福原ソープランド 神戸で人気の風俗店【クラブロイヤル】
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お客様の声
しおり【VIP】(21)
投稿者:しおり病@治療中様
ご利用日時:2024年1月4日
姫はじめに予約させていただきました。
つま先立ちしてせがむような柔らかい唇の情熱的なキスのお出迎えにキュンキュンしてしまいます。
強く抱きしめたら折れそうなスレンダーで色白な綺麗な体、形の良い小ぶりなお尻がとてもいい、
一度いなくなって、もう会えないのかなと思ったら可愛いさがパワーアップして帰って来てくれて嬉しいです。
再会してから、しおり病にかかってしまい治療のために次の指名も必須です。
しおり病@治療中様ありがとうございました。
あおい【VIP】(21)
投稿者:t様
ご利用日時:2023年12月25日
あおいさん!ありがとうございました!
とても優しい方で、トークも弾み楽しい時間を過ごす事ができました!
あおいさんを指名してよかったです!
また機会があれば指名させていただきます!
t様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門の戦国バトルラップ(クリスマス・バージョン)様
ご利用日時:2023年12月24日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。年末も押し迫ってきた。年内最後のシン太郎左衛門シリーズだが、特に頑張って書こうとか、そんな気持ちはサラサラない。
今日、日曜日、年内最後のれもんちゃんの日である。クリスマス・イヴでもあるが、私にとってクリスマス自体は特別な日ではない。
朝、目が覚めると、シン太郎左衛門も同時に目を覚まし、「父上、クリスマスでござるな」
「今日はイヴだ」
「では、恒例のラップバトルを致しましょう」
「毎年やってるような感じで言うな。ラップバトルなんて、やったこともない。嫌だ。どんなモノだか、ぼんやりとしかイメージできないが、トゲトゲしい言葉のやり取りは俺の趣味ではない」
「いやいや。拙者が望むのは、互いを貶し合うことではなく、れもんちゃんの素晴らしさをワイワイ楽しく讃えるタイプのラップバトルでござる」
「平和的なヤツ?」
「うむ。勝った負けたは重要ではござらぬ。れもんちゃんの素晴らしさをどれだけ伝えられるかを競いまする。審査員は拙者が務めまする」
「では、俺に勝ち目はない」
「勝ち負けは二の次でござる。スパイス程度に相手をディスりまする。負けた方は、今日を最後に、れもんちゃんファンを辞めねばならぬ」
「そんなもの、死んでもやらない」
「では、始めまする」
「おい、人の話を聴け」
シン太郎左衛門は勝手に歌い出した。
ヨー、ヨー、ヨー、ヨー
お前の言葉は空っぽ過ぎるぜ
黙ってオイラのラップを聴きな
血の雨浴びて、鍛えたスピリット
リアルな武士の命の叫び
ヨー、時は天正十二年
佐々成政、大軍率いて
加賀の国へと攻め入れり・・・
私は布団にくるまったまま、黙って聴いていた。シン太郎左衛門は布団の中で約15分語り続けた。語り終えると、「父上の番でござる」と促されたが、それでも黙っていた。
「いかがなされた。父上の番でござる」
「特に言うべきことがない。割と楽しく聴かせてもらった」
「それだけでござるか」
「それだけだ」
「負けを認めまするか」
布団からモソモソ起き上がって、洗面所に向かいながら、「いや。勝ちも負けもない。ラップバトルになってない」
「なんと。ラップバトルでないと」
「そうだ。まずジャンルが違う」
「ジャンルとな」
歯を磨きながら、「お前が語ったのは、冒頭のごく僅かな部分を除いて、ラップではない。世の中で一般的に『講談』と呼ばれているものに近い」
「うむ。では、講談バトルと致しましょう」
「いや、正確に言えば、講談とも呼べない。戦国時代を舞台にしたバトル・ファンタジーだ。まず、主人公の戦国武将れもん姫の出で立ちが可愛すぎる」
「れもんちゃんがモデルだから可愛いのが当然でござる」
「真田幸村ばりの真っ赤な甲冑だが、兜に付いているのは鹿の角でない。トナカイの角だ。小さな身体のれもん姫が、トナカイの角の付いた兜を被ってピョコピョコと登場し、『ヤッちゃうよ~ん』と言ったときに、全身の力が抜けた」
