屈だから、きっと眠気がやって来る」
「うむ。では、昔話を致しましょう・・・昔々、あるところに、お爺さんとお婆さんが沢山いる老人ホームがありました」
「ほう、お伽噺としては中々斬新だ」
「お爺さんの中には、すっかり枯れてしまった人もいれば、まだまだ元気な人も、また異様に元気な人もおりました。お婆さんたちも、やっぱりそうでした」
「お前、何の話をしてるんだ?」
「老人ホームの話でござる」
「それは分かってる。『老人ホーム』というテーマには全く興味がないが、凄く嫌な展開になりそうな予感がして、完全に眠気が失せた」
「よくぞ見抜かれましたな。これは老人たちの、出口のないドロドロの愛憎劇でござる。続けて宜しいか?」
「宜しくない!そんなもの聞きながら、気持ちよく寝れるか!安易な気持ちでお前に話をさせたのは失敗だった」
「うむ」
眠いのに、完全に目が冴えてしまった。潔く起きて、新聞を取りに行き、コーヒーの湯を沸かし、パンを焼き、目玉焼きを作った。
「これぞ日曜の朝だ」
と、機嫌よく、出来上がった朝食を目の前にしたとき、全く食欲の湧かない自分に直面した。コーヒーに軽く口を付けた後は、ダイニングの椅子に凭れかかり、口をポカ~ンと開けて、天井を見上げながら、ぼんやり過ごした。
2、30分も経っただろうか、シン太郎左衛門が言った。
「父上、れもんちゃんに会う日の朝にピッタリの曲を流してくだされ」
「『ボーン・トゥ・ラブ・ユー』は先週嫌になるほど聴いた」
「拙者も他の歌が良い」
「じゃあ、お前が『れもんちゃん音頭』を歌え」
「拙者、寝不足ゆえに、歌など歌う気にならん」
(ふざけたヤツだ)と思ったが、言葉を発する気も起きず、引き続き天井を眺めていると、突然閃きがあった。
「そうだ。取って置きの曲があった。その名もずばり『レモンソング』だ」
「うむ。それがよい。かけてくだされ」
「レッド・ツェッペリンだ」
「うむ」
「眠いときに聴きたい音楽ではない」
「構わぬ。『れもんソング』、流してくだされ」
スマホの動画アプリを立ち上げて、検索をかけると、れもんちゃん人気にあやかってか、何件でもヒットした。
「よし、じゃあ、いくぞ」
「うむ」
曲が始まると、シン太郎左衛門が「ムムッ!」と唸った。
「これは実にハードでござる」
「だろ?」
「実にヘビーでござる」
「だろ?」
「まさに『れもんソング』の名に恥じぬ名曲。魂を揺さぶるまでに、ブルージーでござる。歌も良い。早速覚えて、今日の帰りの電車で歌いまする」
「好きにしたらいい。ただ今度は、ロバート・プラント(レッド・ツェッペリンのボーカル)の生まれ変わりとは言わせんぞ。まだ生きてるからな」
「知ってござる。でも、ボンゾは死んだ。ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリンのドラマー。「ボンゾ」は彼の愛称)は、キース・ムーンと並んで拙者が若かりし頃、最も愛したミュージシャンでござる」
「・・・そうだったんだ。お前が、ツェッペリンのファンだったことも、ドラマー志望だったことも初めて知った」
曲が終わると、シン太郎左衛門は、うっすらと涙を浮かべ、
ボンゾは~
拙者の~
青春~
そのもの~
と歌った。
「・・・『卒業写真』の替え歌だ」
「いかにも」
「ユーミンだ」
「ハイ・ファイ・セットの方でござる」
「・・・今の歌で、どうやって区別するんだ!俺も、山本潤子の声が好きだが・・・今回のクチコミは、ひどいな。唯一の読者、れもんちゃんの年齢を考えろ。注釈も中途半端だし、これじぁ、ちんぷんかんぷんだぞ」
「大体、毎回こんなもんでござる」
「・・・まあ、そうだな。それも今日を限りだ。今回でシン太郎左衛門シリーズは終わる」
「うむ。冒頭から、そうと察してござった」
「そうか。見透かされていたか・・・まあいい。シン太郎左衛門、これまで楽しかったぞ」
「うむ。拙者も楽しかった」
「今日も、れもんちゃんに会いに行く」
「楽しみでござる」
こんな朝だった。
そして、れもんちゃんに会った。「宇宙一可愛い」れもんちゃんは、「宇宙一」の笑顔を振り撒いて、「宇宙一」燦然と輝いていた。
それだけで十分だった。
シン太郎左衛門と『れもんソング』 様ありがとうございました。