口コミ│神戸・福原 ソープランド Club Royal (クラブロイヤル)
078-512-0011
トップ
TOP
料金システム
SYSTEM
在籍一覧
LIST
新人情報
NEW FACE
出勤情報
SCHEDULE
待ち時間
REAL TIME
新着情報
TOPICS
イベント
EVENT
口コミ
REVIEW
写メ日記
PHOTO DIARY
求人情報
RECRUIT
男子求人
RECRUIT
アクセス
ACCESS
動画
MOVIE
メルマガ
MAIL MAGAZINE
クレジット決済
CTREDIT
営業時間9:00 ~ 24:00前
口コミ
REVIEW
口コミを投稿する
れもん【VIP】(23)
れもん【VIP】の口コミだけ見る
投稿者:シン太郎左衛門と『JRのダイヤ改正』 様
ご来店日 2025年05月11日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。
前回のクチコミに書いたとおり、れもんちゃんの無邪気な発言により、急遽JRのダイヤ改正がされ、朝夕の通勤時間帯の新快速は廃止、すべて普通になった。更に最高速度を従来比50%にすると発表された。お陰で私は毎朝始発の普通電車に乗り、長い時間をかけ職場に通うこととなった。オマケに終業時間と同時に職場を飛び出さないと、駅前の中華屋の営業時間に間に合わなくなった。
早朝の駅のホームでも、みんなブーブー文句を言っていたが、事情を知っている私は黙って我慢するしかなかった。
れもんちゃんの言葉は、かくも絶対なのである。
ゴールデンウィーク明けの水曜日の朝、私は4時台に目を覚まし、バタバタと身支度をして、〇〇駅に向かってまだ薄暗い街路を疾走していた。
シン太郎左衛門は「父上、一体何が起きたのでござるか。まだ夜は明けておりませぬぞ」
「分かってる。今は話をしている時間がない。説明は後だ」
始発の普通電車に飛び乗って、席に腰を降ろすと、ハンカチで額や首周りの汗を拭ったが、汗が止まらなかった。
「悲惨だ・・・これから毎朝これか・・・」
「父上、これは一体何の騒ぎでござるか」
「れもんちゃんだ。前回のクチコミで、れもんちゃんが、別に転勤になったわけでもないのに、私の通勤時間が長くなったという設定をしたから、JR西日本が新快速を廃止して、辻褄を合わすという荒業に出たのだ。お陰で俺は今日から始発の各駅停車に乗らなければ遅刻するという厳しい環境に置かれた」
「うむ。れもんちゃんの命令は絶対でござる」
「そうだ。それに加えて、俺はこれからウトウトして、れもん星に行く夢を見なければならない」
「それも、れもんちゃんの申し付けでござるか」
「そうだ。ただ、普通に寝たのでは、そう都合よくれもん星には行けんからな。例の魔法を使うしかない」
「いかにも。しかし、魔法を使って夢を見るのであれば、わざわざ長い通勤時間を持ち出す理由がどこにございまするか」
「おい!お前、れもんちゃんを批判する気か?」
「そんなつもりはござらぬ。ただ論理的に無理がござろう」
「そんなことは些細なことでしかない。れもんちゃんの素晴らしさは論理的な説明を必要としない。れもんちゃんは宇宙一可愛く、宇宙一の〇〇〇(自己検閲済)だ。これは論理を超えた単純な事実だ」
「うむ。間違いござらぬ」
「では、我々はこれから長すぎる通勤時間ゆえに寝てしまおう」
「かしこまってござる。我ら、まったく寝る気もないのに、唱えたら確実に眠りに落ち、れもん星に行ってしまう呪文を唱えましょう」
「・・・まあ、いいや。いくぞ」
我々は『キリンれもん、キリンれもん、キリンれもんちゃん・・・』と呪文を唱えた。
そして・・・
「おい・・・ここは、どこだ?」
「知らぬ。それは、れもんちゃんの設定次第でござろう」
「れもんちゃんは、細かいことを問題にする娘ではない。『通勤時間が長くなったから電車でウトウトして、れもん星にワープしてしまう』というのが、れもんちゃんからのお題であって、『れもん星のどこ』という指定はない」
「で、ここはどこでござるか」
「それは元々俺の質問だ」
