口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
078-512-0011
トップ
TOP
料金システム
SYSTEM
在籍一覧
LIST
新人情報
NEW FACE
出勤情報
SCHEDULE
待ち時間
REAL TIME
新着情報
TOPICS
イベント
EVENT
口コミ
REVIEW
写メ日記
PHOTO DIARY
求人情報
RECRUIT
男子求人
RECRUIT
アクセス
ACCESS
動画
MOVIE
メルマガ
MAIL MAGAZINE
クレジット決済
CTREDIT
営業時間9:00 ~ 24:00前
口コミ
REVIEW
口コミを投稿する
れもん【VIP】(23)
れもん【VIP】の口コミだけ見る
投稿者:シン太郎左衛門と守護霊さん 様
ご来店日 2024年11月03日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。東南アジアから帰国すると、料理のレパートリーを増やしたいと言い出したので、エスニック料理のレシピ本を買い与えてやった。しばらく喜んで読んだ後、到底自分に作れるものではないことを悟り、すっかり悄げてしまった。そういう万事思い付きで行動するタイプの武士である。レシピ本はメルカリで売った。
前回のクチコミに書いたように、私は東南アジアの出張からボロボロになって帰ってきて、週明けの月曜からは、職場の連中に「お待ちかねの逆お土産タイムだ。どこそこの羊羹を二本、耳を揃えて持って来い」とか「どこそこの甘納豆を5000円分要求する」とかメールを送ったり、即応しないヤツには内線電話で督促したりと、大変忙しく過ごした。金曜日の午前中には、逆お土産の回収を完了、リュックサックを高級和菓子で一杯にして、今日はもうやることもないし、早退しようと考えていると、社長から電話がかかってきて、社長室に呼ばれた。ついに、クビになるのかと期待したら、取引先の新しい社長が挨拶に来たので、会っておけと言われた。
「今、忙しいからイヤ」と抗ったが、「君は入社以来一度として忙しかったことがない」と無理矢理付き合わされた。
取引先の新社長が待つ応接室に、ウチの社長を先頭に7人のお歴々と入室しかけたとき、「ねえ、みんなでグレイシー・トレインしない?」と訊いたが、スルーされた。格闘技好きの人事部長だけが少し笑った。
四十そこそこの新社長は中々のイケメンで、かなり美人の、若い女性秘書を連れていた。まあ、美人と言っても、れもんちゃんに敵う訳もなく、真面目に観察もしなかったから、濃紺のパンツスーツがよく似合っているぐらいの印象しかなかった。
新社長は自己紹介めいたことを語ったついでに、その女性秘書について、「アメリカの大学出身の才媛です」と言った。思わず「才媛と言っても、れもんちゃん以上であるわけがない。アメリカの大学と言ったって、ピンキリだしな。ちなみに、ウチの隣の金ちゃんはハーバード大学はもちろん、スタンフォード大学やUCLAのTシャツやトレーナーを持ってて、卒業生でもなんでもないのに平気な顔して外着にしているぞ」と言いかけて止めた。
その瞬間、アメリカ姉さんと目が合ってしまったのだが、なぜか怯えるような表情を浮かべていた。私はアメリカ姉さんには全く関心がなかったので、目線を窓の外に向けて、早く帰りてぇなぁと考えていた。
十五分ほど、社交辞令ばかりの退屈な時間が過ぎて、それではそろそろという感じで、全員が立ち上がり応接室を出た直後、アメリカ姉さんに「少しいいですか?」と声をかけられ、少し離れた場所に招かれた。ああ、手土産を渡されるんだな、高級和菓子なら、こっそり俺がいただこうと企んでいると、アメリカ姉さんは、「すいません。実は・・・」と言って黙ってしまった。
「『実は』って・・・あ〜っ!さては、お土産を忘れたな!」
