口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
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れもん【VIP】(23)
れもん【VIP】の口コミだけ見る
投稿者:シン太郎左衛門、隣からのオデン 様
ご来店日 2025年02月23日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。毎日寒いので、親子揃って、『今日も寒いなぁ』とか言ってしまうが、こんなことは誰でも知ってることである。ただ、人間はときに誰でも知ってることをシミジミと言ってしまう。例えば、『れもんちゃんは宇宙一に宇宙一である』とか。
昨日は土曜日。れもんちゃんイブ。
仕事が休みだったので、家でゴロゴロ過ごした。
昼前に焼いた餅、デザートにゆで卵を食べたら、またしても家の中の食材が底を突いてしまった。
「いかん。今晩食べるものがなくなった。飢え死にだ」
シン太郎左衛門は、カッパの着ぐるみの中で軽く咳払いをすると、「駅前スーパーに買い物に行けばよい」と冷たく言い放った。
「寒いから嫌だ!」
小さなカッパは、「うむ」と関心なさそうに言ったきり、将棋盤に向かって藤井七冠の棋譜並べを続けた。
将棋をするカッパを最初に見たときは大いに笑ったが、半日も一緒に過ごせば、もう一つも可笑しくなかった。
「おい、カッパ左衛門、将棋は楽しいか?」
「拙者は、カッパ左衛門ではござらぬ」
「そうかい。こう毎日カッパの格好で過ごすんなら、名前も変えたらいい」
シン太郎左衛門は盤面に集中して、「うむ」とさえ言ってくれない。暇すぎて、私は椅子に座ったまま居眠りを始めていた。
目を覚ましたときには日が暮れかかっていた。
「しまった!日があるうちに買い物に行くつもりだったのに」
カッパ左衛門は将棋盤にうつ伏してガーガーとイビキをかいていた。
「起きろ、カッパ!駅前の中華料理屋で麻婆丼でもパッと食べて、日が落ち切る前に帰還するのだ。グズグズしてると、れもんちゃんデーを目の前にして、飢え死にか凍え死にかの二択を迫られるぞ」
「寒いのはかなわん。飢え死にの方がよい」
「お前が選ぶな・・・でも、寒いのイヤだよな。取り敢えず、水でお腹を一杯にして、風呂で暖まろうか」
「それがよい。父上自身が湯たんぽになるということでござるな」
「いや。そうは言ってない」
というような下らない話をしているうちに、本当に日が沈んでしまい、窓の外は真っ暗になった。
風呂が沸くを待ちながら、取り敢えず水を飲んだ。1杯飲んだら、もう飲みたくなくなった。
「ひどいモンだよ、この家には本当に水しかない。あっ、そうだ・・・ケチャップがあった・・・」
「それはよい。水で薄めたらトマトジュースになりますな」
「止めろ。考えただけで胸がムカムカする。う〜ん、水を飲んだら、ますます腹が減ってきた。やっぱり、しっかり着込んで、駅前の中華料理屋まで行こう」
「うむ。それがよい。お留守番は任せてくだされ」
「お前も来い」
「拙者には行く理由がない」
「いや来い!」
そんな下らない推し問答をしていると、インターホンが鳴った。モニターには、金ちゃんママが映っていた。
二人は思わず、「あっ!ゴディバのオバさんだ!」と声を揃えて、歓声をあげていた。
「何か食い物の匂いがするぞ」と言いながら、浅ましさ丸出しで玄関のドアを開けて外に飛び出した。
門の外に立っていた金ちゃんママは、街灯の灯りに照らされて、手にはレジ袋を下げていた。
「お〜、これは、これは、お隣の奥さん。本日は、どういった御用向きでございますか」と、レジ袋を凝視しながら、精一杯の猫撫で声で尋ねた。
「これ、よろしかったら、召し上がってください」と、金ちゃんママが差し出しかけたレジ袋を引ったくるように勢いよく受け取ると、中身を覗き、
「こっ、これは、駅前スーパーのオデンではありませんか!このプラスチックの容器は、間違いなく駅前スーパーのオデンだ!これは素晴らしい!この寒い日にオデンとは素晴らしい!宇宙で2番目に素晴らしい!」
