口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
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れもん【VIP】(23)
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投稿者:シン太郎左衛門(さらば新兵衛) 様
ご来店日 2024年05月05日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。ちょんまげは、結っていない。
今日は日曜日、れもんちゃんに会う大事な日。今日も元気に、親子揃って、5時起きをした。
そして、新兵衛(クワガタ。シン太郎左衛門のお友だち)を新兵衛ハウス(プラスチックの小さな水槽)から摘まんで出して、布団の上に置くと、いつもの剣術の稽古が始まった。「やあっ!」「とおっ!」「新兵器、気合いが足らんぞ!」とシン太郎左衛門は叫んでいる。新兵衛はトコトコ歩き回り、ピタッと止まると布団の上にプリッと余計なことをした。私は急いでウェット・ティッシュで汚れを拭い取った。
いつもの光景。でも、私には気になっていることがあった。
随分、暖かくなってきた。そろそろ新兵衛を自然に返してやらなければならない。シン太郎左衛門は悲しむだろうが、このまま新兵衛を家に留めては宇宙の摂理に悖るというものだ。「宇宙の摂理を司る」れもんちゃんにも申し訳ない。
稽古が終わると、新兵衛を籠に戻し、さりげなく、「もう寒い季節は終わった」と言うと、シン太郎左衛門は大きく頷き、
「うむ。では、そろそろ新兵衛を森に返しましょう」と、驚くほど恬淡としている。
「寂しくなるな・・・」
「寂しくなどござらぬ。初めから決まっていたこと。この2ヶ月の間に、新兵衛は立派な武士になってござる」
「そうかなぁ。剣術の腕前が上がった様子はない」
「そうではござらぬ。剣術の腕など些末なことでござる。新兵衛は剣の心を身に付けた」
「剣の心ってなんだ?」
「打算にとらわれず生きることでござる」
「クワガタにとっての打算って何だよ?元々、打算にとらわれてなくないか?」
「まあよい。早速、新兵衛に腹ごしらえをさせてくだされ」
丘に向けて坂を登り、公園を過ぎた辺りから、山に向かって森が開ける。朝日を浴びて、木々の緑が鮮やかだった。斜面に雑然と生えた木々の間を縫ってしばらく進んだが、やがて雑木が生い茂り、行く手を阻んだ。これ以上奥には進めそうもないので、ぐるっと周りの樹を見渡した。
「この樹がいいかな。クヌギだと思う」
「うむ」
私は、ポロシャツの胸にバッジのようにじっとしていた新兵衛を引き離し、クヌギの樹の幹に留まらせた。
「では、新兵衛、お別れでござる。達者で暮らせよ」
新兵衛はトコトコと樹を上り始めたが、ピタッと止まった。振り向いて哀惜の辞を述べる代わりに、プリッと余計なことをすると、またトコトコと樹を上っていった。
「では、行こう」
二人はその場を後にした。たったこれだけのことだった。静かなお別れだった。
帰り道、「新兵衛は、やがて可愛い雌のクワガタと出会って、子孫を残すんだろうな」と言うと、シン太郎左衛門は、「うむ」と大きく頷いた。
「しかし、なんだな。前のクチコミの次回予告に書いたことで、実際そのとおりになったのは、タイトルだけだ。最終回にする気も起こらんし、感動的でもないし、まず第一に俺が書いてしまっている」
「それでよい。湿っぽい話など、れもんちゃんのクチコミには相応しくない。れもんちゃんは、宇宙一明るく元気な女の子でござる。『シン太郎左衛門』の作者は、未来永劫、父上一人でござる」
家に帰り、リビングのサイドラックに置かれた新兵衛ハウスを見て、少し寂しくなった。でも、それも一瞬のこと。今日は、れもんちゃんに会いに行く日だった。
そして、れもんちゃんに会った。
新兵衛が家に来たのは、3月3日、雛祭りの日だった。その日、れもんちゃんは宇宙一だった。
今日、5月5日、れもんちゃんは、やはり宇宙一だった。
