口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
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れもん【VIP】(23)
れもん【VIP】の口コミだけ見る
投稿者:シン太郎左衛門と魔法の本 様
ご来店日 2024年09月01日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。主従関係にも忠義にも縛られない気楽な武士、いわゆる浪人だ。結局、アルバイトも見つからなかった。
昨日は土曜日。自転車並みのスピードで、台風が接近していた。
朝のうち、雨がかなり降ったが、昼過ぎには止んだので、スーパーに買い物に行くか否かで悩んでいると、外で郵便受けがガチャンと音を立てた。何か届いたらしい。
「シン太郎左衛門、郵便物が届いたようだ」
「音からして、かなり重いものでござる」
「なんだろうか」
「電気の使用明細書ではござるまいか」
「普段の月はペラペラの紙一枚だが、今月は派手にエアコンを使いまくってしまったからな」
「破産でござるな」
「さすがに、そこまでのことはないだろう」
取りに出た。そこそこ大きな封筒が入っていた。取り出してみると、ずっしりと重かった。
「本かな?注文した記憶もないが・・・」と差出人を見ると、Bだった(Bについては、以前のクチコミにも書いたし、説明が面倒くさいので割愛)。
「おい、やめてくれよ・・・Bからの郵便物を素手で触ってしまった」
「前回も、そうしておられたはず」
「今日は、そういう気分じゃなかったんだ。大失態だ」
「うむ。で、中身はなんでござるか」
「分からんが、本みたいだぞ」
「開けてみられよ」
「え~っ、嫌だなぁ」
とりあえずリビングに戻り、テーブルの上に封筒を投げ出し、立ったままアイスコーヒーを飲んでいると、シン太郎左衛門がジャージのズボンから飛び出してきて、「拙者が開けまする」と、封筒を破り始めた。
私は椅子を引いて腰を下ろし、
「なんで、そんなに急くのかね?」
「拙者にとって重要なモノが入っている予感がいたす」
出てきたのは、100枚ほどのB5コピー用紙の束だった。紐綴じされていた。小さなメモが付いていて、「面白いものが手に入った。読め」と手書きされていた。
紙束に目をやると、タイトルからして見たこともない文字で書かれた古い印刷物の写しと思われた。
「これ何語だろ?こんなもの読めと言われてもなぁ」
と言って、シン太郎左衛門を見ると、食い入るように、その奇妙な本の写しらしいものを見つめている。
「何か分かるか?」
シン太郎左衛門は私の言葉を無視して、ページを捲って、次の一枚に目を落とした。
Bは私が知る限り最も優れた頭脳の持ち主だった(もちろん、れもんちゃんは別として)。数学においては紛れもない天才で、余技としていくつもの外国語をマスターしていた。一晩あれば辞書一冊を暗記できる頭を持っていて、古典語でも現代語でも一週間で読み書きに不自由しなくなると言っていた。ただ、話すことにおいては、現代日本語すらマトモに出来ないヤツだった。
シン太郎左衛門は興奮した様子でコピーから顔を上げ、「これは大変なモノでござる」と声を震わせたが、私には全然興味が湧かなかった。
「そうかい。お前、分かるの?エジプトの象形文字でもないし、楔形文字でもないし」
「父上、これは・・・何を隠そう、これは古代オチン語で書かれた魔法書でござる」
私はアイスコーヒーを派手に吹き出した。
「ないない。そんなものはない。古代にもオチンはいただろうが、古代オチン語はない。現代オチン語もない。それに魔法を使えるのは、れもんちゃんだけだ」
「いや、拙者もまさかとは思ったが、これは、紛れもなく古代オチン語の魔法の本、伝説の『Gd#r&yjvx*s ohr rd%d$ wrja』でござる」
「・・・なんて?」
「『Gd#r&yjvx*s ohr rd%d$ wrja』でござる」
「グドリュジュ・・・ああ、やっぱりね」と私は椅子から立ち上がり、「俺も、そうだと思ったよ・・・ところで、これから買い物に行くけど、お前はどうする?」