「トナカイの兜は、クリスマスシーズン限定のサービス・アイテムでござる」
台所でコーヒーの湯を沸かしながら、
「分かってる。旗指物には、六文銭とか風林火山ではなく、輪切りのレモンと『美容院に行ったよ~ん』の文字が染め抜かれている」
「それは誰もがひれ伏すれもん姫のトレードマーク。オールシーズンでござる」「だろうな。最初の、末森城の戦いぐらいまでは、それなりに講談らしかったが、れもん姫の登場で全てが一変した。れもん姫が『スターウォーズ』のライトセーバーみたいな剣、光丸を振り回して、視界を埋め尽くした数千の敵兵を撫で斬りにしたり、『マトリックス』みたいに海老反りで火縄銃の弾を交わしたり、挙げ句の果てに宇宙空母で敵の城を次々と木っ端微塵にしたり、やりたい放題だった」
「うむ、れもんちゃんの凄さ、可愛さはチート級でござる。福原の歴史を大きく塗り替えてござる」
「それはそうだ。その点には同意する。ただ、この話は福原の歴史でなく、日本の歴史を変えている。この流れで行くと、徳川幕府は誕生しない。それに、れもん姫の忠実な家来の名前は、シン太郎左衛門だったな」
「うむ。拙者がモデルでござる」
「当然そうだろう。そのまんまだ。コイツは、割と忙しそうにしているが、ロクなことをしていない。れもん姫が長さ七間、12メートル超のライトセーバーを振り回している横で、クリスマス・リースを作ったり、七面鳥を焼いたりして、敵味方の区別なく、せっせと皆に配ってる」
「これもクリスマス限定サービスでござる」
「まともにディスられたら、多少は応酬をする気になったかもしれないが、こんな話では目くじらを立てる理由がない。少し気になったのは、俺をモデルにした登場人物がいなかったことぐらいだ」
「あっ、それを言うのを忘れてござった。戦場で拙者が踏んだ馬の糞のモデルが父上でござる」
コーヒーを淹れながら、「ああ、そういうことか・・・何でこんな頻繁に馬糞が話に出てきて、一々お前が掃除して回るのか不思議に思っていた」
「そこに反撃してくだされ」
「今更そんな気持ちにはなれん」
「うむ。つまり、ラップでもバトルでもない、変なものであったということでござるな」
「そういうことだ」
「拙者、もう少し勉強致しまする」
「そうしてくれ。ただ、れもんちゃんへの想いは伝わった」
シン太郎左衛門は大きく頷いた。
そして、れもんちゃんに会ってきた。世間には冷たい風が吹いていても、れもんちゃんは激アツだった。
帰りの電車の中、シン太郎左衛門が言った。
「れもんちゃんは、やっぱり宇宙一でござる」
「当然だ。シン太郎左衛門シリーズのメッセージは、結局その一言に尽きる。残りはオマケだ。ない方がいいくらいだ」
「うむ。今年も、れもんちゃんのお蔭で、よい年でござった」
「れもんちゃんがいれば、来年もよい年になる」
「間違いござらぬ」
車窓から見る山には雪が降っているのかもしれない。それでも、我々親子の気持ちはポカポカと浮き立っていた。
皆さん、よいお年を。
シン太郎左衛門の戦国バトルラップ(クリスマス・バージョン)様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門と猫型ロボット『俊之』様
ご利用日時:2023年12月17日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。シン太郎左衛門は、「れもんちゃんが、この世にいれば、オカズがなくてもご飯が食べれる」と公言する、生粋の絶対れもん主義者である。一方、私はオカズがなくては、どうしてもご飯が食べられないタイプの絶対れもん主義者である。
日曜日は、れもんちゃんに会う日だ。だから、終日れもんちゃんだけに集中していたいのだが、そうも言っていられないことがある。宅急便が届いた。学生時代の友人からの荷物だった。
そいつの名前をAとしておく。一昨日、金曜日の夜、Aを含む学生時代の友人何人かで久しぶりに梅田で食事をした。その後、帰宅の方向が同じだったので、Aと二人でもう一軒バーに寄った。同学年ではあったが、Aは私より年上で、今は退職してゴロゴロしているらしい。学生の頃から、かなり無口な上に、稀に発言すると、9割がた意味不明だった。飲みながら彼と何を話したか、全く記憶にないが、別れ際、「俺、最近ロボット、作ったんだ。1個送ってやるよ」と言われたことだけは覚えている。