照明が消されているので、はっきりとは分からなかったが、窓から入る薄明かりに浮かぶ情景からは、まだ誰も出勤していない会社のオフィスと思われた。
「灯りを点けてくだされ」
壁に埋め込みのスイッチがあったので、押してみた。部屋の照明が点灯した。
「ここは・・・」
「どこかの会社のオフィスでござるな」
「ここは、我が社の旧社屋だよ〜。福岡組ちゃんのオフィスちゃんだよ〜」
「おお、それでは、早々、職場に到着でござるな」
「通勤時間を短縮してどうすんだ!通勤時間を伸ばすのが、れもんちゃんの命令だぞ。それに、ここは、れもん星でもないし。何かの手違いだ。一旦起きるぞ」
「うむ。残念でござる」
二人は目を覚ました。
電車はまだ一駅も進んでいなかった。
我々は再び『キリンれもん、キリンれもん、キリンれもんちゃん・・・』と呪文を唱えた。
そして・・・
「おい、ここは俺の家じゃないか」
「さすがに電気が点いてなくとも分かる。我が家のリビングでござる」
「家に帰って、どうすんだよ」
「また手違いでござるな」
「・・・起きよう」
次も似たようなものだった。
「あっ!ここは俺が卒業した小学校だ。俺のいた頃は1クラス50人以上で6クラスあったんだが、今は30人足らずのクラスが2つしかないって話だぞ・・・そんなこと、どうだっていいや。起きよう」
「うむ。一旦起きましょう」
二人は首を傾げて、
「おかしいなぁ。この魔法で、これまでは確実に、れもん星に行けたのに、今朝は、れもん星どころか、日本から出れない」
「我々の気合いが足らぬのでござろうか」
「そうかもしれん。もっと気合いを入れてみよう」
歯を食いしばり、コメカミに青筋を浮かべながら、真っ赤な顔で、「キリンれもん、キリンれもん、キリンれもんちゃん!!・・・」と10回唱えると・・・
「おお、エジプト古代王朝の遺跡でござるぞ!」
「よし、大躍進だ!取り敢えず日本から出れたぞ。それにしても、スフィンクスって大きいなぁ・・・でも、れもん星じゃないから意味がない。起きよう」
次は、サバンナで野生のアフリカ象に出会った。シン太郎左衛門は大興奮だった。
万里の長城やナイアガラの滝にも行った。
ローマのコロセウムやギリシャのパルテノン神殿も訪れた。
我々は電車の中で呪文を唱えては、地球上のアチコチに出没して、すぐまた起きて、また呪文を唱えて別の場所に飛んでいった。
我々の乗る電車は、まだ京都にも着いていなかった。
「まだ京都の手前かぁ。俺たち、電車の旅にしては、ずいぶん色んなところに行ったな〜」
「軽く50ヶ国は訪れた。短時間ではござったが、沢山の世界遺産を見学いたした」
「ブラジルでサンバも踊ったし、韓国でテコンドーの体験レッスンも受けた」
「父上は何をやらせても、すぐに息を切らして『死にそうだ』と嘆いておるばかり・・・さっさと目を覚まして、切り上げればよいものを」
「行きがかり上、余り素っ気なくも出来んかった」
「楽しかったから、よしと致そう。野生の北極グマにもアフリカ象にも出会った。野生のベンガル虎には食われかけた。野生の動物たちとの触れ合いは実に楽しい」
「お前こそ、さっさと切り上げればいいものを、長々と動物たちと戯れおって」
「拙者、動物好きでござる。いずれにせよ、様々な体験が盛り沢山で、通勤時間の長さの演出は完璧でござった。しかし、肝心のれもん星には、どうしても辿り着けぬ」
「俺は世界一周の旅がしたいんじゃない。れもん星に行って、れもんちゃんとの約束を果たしたいだけだ・・・もしかしたら、呪文が違ってるんじゃないか?『キリンれもん、キリンれもん』じゃなくて、『ママれもん、ママれもん』じゃなかったっけ?」
「うむ。言われてみれば、そんな気も致しまする。『ポッカれもん、ポッカれもん』だったかもしれぬ。最近使わなんだから、よく分からぬようになった。まずは、『ママれもん』から試してみましょうぞ」
「そうしよう。いくぞ。ママれもん、ママれもん、ママれもんちゃん・・・」
呪文を唱えてみたが、目に見えて、何も起こらなかった。
「これはダメだ。もしかしたら、家の食器がピカピカになっているかもしれんが、眠ることさえできない」
「次のを試しましょう」