「拙者は、『Gd#r&yjvx*s ohr rd%d$ wrja』を読みまする」
一人で外に出た。私は、エコバッグを肩にかけ直し、空を見上げた。
ドンヨリと曇った空、南の方の雲の隙間から青空が覗いている。奇妙な形の黒雲が一つポツンと浮いていた。
私の心配は、明日JRが運休して、れもんちゃんに会えなくなることだけだった。
そして、翌日、日曜日。嬉しいことに台風の問題はなく、れもんちゃんに会いに行けた。
れもんちゃんは、今更言うまでもないことながら、宇宙一に宇宙一だった。感動的に宇宙一に宇宙一だった。
帰り際、れもんちゃんのお見送りを受けているとき、いきなりシン太郎左衛門が股間で、「Uyr%cvu#t fw&yuv#xe iy$g v%jlp・・・」と、古代オチン語の呪文を唱え始めた。それに応えるように、私の身体が震え出し、私の意志とは関係なく、シン太郎左衛門の言葉が私の口から音になって発せられた。
いきなり面と向かって、「Y#fd e$th ca*p%igfh piy#g f&%e!」と言われて、れもんちゃんはポカンとした。そのポカンとした、れもんちゃんの可愛さといったら、どう表現していいか分からないほどであった。そのせいで、シン太郎左衛門に「普通に日本語で喋れ!」と言うタイミングを逸してしまった。シン太郎左衛門は更に言葉を続け、私は言いたくもないのに、
「Ba#g%dr u$im#b if#sg%vak lj#ga r$tu?」と言っていた。
私はこの場面を取り繕いたくて、れもんちゃんに「気にしないで。これはエヘン虫の一種だから」とか言おうとしたが、魔法のせいか舌や口を自分の意志で動かすことができなかった。
さらに私は、いや、シン太郎左衛門は、「Zi&yr#f l%pqo* b#cy#gap h$go#e q&sz?」
れもんちゃんは、引き続き可愛くポカンとしている。
(終わった・・・変なクチコミを書く変な客が、連日の暑さと台風による気圧の変化で、ついに完全にぶっ壊れたと思われたに違いない・・・出禁だ)
絶望的な気持ちになった瞬間、れもんちゃんがニッコリと微笑んだ。そして、「O#j#gryu b$few#shi v*c$dr uj#f& o# ih pl#f&h# yet%aq&」と言った。
こちらがポカンとする番になったが、やがて私は救われたことを察して、安堵の余り床にへたり込んだ。そして、れもんちゃんを見上げながら、
「もしかして、れもんちゃんは、古代オチン語が話せるの?」私の発話能力は復活していた。
「うん。中学校の部活で、古代オチン語部だった」
「卓球部じゃなかったの?」
「掛け持ちしてた」
「そうなんだ。その頃から頑張り屋さんだったんだね・・・ところで、シン太郎左衛門と何を話したの?」
「・・・それはヒミツだよ」と少し困り顔をしたれもんちゃんも、当然だが、危険なほどに可愛かったし、やっぱり、れもんちゃんには可愛い秘密が沢山だった。
つまり結論は、こうなる。れもんちゃんのおもてなしは、かくも確かな教養に裏打ちされていたのである、と。
帰りの電車の中で、シン太郎左衛門に、れもんちゃんと何を話したか問い詰めたが、「それは秘密でござる」と素っ気なくあしらわれた。
「ところで、シン太郎左衛門、例の魔法の本には『勝手に父親の口を使って話す』以外に、もう少しマシな魔法はなかったのか?」
「うむ。全部読んだわけではござらぬが、『バイトを見つける魔法』はなかった」
「そんなもん、どうでもいいよ」
「『辺り一面を焼け野原にする魔法』はあった」
「使う予定がない。他は?」
「『財布の中身を倍にする魔法』もあった」
「なんで、そういうのを最初に使わないの?」
「れもんちゃんと直接話がしたかったからでござる」
「そうか・・・そのお金を増やす魔法の呪文を覚えてる?」
「覚えておらぬ」
「そうかぁ・・・じゃあ、多分もう手遅れだな」
最寄り駅で降りると、全速力で家まで駆け帰り、玄関のドアを蹴破らんばかりの勢いで開け、リビングに飛び込んだ。