そして、れもんちゃんは、これからもずっと宇宙一であり続ける。これは、宇宙誕生のときに、すでに決まっていたことである。
シン太郎左衛門(さらば新兵衛) 様ありがとうございました。
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投稿者:シン太郎左衛門(さらば新兵衛) 様
ご来店日 2024年05月05日
今日は日曜日、れもんちゃんに会う大事な日。今日も元気に、親子揃って、5時起きをした。
そして、新兵衛(クワガタ。シン太郎左衛門のお友だち)を新兵衛ハウス(プラスチックの小さな水槽)から摘まんで出して、布団の上に置くと、いつもの剣術の稽古が始まった。「やあっ!」「とおっ!」「新兵器、気合いが足らんぞ!」とシン太郎左衛門は叫んでいる。新兵衛はトコトコ歩き回り、ピタッと止まると布団の上にプリッと余計なことをした。私は急いでウェット・ティッシュで汚れを拭い取った。
いつもの光景。でも、私には気になっていることがあった。
随分、暖かくなってきた。そろそろ新兵衛を自然に返してやらなければならない。シン太郎左衛門は悲しむだろうが、このまま新兵衛を家に留めては宇宙の摂理に悖るというものだ。「宇宙の摂理を司る」れもんちゃんにも申し訳ない。
稽古が終わると、新兵衛を籠に戻し、さりげなく、「もう寒い季節は終わった」と言うと、シン太郎左衛門は大きく頷き、
「うむ。では、そろそろ新兵衛を森に返しましょう」と、驚くほど恬淡としている。
「寂しくなるな・・・」
「寂しくなどござらぬ。初めから決まっていたこと。この2ヶ月の間に、新兵衛は立派な武士になってござる」
「そうかなぁ。剣術の腕前が上がった様子はない」
「そうではござらぬ。剣術の腕など些末なことでござる。新兵衛は剣の心を身に付けた」
「剣の心ってなんだ?」
「打算にとらわれず生きることでござる」
「クワガタにとっての打算って何だよ?元々、打算にとらわれてなくないか?」
「まあよい。早速、新兵衛に腹ごしらえをさせてくだされ」
丘に向けて坂を登り、公園を過ぎた辺りから、山に向かって森が開ける。朝日を浴びて、木々の緑が鮮やかだった。斜面に雑然と生えた木々の間を縫ってしばらく進んだが、やがて雑木が生い茂り、行く手を阻んだ。これ以上奥には進めそうもないので、ぐるっと周りの樹を見渡した。
「この樹がいいかな。クヌギだと思う」
「うむ」
私は、ポロシャツの胸にバッジのようにじっとしていた新兵衛を引き離し、クヌギの樹の幹に留まらせた。
「では、新兵衛、お別れでござる。達者で暮らせよ」
新兵衛はトコトコと樹を上り始めたが、ピタッと止まった。振り向いて哀惜の辞を述べる代わりに、プリッと余計なことをすると、またトコトコと樹を上っていった。
「では、行こう」
二人はその場を後にした。たったこれだけのことだった。静かなお別れだった。
帰り道、「新兵衛は、やがて可愛い雌のクワガタと出会って、子孫を残すんだろうな」と言うと、シン太郎左衛門は、「うむ」と大きく頷いた。
「しかし、なんだな。前のクチコミの次回予告に書いたことで、実際そのとおりになったのは、タイトルだけだ。最終回にする気も起こらんし、感動的でもないし、まず第一に俺が書いてしまっている」
「それでよい。湿っぽい話など、れもんちゃんのクチコミには相応しくない。れもんちゃんは、宇宙一明るく元気な女の子でござる。『シン太郎左衛門』の作者は、未来永劫、父上一人でござる」
家に帰り、リビングのサイドラックに置かれた新兵衛ハウスを見て、少し寂しくなった。でも、それも一瞬のこと。今日は、れもんちゃんに会いに行く日だった。
そして、れもんちゃんに会った。
新兵衛が家に来たのは、3月3日、雛祭りの日だった。その日、れもんちゃんは宇宙一だった。
今日、5月5日、れもんちゃんは、やはり宇宙一だった。
そして、れもんちゃんは、これからもずっと宇宙一であり続ける。これは、宇宙誕生のときに、すでに決まっていたことである。
シン太郎左衛門(さらば新兵衛) 様ありがとうございました。