『ポッカれもん』は、口の中が酸っぱくなっただけだった。
全身に疲労感が蓄積されていた。
「もうクタクタだ。取り敢えず一眠りしよう」
座席の背凭れに身を委ね、目を閉じた途端、我々は眠りに落ちていた。どんな夢を見たか、全く記憶がない。
目を覚ましたときには、数駅乗り過ごしていて、職場には30分以上遅刻してしまった。
重たい身体を引き摺るようにオフィスに入ると、福岡組のみんなが、
「『おはようちゃん』だよ〜。遅いから、今日は来ないのかと思ってたよ〜」と出迎えてくれた。
「疲れたよ〜。大変だったよ〜。早朝から世界中を飛び回ってきたよ〜」
「世界中ちゃんを飛び回るのは大変ちゃんだよ〜。ビールちゃんがあるから、飲んだらいいよ〜。美味しいよ〜」
「要らないよ〜。そんなの飲んだら死んじゃうよ〜」とデスクの椅子にグッタリ腰を降ろすと、福岡組のお馬鹿さんの一人が、
「そうだ、組長ちゃん!今朝、最初に僕が出勤したとき、もう部屋の電気ちゃんが点いてたよ〜。金曜日の夕方、消して帰ったのに、不思議だよ〜。きっとオバケちゃんが出たんだよ〜」と嬉しそうにビールを渡してくれた。
ハッとして、思わず「今日の5時過ぎに・・・」と言いかけたが、福岡組のお馬鹿さんたちは、早速オバケちゃんゴッコを始めていたので、「電気を点けっぱなしにしたのは、多分私だ」とは言わなかった。
そして、今日は、日曜日。れもんちゃんデー。
平日の通勤時間帯からは姿を消したJR新快速に乗って、れもんちゃんに会いに行った。
れもんちゃんは、それはそれは宇宙一に宇宙一で、不当なまでに過酷な通勤によって蓄積した疲労とストレスがすっかり霧散し、れもんエネルギーが満タンにチャージされ、私もシン太郎左衛門も、れもんイエローに発光していた。
帰り際、れもんちゃんにお見送りをしてもらながら、
「ありがとう。見ての通り、すっかり元気になったよ。通勤時間が長くなって、れもん星に辿り着こうと、必死に地球上を飛び回って、先週3日間でボロボロになったんだ」
「そうなんだね〜。引き続き頑張ってね〜」
「いやいや。正直、もう頑張れないよ。JRのダイヤを元に戻してもいいかなぁ」
れもんちゃんは、少し首を傾げて、思案した後、
「うん。いいよ〜。れもんは、普段JRには乗らないよ〜」
かくして、JRのダイヤは元に戻った。
我々は、『キリンれもんちゃん』の呪文がJRのダイヤから何らかの影響を受けるものと推察している。
シン太郎左衛門と『JRのダイヤ改正』 様ありがとうございました。
Club Royal (クラブロイヤル)
トップ
口コミ
投稿者:シン太郎左衛門と『JRのダイヤ改正』 様
ご来店日 2025年05月11日
前回のクチコミに書いたとおり、れもんちゃんの無邪気な発言により、急遽JRのダイヤ改正がされ、朝夕の通勤時間帯の新快速は廃止、すべて普通になった。更に最高速度を従来比50%にすると発表された。お陰で私は毎朝始発の普通電車に乗り、長い時間をかけ職場に通うこととなった。オマケに終業時間と同時に職場を飛び出さないと、駅前の中華屋の営業時間に間に合わなくなった。
早朝の駅のホームでも、みんなブーブー文句を言っていたが、事情を知っている私は黙って我慢するしかなかった。
れもんちゃんの言葉は、かくも絶対なのである。
ゴールデンウィーク明けの水曜日の朝、私は4時台に目を覚まし、バタバタと身支度をして、〇〇駅に向かってまだ薄暗い街路を疾走していた。
シン太郎左衛門は「父上、一体何が起きたのでござるか。まだ夜は明けておりませぬぞ」
「分かってる。今は話をしている時間がない。説明は後だ」
始発の普通電車に飛び乗って、席に腰を降ろすと、ハンカチで額や首周りの汗を拭ったが、汗が止まらなかった。
「悲惨だ・・・これから毎朝これか・・・」
「父上、これは一体何の騒ぎでござるか」
「れもんちゃんだ。前回のクチコミで、れもんちゃんが、別に転勤になったわけでもないのに、私の通勤時間が長くなったという設定をしたから、JR西日本が新快速を廃止して、辻褄を合わすという荒業に出たのだ。お陰で俺は今日から始発の各駅停車に乗らなければ遅刻するという厳しい環境に置かれた」