ということで、この荷物の中身は、ロボットに違いなかった。ロボットなんて全く興味がなかったが、数ヶ月後、何かの拍子でAと偶然に出会って感想を訊かれたとき、「まだ箱も開けてない」とは答えにくい。それに、箱はやけに軽くて、荷札を見ると、中身は「食品(ポテトチップス)」と書いてあった。どんなものが入っているか、見るだけは、見ておこう、と思った。
リビングに戻り、テーブルの上に箱を置くと、「シン太郎左衛門、我が家にロボットが来た」
シン太郎左衛門は勝手にズボンのチャックを開けて、モゾモゾと顔を出し、
「また下らん買い物をされましたな。父上には使いこなせますまい」
「買ったんじゃない。古くからの友人が送ってきた」
段ボール箱を開けると、丸めた新聞紙を緩衝材にして、8cm×8cm×4cm程のプラスチックの箱が入っていた。これがロボットなのか?と、頭の上が疑問符だらけになった。封筒が同梱されており、中に折り畳まれた便箋が入っていた。広げて読み上げた。
「これは、猫型ロボットの『俊之』です。スイッチを入れると、約1分で動作可能となります。末永くご愛用ください・・・ということだ」
「『俊之』?」
「トシユキは、あいつの弟の名前だ。あいつの学生時代のチャリンコも、俊之と呼ばれていた。よく盗まれたが、何故か翌日には元の置き場で見つかった。実は『俊之』には複数の持ち主がいるのではないかと噂されていた。それぐらい頻繁に、当たり前のように行方不明になっては、また出てくる不思議な自転車だった。ちなみに、Aの母親の名は『和子』だ。あいつの下宿の炊飯器は、カズコと呼ばれていた」
猫型ロボットとされている小箱を段ボールから取り出して、少し眺めた後、テーブルの上に置いた。
シン太郎左衛門も不思議そうな顔で、「なるほど・・・しかし、自転車や炊飯器の話はさておき、これが、ロボットでござるか」
「そうらしい」
「とても猫には見えぬ」
「うん。確かに猫型と呼ぶ理由は分からない。普通に四角い、クリーム色のプラスチックの箱だ。マイクとスピーカーとカメラが内蔵されているようだ」
「こやつ、何が出来まするか」
「分からん。さっき読んで聞かせたのが、説明の全てだ」
「料理は出来まするか」
「出来ないだろうな。自分が燃えてしまうと思う」
「買い物を頼めまするか」
「この形では、自分でスーパーまで出掛けていくことはあるまい。ネットで注文することは出来るかもしれないが、頼んでもいないモノが沢山届けられて、慌てるのは嫌だ」
「クチコミを書かせましょう」
「それもダメだろうな。この前、最新AIに試しに書かせてみたが、ちっとも面白くなかった。こいつは、更に期待薄だ」
シン太郎左衛門は、少しイライラした様子で、「こやつ、結局、何が出来まするか」
「分からん。取り敢えず電源を入れてみよう」
電源プラグをソケットに差して、スイッチを入れると、カラカラカラっと小さな音がして、ファンが回り始めた。約1分の沈黙の後、軽やかなチャイムの音楽が鳴り、それに続いて、若い女性の爽やかな声で、「お風呂が沸きました」
「父上・・・風呂が沸いてござる」
「風呂など頼んだ覚えはない。シン太郎左衛門、トシユキに話し掛けてみろ。ちょっとした受け答えぐらいはするだろう」
「うむ。では、やってみまする」
シン太郎左衛門はグッと身を乗り出して
「初めてお目にかかりまする。拙者、シン太郎左衛門と申す。当代きっての絶対れもん主義者でござる」
すると、割れてかすれた男性の声が「あん?なんだって?」と無愛想に怒鳴ってきた。
「なんと・・・これまた横柄な口をきくヤツでござる」
「・・・さっきは若い女性だったのに、いきなり年配男性になった。いかにも育ちの悪そうなヤツだ。シン太郎左衛門、怯まず話し続けろ」
「うむ・・・お寛ぎのところ、恐縮でござる。拙者、富士山シン太郎左衛門でござる」
「え?なに?誰が死んだって?」
「誰も死んではおらぬ。みな、恙無く過ごしてござる」
「何言ってるか、全然分かんねぇ」
「・・・父上、こやつ、清々しいほど好かんヤツでござる。話にならぬ」
「う~ん、確かにそうだが、根気強く話せば、マトモになるかも知れない」
「拙者は、もうよい。父上が試されよ」
「よし、俺がやってみよう・・・まず、こういうときは挨拶だ。挨拶をしよう。トシユキ、おはよう」
「・・・はい、おはよう」
「おっ、ほら見ろ」