私の余りの感動ぶりに、金ちゃんママは苦笑いを浮かべ、「・・・そんなに喜んでもらえて嬉しいです。たくさん買って帰ったのに、幸則が急に仕事で帰れなくなって・・・」
「ユキノリ?・・・誰ですか、それ?」
「えっ?ウチの息子です・・・」
「はあっ?・・・ああ、そうだった、そうだった。随分前にそんなことを聞いた気がする。金ちゃ、いや御子息は、お身内の間ではユキノリと呼ばれてるってことですな」
「それが本名なので」
「なるほど・・・まあいいや。ありがたくご馳走になります」
そのとき、金ちゃんママの視線が、レジ袋を持った手とは逆の、私の左手に注がれていることに気が付いた。私は左手にカッパを握っていた。
「ああ、これ?カッパです。お気に召したんなら差し上げます」
「いいえ。絶対に要りません。さっきから目がギョロギョロと動いたり、寒そうに震えてみたり、私の錯覚だとは思いますけど、ホラー映画みたいで怖いです」
「ですよね」
帰っていく金ちゃんママの背中をしばし見送った後、
「よし、夕飯をゲットだぜ」とガッツポーズを作った。
オデンはとっても美味しかった。
そして、その翌日、今日は日曜日。れもんちゃんデー。JR新快速で、れもんちゃんに会いに行った。
言うまでもなく、れもんちゃんは宇宙一に宇宙一で、宇宙一のれもんちゃんと宇宙ニの駅前スーパーのオデンの間には1000兆光年の隔たりがあった。本来、比較してはいけないのだ。
帰り際、れもんちゃんのお見送りを受けながら、
「あっ、そうだ。昨日、オデン食べたよ」と言うと、れもんちゃんは目を輝かせて、
「オデン、美味しいよね。カラシたっぷり付けて食べると、もっと美味しいよ〜」
「そうだよね。でも、昨日はカラシなしで食べたよ」と応えると、れもんちゃんは悲しい目になって、
「それはダメだよ。オデンにはカラシだよ〜」
「うん。でも今ウチにはケチャップしかないんだ」
「そんなのダメだよ。オデンにはカラシだよ〜。反省した方がいいよ〜」と叱られてしまった。
れもんちゃんも怒ることがあるのだ。
最近、ボケが進んで、先が長いとは思えない私には、人類に言い残して置くべきことが二つある。第一には、れもんちゃんはこれからもずっと宇宙一に宇宙一だということ、そして第二は、オデンにはカラシが欠かせない、ということである。
シン太郎左衛門、隣からのオデン 様ありがとうございました。
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投稿者:シン太郎左衛門、隣からのオデン 様
ご来店日 2025年02月23日
昨日は土曜日。れもんちゃんイブ。
仕事が休みだったので、家でゴロゴロ過ごした。
昼前に焼いた餅、デザートにゆで卵を食べたら、またしても家の中の食材が底を突いてしまった。
「いかん。今晩食べるものがなくなった。飢え死にだ」
シン太郎左衛門は、カッパの着ぐるみの中で軽く咳払いをすると、「駅前スーパーに買い物に行けばよい」と冷たく言い放った。
「寒いから嫌だ!」
小さなカッパは、「うむ」と関心なさそうに言ったきり、将棋盤に向かって藤井七冠の棋譜並べを続けた。
将棋をするカッパを最初に見たときは大いに笑ったが、半日も一緒に過ごせば、もう一つも可笑しくなかった。
「おい、カッパ左衛門、将棋は楽しいか?」
「拙者は、カッパ左衛門ではござらぬ」
「そうかい。こう毎日カッパの格好で過ごすんなら、名前も変えたらいい」
シン太郎左衛門は盤面に集中して、「うむ」とさえ言ってくれない。暇すぎて、私は椅子に座ったまま居眠りを始めていた。
目を覚ましたときには日が暮れかかっていた。
「しまった!日があるうちに買い物に行くつもりだったのに」
カッパ左衛門は将棋盤にうつ伏してガーガーとイビキをかいていた。
「起きろ、カッパ!駅前の中華料理屋で麻婆丼でもパッと食べて、日が落ち切る前に帰還するのだ。グズグズしてると、れもんちゃんデーを目の前にして、飢え死にか凍え死にかの二択を迫られるぞ」
「寒いのはかなわん。飢え死にの方がよい」
「お前が選ぶな・・・でも、寒いのイヤだよな。取り敢えず、水でお腹を一杯にして、風呂で暖まろうか」