テーブルの上にBから送られたコピー用紙の束は見当たらなかった。部屋中探したが、見付からなかった。
覚悟していたことではあるが、魔法の本は跡形もなく消え去っていたのである。
シン太郎左衛門と魔法の本 様ありがとうございました。
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投稿者:シン太郎左衛門と魔法の本 様
ご来店日 2024年09月01日
昨日は土曜日。自転車並みのスピードで、台風が接近していた。
朝のうち、雨がかなり降ったが、昼過ぎには止んだので、スーパーに買い物に行くか否かで悩んでいると、外で郵便受けがガチャンと音を立てた。何か届いたらしい。
「シン太郎左衛門、郵便物が届いたようだ」
「音からして、かなり重いものでござる」
「なんだろうか」
「電気の使用明細書ではござるまいか」
「普段の月はペラペラの紙一枚だが、今月は派手にエアコンを使いまくってしまったからな」
「破産でござるな」
「さすがに、そこまでのことはないだろう」
取りに出た。そこそこ大きな封筒が入っていた。取り出してみると、ずっしりと重かった。
「本かな?注文した記憶もないが・・・」と差出人を見ると、Bだった(Bについては、以前のクチコミにも書いたし、説明が面倒くさいので割愛)。
「おい、やめてくれよ・・・Bからの郵便物を素手で触ってしまった」
「前回も、そうしておられたはず」
「今日は、そういう気分じゃなかったんだ。大失態だ」
「うむ。で、中身はなんでござるか」
「分からんが、本みたいだぞ」
「開けてみられよ」
「え~っ、嫌だなぁ」
とりあえずリビングに戻り、テーブルの上に封筒を投げ出し、立ったままアイスコーヒーを飲んでいると、シン太郎左衛門がジャージのズボンから飛び出してきて、「拙者が開けまする」と、封筒を破り始めた。
私は椅子を引いて腰を下ろし、
「なんで、そんなに急くのかね?」
「拙者にとって重要なモノが入っている予感がいたす」
出てきたのは、100枚ほどのB5コピー用紙の束だった。紐綴じされていた。小さなメモが付いていて、「面白いものが手に入った。読め」と手書きされていた。
紙束に目をやると、タイトルからして見たこともない文字で書かれた古い印刷物の写しと思われた。
「これ何語だろ?こんなもの読めと言われてもなぁ」
と言って、シン太郎左衛門を見ると、食い入るように、その奇妙な本の写しらしいものを見つめている。
「何か分かるか?」
シン太郎左衛門は私の言葉を無視して、ページを捲って、次の一枚に目を落とした。
Bは私が知る限り最も優れた頭脳の持ち主だった(もちろん、れもんちゃんは別として)。数学においては紛れもない天才で、余技としていくつもの外国語をマスターしていた。一晩あれば辞書一冊を暗記できる頭を持っていて、古典語でも現代語でも一週間で読み書きに不自由しなくなると言っていた。ただ、話すことにおいては、現代日本語すらマトモに出来ないヤツだった。
シン太郎左衛門は興奮した様子でコピーから顔を上げ、「これは大変なモノでござる」と声を震わせたが、私には全然興味が湧かなかった。
「そうかい。お前、分かるの?エジプトの象形文字でもないし、楔形文字でもないし」
「父上、これは・・・何を隠そう、これは古代オチン語で書かれた魔法書でござる」
私はアイスコーヒーを派手に吹き出した。
「ないない。そんなものはない。古代にもオチンはいただろうが、古代オチン語はない。現代オチン語もない。それに魔法を使えるのは、れもんちゃんだけだ」
「いや、拙者もまさかとは思ったが、これは、紛れもなく古代オチン語の魔法の本、伝説の『Gd#r&yjvx*s ohr rd%d$ wrja』でござる」
「・・・なんて?」
「『Gd#r&yjvx*s ohr rd%d$ wrja』でござる」
「グドリュジュ・・・ああ、やっぱりね」と私は椅子から立ち上がり、「俺も、そうだと思ったよ・・・ところで、これから買い物に行くけど、お前はどうする?」
「拙者は、『Gd#r&yjvx*s ohr rd%d$ wrja』を読みまする」
一人で外に出た。私は、エコバッグを肩にかけ直し、空を見上げた。