「うむ。れもんちゃんの命令は絶対でござる」
「そうだ。それに加えて、俺はこれからウトウトして、れもん星に行く夢を見なければならない」
「それも、れもんちゃんの申し付けでござるか」
「そうだ。ただ、普通に寝たのでは、そう都合よくれもん星には行けんからな。例の魔法を使うしかない」
「いかにも。しかし、魔法を使って夢を見るのであれば、わざわざ長い通勤時間を持ち出す理由がどこにございまするか」
「おい!お前、れもんちゃんを批判する気か?」
「そんなつもりはござらぬ。ただ論理的に無理がござろう」
「そんなことは些細なことでしかない。れもんちゃんの素晴らしさは論理的な説明を必要としない。れもんちゃんは宇宙一可愛く、宇宙一の〇〇〇(自己検閲済)だ。これは論理を超えた単純な事実だ」
「うむ。間違いござらぬ」
「では、我々はこれから長すぎる通勤時間ゆえに寝てしまおう」
「かしこまってござる。我ら、まったく寝る気もないのに、唱えたら確実に眠りに落ち、れもん星に行ってしまう呪文を唱えましょう」
「・・・まあ、いいや。いくぞ」
我々は『キリンれもん、キリンれもん、キリンれもんちゃん・・・』と呪文を唱えた。
そして・・・
「おい・・・ここは、どこだ?」
「知らぬ。それは、れもんちゃんの設定次第でござろう」
「れもんちゃんは、細かいことを問題にする娘ではない。『通勤時間が長くなったから電車でウトウトして、れもん星にワープしてしまう』というのが、れもんちゃんからのお題であって、『れもん星のどこ』という指定はない」
「で、ここはどこでござるか」
「それは元々俺の質問だ」
照明が消されているので、はっきりとは分からなかったが、窓から入る薄明かりに浮かぶ情景からは、まだ誰も出勤していない会社のオフィスと思われた。
「灯りを点けてくだされ」
壁に埋め込みのスイッチがあったので、押してみた。部屋の照明が点灯した。
「ここは・・・」
「どこかの会社のオフィスでござるな」
「ここは、我が社の旧社屋だよ〜。福岡組ちゃんのオフィスちゃんだよ〜」
「おお、それでは、早々、職場に到着でござるな」
「通勤時間を短縮してどうすんだ!通勤時間を伸ばすのが、れもんちゃんの命令だぞ。それに、ここは、れもん星でもないし。何かの手違いだ。一旦起きるぞ」
「うむ。残念でござる」
二人は目を覚ました。
電車はまだ一駅も進んでいなかった。
我々は再び『キリンれもん、キリンれもん、キリンれもんちゃん・・・』と呪文を唱えた。
そして・・・
「おい、ここは俺の家じゃないか」
「さすがに電気が点いてなくとも分かる。我が家のリビングでござる」
「家に帰って、どうすんだよ」
「また手違いでござるな」
「・・・起きよう」
次も似たようなものだった。
「あっ!ここは俺が卒業した小学校だ。俺のいた頃は1クラス50人以上で6クラスあったんだが、今は30人足らずのクラスが2つしかないって話だぞ・・・そんなこと、どうだっていいや。起きよう」
「うむ。一旦起きましょう」
二人は首を傾げて、
「おかしいなぁ。この魔法で、これまでは確実に、れもん星に行けたのに、今朝は、れもん星どころか、日本から出れない」
「我々の気合いが足らぬのでござろうか」
「そうかもしれん。もっと気合いを入れてみよう」
歯を食いしばり、コメカミに青筋を浮かべながら、真っ赤な顔で、「キリンれもん、キリンれもん、キリンれもんちゃん!!・・・」と10回唱えると・・・
「おお、エジプト古代王朝の遺跡でござるぞ!」
「よし、大躍進だ!取り敢えず日本から出れたぞ。それにしても、スフィンクスって大きいなぁ・・・でも、れもん星じゃないから意味がない。起きよう」
次は、サバンナで野生のアフリカ象に出会った。シン太郎左衛門は大興奮だった。
万里の長城やナイアガラの滝にも行った。
ローマのコロセウムやギリシャのパルテノン神殿も訪れた。
我々は電車の中で呪文を唱えては、地球上のアチコチに出没して、すぐまた起きて、また呪文を唱えて別の場所に飛んでいった。
我々の乗る電車は、まだ京都にも着いていなかった。
「まだ京都の手前かぁ。俺たち、電車の旅にしては、ずいぶん色んなところに行ったな〜」