「違います。お土産なんて最初から用意してません」
「な〜んだ・・・それじゃ、なんなの?」
「私、実は霊感が強くて・・・」
「おいっ!俺に壺でも買わす気か?」
「違うんです。ただ、私、霊感が強くって、人の守護霊が見えるんです」
「そう言って、最終的には壺を買わすんだろ!」
「違います。とりあえず壺は忘れてください。とても重要な話なので、ちゃんと聴いてください」
「よし。聴いてやろう。手短に頼む」
「あなたは、とても徳の高い、高貴な霊に守護されています」
「らしいな。十二単衣を纏った髪の長い女人だろ?平安時代に宮廷に仕えていた才女だ。それがどうした」
「・・・ご存知でしたか」
「俺には見えんし聴こえもしないが、俺が知り合った、『霊感が強い』と自称するヤツらは、口を揃えて俺の背後にそういう霊がいると言うんだ。んで、それがどうした」
「その御方から、あなたへの伝言をお預かりしています」
「なるほど、つまり留守電みたいなもんだな。それなら聞かない。俺はイエ電には出ないし、留守電も聞かない主義だ。投資の勧誘や投票のお願いに決まってる」
「そういうことではありません。『近々郵便が届くから、直ぐに開封なさい』とのことです」
「年金関係?」
「違います。『シン太郎左衛門』シリーズの今後に関わる重要な手紙だとのことです」
「くだらん!もう少しマトモな話かと思った。聴いて損した」
「その御方は、『言い付けに背けば、二度とクチコミの執筆に手を貸さぬ』とおっしゃっています」
「そうなの?」
「その御方は、あなたが『シン太郎左衛門』シリーズと称する駄文を書きながら、『ああ〜、面倒くさくなってきた!』と途中で投げ出すのを、横から霊的な力で手取り足取り、あなたのオツムのレベルに合わせた卑賤な文章を授けて、これまでどうにか形にしてこられたのです」
「そうだったのか・・・」
「それに、そもそも、れもんちゃんにあなたが出会えたのは、その御方のお導き。本来、あなたのようなオッチョコチョイが、れもんちゃんのような高貴な姫に出会うことがあってはならないのです」
「それは大した腕のある守護霊だ。大恩人だ。そういうことなら、言い付けに逆らうことは出来んな」
「それでは、郵便の件、よろしくお願いします」
「うん・・・ところで、会ったばかりなのに、俺がオッチョコチョイだって、すぐ分かったの?」
「それは、すぐに分かります。あなたは、あの御方の守護がなければ、遠の昔に死んでます」
「それは大変なもんだなぁ。お礼を言っておいてね」
その日の夕方、リュックサック一杯の和菓子を背負って家に帰ると、シン太郎左衛門に、「今日、凄い発見があったぞ」と、アメリカ姉さんとのやり取りを話した。
シン太郎左衛門も感心した様子で、「実に不思議な話でござる」
「まあな。俺が常々『シン太郎左衛門』には俺以外にも書き手がいるはずだ、と感じていたのには、ちゃんと理由があったのだ。これで、これからは安心してサボれる」
「うむ。そんなことを言っては守護霊殿に怒られまするぞ」
「そうかな。まあいいや」
「しかし、父上。そのような高貴な御方が今もこの部屋にいると思うと、緊張いたしまするな」
「うん。でも気にしてもしょうがない。今まで通りやろう」
「ところで父上、れもんちゃんにも守護霊がございまするか」
「そりゃいるだろ。れもんちゃんはVIPだぞ。SPがいるに決まってる」
「れもんちゃんぐらいのVIPになれば、SPは屈強な武将、上杉謙信、武田信玄あたりでござろう。拙者、肩身が狭い」
「何を言うか。れもんちゃんは、れもん星人だぞ。守護霊が日本の戦国武将の訳がない。れもんちゃんは、れもん星のアレキサンダー大王やナポレオンみたいな軍神の霊に守られているに決まってる」