ドンヨリと曇った空、南の方の雲の隙間から青空が覗いている。奇妙な形の黒雲が一つポツンと浮いていた。
私の心配は、明日JRが運休して、れもんちゃんに会えなくなることだけだった。
そして、翌日、日曜日。嬉しいことに台風の問題はなく、れもんちゃんに会いに行けた。
れもんちゃんは、今更言うまでもないことながら、宇宙一に宇宙一だった。感動的に宇宙一に宇宙一だった。
帰り際、れもんちゃんのお見送りを受けているとき、いきなりシン太郎左衛門が股間で、「Uyr%cvu#t fw&yuv#xe iy$g v%jlp・・・」と、古代オチン語の呪文を唱え始めた。それに応えるように、私の身体が震え出し、私の意志とは関係なく、シン太郎左衛門の言葉が私の口から音になって発せられた。
いきなり面と向かって、「Y#fd e$th ca*p%igfh piy#g f&%e!」と言われて、れもんちゃんはポカンとした。そのポカンとした、れもんちゃんの可愛さといったら、どう表現していいか分からないほどであった。そのせいで、シン太郎左衛門に「普通に日本語で喋れ!」と言うタイミングを逸してしまった。シン太郎左衛門は更に言葉を続け、私は言いたくもないのに、
「Ba#g%dr u$im#b if#sg%vak lj#ga r$tu?」と言っていた。
私はこの場面を取り繕いたくて、れもんちゃんに「気にしないで。これはエヘン虫の一種だから」とか言おうとしたが、魔法のせいか舌や口を自分の意志で動かすことができなかった。
さらに私は、いや、シン太郎左衛門は、「Zi&yr#f l%pqo* b#cy#gap h$go#e q&sz?」
れもんちゃんは、引き続き可愛くポカンとしている。
(終わった・・・変なクチコミを書く変な客が、連日の暑さと台風による気圧の変化で、ついに完全にぶっ壊れたと思われたに違いない・・・出禁だ)
絶望的な気持ちになった瞬間、れもんちゃんがニッコリと微笑んだ。そして、「O#j#gryu b$few#shi v*c$dr uj#f& o# ih pl#f&h# yet%aq&」と言った。
こちらがポカンとする番になったが、やがて私は救われたことを察して、安堵の余り床にへたり込んだ。そして、れもんちゃんを見上げながら、
「もしかして、れもんちゃんは、古代オチン語が話せるの?」私の発話能力は復活していた。
「うん。中学校の部活で、古代オチン語部だった」
「卓球部じゃなかったの?」
「掛け持ちしてた」
「そうなんだ。その頃から頑張り屋さんだったんだね・・・ところで、シン太郎左衛門と何を話したの?」
「・・・それはヒミツだよ」と少し困り顔をしたれもんちゃんも、当然だが、危険なほどに可愛かったし、やっぱり、れもんちゃんには可愛い秘密が沢山だった。
つまり結論は、こうなる。れもんちゃんのおもてなしは、かくも確かな教養に裏打ちされていたのである、と。
帰りの電車の中で、シン太郎左衛門に、れもんちゃんと何を話したか問い詰めたが、「それは秘密でござる」と素っ気なくあしらわれた。
「ところで、シン太郎左衛門、例の魔法の本には『勝手に父親の口を使って話す』以外に、もう少しマシな魔法はなかったのか?」
「うむ。全部読んだわけではござらぬが、『バイトを見つける魔法』はなかった」
「そんなもん、どうでもいいよ」
「『辺り一面を焼け野原にする魔法』はあった」
「使う予定がない。他は?」
「『財布の中身を倍にする魔法』もあった」
「なんで、そういうのを最初に使わないの?」
「れもんちゃんと直接話がしたかったからでござる」
「そうか・・・そのお金を増やす魔法の呪文を覚えてる?」
「覚えておらぬ」
「そうかぁ・・・じゃあ、多分もう手遅れだな」
最寄り駅で降りると、全速力で家まで駆け帰り、玄関のドアを蹴破らんばかりの勢いで開け、リビングに飛び込んだ。
テーブルの上にBから送られたコピー用紙の束は見当たらなかった。部屋中探したが、見付からなかった。
覚悟していたことではあるが、魔法の本は跡形もなく消え去っていたのである。
シン太郎左衛門と魔法の本 様ありがとうございました。