「それがよい。父上自身が湯たんぽになるということでござるな」
「いや。そうは言ってない」
というような下らない話をしているうちに、本当に日が沈んでしまい、窓の外は真っ暗になった。
風呂が沸くを待ちながら、取り敢えず水を飲んだ。1杯飲んだら、もう飲みたくなくなった。
「ひどいモンだよ、この家には本当に水しかない。あっ、そうだ・・・ケチャップがあった・・・」
「それはよい。水で薄めたらトマトジュースになりますな」
「止めろ。考えただけで胸がムカムカする。う〜ん、水を飲んだら、ますます腹が減ってきた。やっぱり、しっかり着込んで、駅前の中華料理屋まで行こう」
「うむ。それがよい。お留守番は任せてくだされ」
「お前も来い」
「拙者には行く理由がない」
「いや来い!」
そんな下らない推し問答をしていると、インターホンが鳴った。モニターには、金ちゃんママが映っていた。
二人は思わず、「あっ!ゴディバのオバさんだ!」と声を揃えて、歓声をあげていた。
「何か食い物の匂いがするぞ」と言いながら、浅ましさ丸出しで玄関のドアを開けて外に飛び出した。
門の外に立っていた金ちゃんママは、街灯の灯りに照らされて、手にはレジ袋を下げていた。
「お〜、これは、これは、お隣の奥さん。本日は、どういった御用向きでございますか」と、レジ袋を凝視しながら、精一杯の猫撫で声で尋ねた。
「これ、よろしかったら、召し上がってください」と、金ちゃんママが差し出しかけたレジ袋を引ったくるように勢いよく受け取ると、中身を覗き、
「こっ、これは、駅前スーパーのオデンではありませんか!このプラスチックの容器は、間違いなく駅前スーパーのオデンだ!これは素晴らしい!この寒い日にオデンとは素晴らしい!宇宙で2番目に素晴らしい!」
私の余りの感動ぶりに、金ちゃんママは苦笑いを浮かべ、「・・・そんなに喜んでもらえて嬉しいです。たくさん買って帰ったのに、幸則が急に仕事で帰れなくなって・・・」
「ユキノリ?・・・誰ですか、それ?」
「えっ?ウチの息子です・・・」
「はあっ?・・・ああ、そうだった、そうだった。随分前にそんなことを聞いた気がする。金ちゃ、いや御子息は、お身内の間ではユキノリと呼ばれてるってことですな」
「それが本名なので」
「なるほど・・・まあいいや。ありがたくご馳走になります」
そのとき、金ちゃんママの視線が、レジ袋を持った手とは逆の、私の左手に注がれていることに気が付いた。私は左手にカッパを握っていた。
「ああ、これ?カッパです。お気に召したんなら差し上げます」
「いいえ。絶対に要りません。さっきから目がギョロギョロと動いたり、寒そうに震えてみたり、私の錯覚だとは思いますけど、ホラー映画みたいで怖いです」
「ですよね」
帰っていく金ちゃんママの背中をしばし見送った後、
「よし、夕飯をゲットだぜ」とガッツポーズを作った。
オデンはとっても美味しかった。
そして、その翌日、今日は日曜日。れもんちゃんデー。JR新快速で、れもんちゃんに会いに行った。
言うまでもなく、れもんちゃんは宇宙一に宇宙一で、宇宙一のれもんちゃんと宇宙ニの駅前スーパーのオデンの間には1000兆光年の隔たりがあった。本来、比較してはいけないのだ。
帰り際、れもんちゃんのお見送りを受けながら、
「あっ、そうだ。昨日、オデン食べたよ」と言うと、れもんちゃんは目を輝かせて、
「オデン、美味しいよね。カラシたっぷり付けて食べると、もっと美味しいよ〜」
「そうだよね。でも、昨日はカラシなしで食べたよ」と応えると、れもんちゃんは悲しい目になって、
「それはダメだよ。オデンにはカラシだよ〜」
「うん。でも今ウチにはケチャップしかないんだ」
「そんなのダメだよ。オデンにはカラシだよ〜。反省した方がいいよ〜」と叱られてしまった。
れもんちゃんも怒ることがあるのだ。
最近、ボケが進んで、先が長いとは思えない私には、人類に言い残して置くべきことが二つある。第一には、れもんちゃんはこれからもずっと宇宙一に宇宙一だということ、そして第二は、オデンにはカラシが欠かせない、ということである。
シン太郎左衛門、隣からのオデン 様ありがとうございました。