と、そのとき、風もないのにテーブルの上の新聞が捲られて、ペンケースの上の赤ボールペンが宙に浮いたと思ったら、記事の上にサラサラと印を付けて、またペンケースに収まった。見ると、紙面に一から五までの漢数字が書き加えられていた。美しい筆跡だった。
「実に見事な手だな・・・」
書き添えられた数字の順番に文字を読むと、「れもん大王」となった。
「れもんちゃんの守護霊は、『れもん大王』だった。ヤッパリ感が半端ない」
「恐ろしく豪壮な英雄に違いありますまい。ところで、近々届くという郵便は何でござろう」
「俺に分かる訳がない」
「父上、『シン太郎左衛門』は100話までと決まってござる。もう少しで最終回でござる」
「だから?」
「つまり、『シン太郎左衛門』は、いよいよクライマックス。届く書状は、ラスボスの登場を告げるものござるまいか」
「これまで一回でも戦闘シーンがあったか?」
「最近、拙者、剣術の稽古を怠っておるゆえ、すぐにヤラれてしまいまする」
「れもんちゃんにも、すぐにヤラれてしまってるしな」
「うむ。お恥ずかしい」
「しかし、何だな。最初はギャグ漫画だったのに、話が進むにつれてシリアスになるって、よくあるだろ。そんでもって、悲壮で重々しい最終回になるのとか。ああいうのって嫌だよな」
「うむ。あれはいかん」
「『シン太郎左衛門』は、徹頭徹尾ゴミみたいな話で押し切ろうな」
「うむ。我々は元々ゴミでござる。このクチコミの中では、れもんちゃんだけが高貴に輝いておる」
我々はガッシリと手を握り合った。
そして、今日は、日曜日。れもんちゃんデー。
我々ゴミ親子は、JR新快速をアクセル全開にして、勇んで、れもんちゃんに会いに行った。
れもんちゃんは、素晴らしい上にも素晴らしく、まさに宇宙一に宇宙一の地位をほしいままにしていた。
シン太郎左衛門は、ときどき、れもん大王の影に怯えるようにキョロキョロと周りを見回していた。
帰り際、れもんにお見送りしてもらいながら、
「そうだ。れもん大王って、れもん星の英雄なんでしょ?」と訊いてみた。
れもんは、にっこりと、それはそれは可愛い笑顔で、「うん。そうだよ〜。れもんのパパだよ〜」
「えっ・・・そうなんだ」
「今は英雄を定年退職して、ママと一緒に、頑張ってオシャレなカフェを経営してるよ〜」
「れもん星で?」
「そうだよ~」
「元気にしてるんだね」
「うん。とっても元気だよ〜」
きっと、とっても仲のいいご家族なんだろう。
帰りの電車の中、私は、自分の守護霊さんに少しオッチョコチョイなところがあるかもしれないと疑っているのであった。
シン太郎左衛門と守護霊さん 様ありがとうございました。
Club Royal (クラブロイヤル)
トップ
口コミ
投稿者:シン太郎左衛門と守護霊さん 様
ご来店日 2024年11月03日
前回のクチコミに書いたように、私は東南アジアの出張からボロボロになって帰ってきて、週明けの月曜からは、職場の連中に「お待ちかねの逆お土産タイムだ。どこそこの羊羹を二本、耳を揃えて持って来い」とか「どこそこの甘納豆を5000円分要求する」とかメールを送ったり、即応しないヤツには内線電話で督促したりと、大変忙しく過ごした。金曜日の午前中には、逆お土産の回収を完了、リュックサックを高級和菓子で一杯にして、今日はもうやることもないし、早退しようと考えていると、社長から電話がかかってきて、社長室に呼ばれた。ついに、クビになるのかと期待したら、取引先の新しい社長が挨拶に来たので、会っておけと言われた。
「今、忙しいからイヤ」と抗ったが、「君は入社以来一度として忙しかったことがない」と無理矢理付き合わされた。
取引先の新社長が待つ応接室に、ウチの社長を先頭に7人のお歴々と入室しかけたとき、「ねえ、みんなでグレイシー・トレインしない?」と訊いたが、スルーされた。格闘技好きの人事部長だけが少し笑った。