「軽く50ヶ国は訪れた。短時間ではござったが、沢山の世界遺産を見学いたした」
「ブラジルでサンバも踊ったし、韓国でテコンドーの体験レッスンも受けた」
「父上は何をやらせても、すぐに息を切らして『死にそうだ』と嘆いておるばかり・・・さっさと目を覚まして、切り上げればよいものを」
「行きがかり上、余り素っ気なくも出来んかった」
「楽しかったから、よしと致そう。野生の北極グマにもアフリカ象にも出会った。野生のベンガル虎には食われかけた。野生の動物たちとの触れ合いは実に楽しい」
「お前こそ、さっさと切り上げればいいものを、長々と動物たちと戯れおって」
「拙者、動物好きでござる。いずれにせよ、様々な体験が盛り沢山で、通勤時間の長さの演出は完璧でござった。しかし、肝心のれもん星には、どうしても辿り着けぬ」
「俺は世界一周の旅がしたいんじゃない。れもん星に行って、れもんちゃんとの約束を果たしたいだけだ・・・もしかしたら、呪文が違ってるんじゃないか?『キリンれもん、キリンれもん』じゃなくて、『ママれもん、ママれもん』じゃなかったっけ?」
「うむ。言われてみれば、そんな気も致しまする。『ポッカれもん、ポッカれもん』だったかもしれぬ。最近使わなんだから、よく分からぬようになった。まずは、『ママれもん』から試してみましょうぞ」
「そうしよう。いくぞ。ママれもん、ママれもん、ママれもんちゃん・・・」
呪文を唱えてみたが、目に見えて、何も起こらなかった。
「これはダメだ。もしかしたら、家の食器がピカピカになっているかもしれんが、眠ることさえできない」
「次のを試しましょう」
『ポッカれもん』は、口の中が酸っぱくなっただけだった。
全身に疲労感が蓄積されていた。
「もうクタクタだ。取り敢えず一眠りしよう」
座席の背凭れに身を委ね、目を閉じた途端、我々は眠りに落ちていた。どんな夢を見たか、全く記憶がない。
目を覚ましたときには、数駅乗り過ごしていて、職場には30分以上遅刻してしまった。
重たい身体を引き摺るようにオフィスに入ると、福岡組のみんなが、
「『おはようちゃん』だよ〜。遅いから、今日は来ないのかと思ってたよ〜」と出迎えてくれた。
「疲れたよ〜。大変だったよ〜。早朝から世界中を飛び回ってきたよ〜」
「世界中ちゃんを飛び回るのは大変ちゃんだよ〜。ビールちゃんがあるから、飲んだらいいよ〜。美味しいよ〜」
「要らないよ〜。そんなの飲んだら死んじゃうよ〜」とデスクの椅子にグッタリ腰を降ろすと、福岡組のお馬鹿さんの一人が、
「そうだ、組長ちゃん!今朝、最初に僕が出勤したとき、もう部屋の電気ちゃんが点いてたよ〜。金曜日の夕方、消して帰ったのに、不思議だよ〜。きっとオバケちゃんが出たんだよ〜」と嬉しそうにビールを渡してくれた。
ハッとして、思わず「今日の5時過ぎに・・・」と言いかけたが、福岡組のお馬鹿さんたちは、早速オバケちゃんゴッコを始めていたので、「電気を点けっぱなしにしたのは、多分私だ」とは言わなかった。
そして、今日は、日曜日。れもんちゃんデー。
平日の通勤時間帯からは姿を消したJR新快速に乗って、れもんちゃんに会いに行った。
れもんちゃんは、それはそれは宇宙一に宇宙一で、不当なまでに過酷な通勤によって蓄積した疲労とストレスがすっかり霧散し、れもんエネルギーが満タンにチャージされ、私もシン太郎左衛門も、れもんイエローに発光していた。
帰り際、れもんちゃんにお見送りをしてもらながら、
「ありがとう。見ての通り、すっかり元気になったよ。通勤時間が長くなって、れもん星に辿り着こうと、必死に地球上を飛び回って、先週3日間でボロボロになったんだ」
「そうなんだね〜。引き続き頑張ってね〜」
「いやいや。正直、もう頑張れないよ。JRのダイヤを元に戻してもいいかなぁ」
れもんちゃんは、少し首を傾げて、思案した後、
「うん。いいよ〜。れもんは、普段JRには乗らないよ〜」
かくして、JRのダイヤは元に戻った。
我々は、『キリンれもんちゃん』の呪文がJRのダイヤから何らかの影響を受けるものと推察している。
シン太郎左衛門と『JRのダイヤ改正』 様ありがとうございました。