四十そこそこの新社長は中々のイケメンで、かなり美人の、若い女性秘書を連れていた。まあ、美人と言っても、れもんちゃんに敵う訳もなく、真面目に観察もしなかったから、濃紺のパンツスーツがよく似合っているぐらいの印象しかなかった。
新社長は自己紹介めいたことを語ったついでに、その女性秘書について、「アメリカの大学出身の才媛です」と言った。思わず「才媛と言っても、れもんちゃん以上であるわけがない。アメリカの大学と言ったって、ピンキリだしな。ちなみに、ウチの隣の金ちゃんはハーバード大学はもちろん、スタンフォード大学やUCLAのTシャツやトレーナーを持ってて、卒業生でもなんでもないのに平気な顔して外着にしているぞ」と言いかけて止めた。
その瞬間、アメリカ姉さんと目が合ってしまったのだが、なぜか怯えるような表情を浮かべていた。私はアメリカ姉さんには全く関心がなかったので、目線を窓の外に向けて、早く帰りてぇなぁと考えていた。
十五分ほど、社交辞令ばかりの退屈な時間が過ぎて、それではそろそろという感じで、全員が立ち上がり応接室を出た直後、アメリカ姉さんに「少しいいですか?」と声をかけられ、少し離れた場所に招かれた。ああ、手土産を渡されるんだな、高級和菓子なら、こっそり俺がいただこうと企んでいると、アメリカ姉さんは、「すいません。実は・・・」と言って黙ってしまった。
「『実は』って・・・あ〜っ!さては、お土産を忘れたな!」
「違います。お土産なんて最初から用意してません」
「な〜んだ・・・それじゃ、なんなの?」
「私、実は霊感が強くて・・・」
「おいっ!俺に壺でも買わす気か?」
「違うんです。ただ、私、霊感が強くって、人の守護霊が見えるんです」
「そう言って、最終的には壺を買わすんだろ!」
「違います。とりあえず壺は忘れてください。とても重要な話なので、ちゃんと聴いてください」
「よし。聴いてやろう。手短に頼む」
「あなたは、とても徳の高い、高貴な霊に守護されています」
「らしいな。十二単衣を纏った髪の長い女人だろ?平安時代に宮廷に仕えていた才女だ。それがどうした」
「・・・ご存知でしたか」
「俺には見えんし聴こえもしないが、俺が知り合った、『霊感が強い』と自称するヤツらは、口を揃えて俺の背後にそういう霊がいると言うんだ。んで、それがどうした」
「その御方から、あなたへの伝言をお預かりしています」
「なるほど、つまり留守電みたいなもんだな。それなら聞かない。俺はイエ電には出ないし、留守電も聞かない主義だ。投資の勧誘や投票のお願いに決まってる」
「そういうことではありません。『近々郵便が届くから、直ぐに開封なさい』とのことです」
「年金関係?」
「違います。『シン太郎左衛門』シリーズの今後に関わる重要な手紙だとのことです」
「くだらん!もう少しマトモな話かと思った。聴いて損した」
「その御方は、『言い付けに背けば、二度とクチコミの執筆に手を貸さぬ』とおっしゃっています」
「そうなの?」
「その御方は、あなたが『シン太郎左衛門』シリーズと称する駄文を書きながら、『ああ〜、面倒くさくなってきた!』と途中で投げ出すのを、横から霊的な力で手取り足取り、あなたのオツムのレベルに合わせた卑賤な文章を授けて、これまでどうにか形にしてこられたのです」
「そうだったのか・・・」
「それに、そもそも、れもんちゃんにあなたが出会えたのは、その御方のお導き。本来、あなたのようなオッチョコチョイが、れもんちゃんのような高貴な姫に出会うことがあってはならないのです」
「それは大した腕のある守護霊だ。大恩人だ。そういうことなら、言い付けに逆らうことは出来んな」
「それでは、郵便の件、よろしくお願いします」
「うん・・・ところで、会ったばかりなのに、俺がオッチョコチョイだって、すぐ分かったの?」
「それは、すぐに分かります。あなたは、あの御方の守護がなければ、遠の昔に死んでます」
「それは大変なもんだなぁ。お礼を言っておいてね」
その日の夕方、リュックサック一杯の和菓子を背負って家に帰ると、シン太郎左衛門に、「今日、凄い発見があったぞ」と、アメリカ姉さんとのやり取りを話した。
シン太郎左衛門も感心した様子で、「実に不思議な話でござる」
「まあな。俺が常々『シン太郎左衛門』には俺以外にも書き手がいるはずだ、と感じていたのには、ちゃんと理由があったのだ。これで、これからは安心してサボれる」
「うむ。そんなことを言っては守護霊殿に怒られまするぞ」
「そうかな。まあいいや」
「しかし、父上。そのような高貴な御方が今もこの部屋にいると思うと、緊張いたしまするな」
「うん。でも気にしてもしょうがない。今まで通りやろう」
「ところで父上、れもんちゃんにも守護霊がございまするか」
「そりゃいるだろ。れもんちゃんはVIPだぞ。SPがいるに決まってる」
「れもんちゃんぐらいのVIPになれば、SPは屈強な武将、上杉謙信、武田信玄あたりでござろう。拙者、肩身が狭い」
「何を言うか。れもんちゃんは、れもん星人だぞ。守護霊が日本の戦国武将の訳がない。れもんちゃんは、れもん星のアレキサンダー大王やナポレオンみたいな軍神の霊に守られているに決まってる」
と、そのとき、風もないのにテーブルの上の新聞が捲られて、ペンケースの上の赤ボールペンが宙に浮いたと思ったら、記事の上にサラサラと印を付けて、またペンケースに収まった。見ると、紙面に一から五までの漢数字が書き加えられていた。美しい筆跡だった。
「実に見事な手だな・・・」
書き添えられた数字の順番に文字を読むと、「れもん大王」となった。
「れもんちゃんの守護霊は、『れもん大王』だった。ヤッパリ感が半端ない」
「恐ろしく豪壮な英雄に違いありますまい。ところで、近々届くという郵便は何でござろう」
「俺に分かる訳がない」
「父上、『シン太郎左衛門』は100話までと決まってござる。もう少しで最終回でござる」
「だから?」
「つまり、『シン太郎左衛門』は、いよいよクライマックス。届く書状は、ラスボスの登場を告げるものござるまいか」
「これまで一回でも戦闘シーンがあったか?」
「最近、拙者、剣術の稽古を怠っておるゆえ、すぐにヤラれてしまいまする」
「れもんちゃんにも、すぐにヤラれてしまってるしな」
「うむ。お恥ずかしい」
「しかし、何だな。最初はギャグ漫画だったのに、話が進むにつれてシリアスになるって、よくあるだろ。そんでもって、悲壮で重々しい最終回になるのとか。ああいうのって嫌だよな」
「うむ。あれはいかん」
「『シン太郎左衛門』は、徹頭徹尾ゴミみたいな話で押し切ろうな」
「うむ。我々は元々ゴミでござる。このクチコミの中では、れもんちゃんだけが高貴に輝いておる」
我々はガッシリと手を握り合った。
そして、今日は、日曜日。れもんちゃんデー。
我々ゴミ親子は、JR新快速をアクセル全開にして、勇んで、れもんちゃんに会いに行った。
れもんちゃんは、素晴らしい上にも素晴らしく、まさに宇宙一に宇宙一の地位をほしいままにしていた。
シン太郎左衛門は、ときどき、れもん大王の影に怯えるようにキョロキョロと周りを見回していた。
帰り際、れもんにお見送りしてもらいながら、
「そうだ。れもん大王って、れもん星の英雄なんでしょ?」と訊いてみた。
れもんは、にっこりと、それはそれは可愛い笑顔で、「うん。そうだよ〜。れもんのパパだよ〜」
「えっ・・・そうなんだ」
「今は英雄を定年退職して、ママと一緒に、頑張ってオシャレなカフェを経営してるよ〜」
「れもん星で?」
「そうだよ~」
「元気にしてるんだね」
「うん。とっても元気だよ〜」
きっと、とっても仲のいいご家族なんだろう。
帰りの電車の中、私は、自分の守護霊さんに少しオッチョコチョイなところがあるかもしれないと疑っているのであった。
シン太郎左衛門と守護霊さん 様ありがとうございました。