「挨拶ができましたな」
「こうやって少しずつ学んでいくのだ。よし・・・トシユキ、れもんちゃんを知ってるか?れもんちゃんは、素晴らしいぞ。驚くほどの美人だぞ」
「あ?モモンガ?モモンガが、どうしたって?」
「無礼者!誰がモモンガの話をした?ブッ潰すぞ」
「父上、落ち着いてくだされ」
「ダメだ、こりゃ。こいつ、まるでなってない」
「うむ。フザケ切ってござる」
「こういうヤツに関わると、れもんちゃんの素晴らしさが一段と際立つ」
「れもんちゃんは崇高なまでに気立てのよい娘でござる。『れもんちゃん』という名前からして愛嬌満点でござる。トシユキと比べるなど、畏れ多い」
「ホントだよ・・・こいつ、金ちゃんに上げてしまおう」
「それがよい。金ちゃんの部屋は、元々ガラクタが一杯でござる」
「金ちゃんは、見た目はニートだが、実はそれなりのエンジニアらしい。トシユキの始末は、金ちゃんに任せたよう。煮るなり、焼くなり、油で揚げるなり、好きにしてもらおう」
「うむ」
「メッセージは少し変えておこう。金ちゃんも、いきなり『俊之』と言われたら面食らうだろうからな」
朝刊のチラシの裏面にフェルトペンで、「オチン型ロボット『シン太郎左衛門』見参!電源を入れて約1分で準備完了。あなたは、シン太郎左衛門と力を合わせ、絶世の美女『れもんちゃん』を、魔人トシユキの手から救い出せるか?最終決戦の地、ひらかたパークで待ってるよ~ん」と書いて、畳んで封筒に入れた。
「父上の学生時代の友達には、ロクなのがおらぬ」
「うん。揃いも揃って社会不適合者だ。れもんちゃんには、あいつらの話は絶対に出来ん。俺まで同類だと思われては困るからな」
シン太郎左衛門は黙り込んだ。
神戸に向けて家を出ると、まず隣家の呼び鈴を鳴らして、玄関に出て来た金ちゃんに「メリークリスマス。はい、プレゼントのポテトチップス」と、Aから送られてきたロボットを、修正したメモとともに押し付けた。
そして、れもんちゃんに会ってきた。宇宙一のれもんちゃんは、今日もギンギラギンに輝いていた。れもんちゃんは人類の希望の星であり、れもんちゃんの笑顔を見た瞬間に、俊之の事など、跡形もなく忘れ去ってしまっていた。
あの後、金ちゃんに何が起こったか、私は知らない。
シン太郎左衛門と猫型ロボット『俊之』様ありがとうございました。
あおい【VIP】(21)
投稿者:TALK HERO様
ご利用日時:2023年12月17日
8月1日、初めての出会いはどこか運命的でした。年齢、性別(ん?)を超えて会話はごく自然で何のストレスもありませんでした。今度いつ会える?気がつくと4ヶ月半が過ぎていました。出勤情報をチェックして朝一でかけた電話は初日は完敗。幸い2日目は運良くゲット。そして迎えた今日。嬉しすぎて喋りすぎて90分ではとてもとても足りませんでしたが、至福の時間を過ごすことができて大変満足でした。あおいちゃん、お元気そうでしたが、しばらくは無理をせず頑張りすぎずにプロ意識を持って・・・。また〇〇弁と野球の写メ日記を楽しみにしながらお小遣いを貯めることとします。あのときにお伝えできませんでしたが、帰ってから黒髪押しの自分に気がつきました・・・。ヤンキーあおいちゃんも素敵ですよ。
お店のスタッフさん、いつも丁寧な電話対応と接客ありがとうございます。またよろしくお願いします。
TALK HERO様ありがとうございました。
しおり【VIP】(21)
投稿者:ヒロポン様
ご利用日時:2023年12月19日
久しぶりに遊ばせてもらいました。
最高ですよ、しおりさん。
しっかりした言葉遣い。
ぶりっ子なく、自然にラブラブ。
凛とした一面も魅力ですね。
もう一回来店するなら。
もう何度でも、しおりさんです。
ヒロポン様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門と『れもんちゃん警報』と王さんのレシピと金ちゃん様
ご利用日時:2023年12月10日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。ただ、武士道ではなく、れもん道に邁進し、座右の銘は「れもん一筋」らしい。こうなると、もう武士にこだわる理由が分からない。
先週の某日の朝、体調がすぐれなかったので、職場に電話で断りを入れて休みをとった。昼まで寝床でゴロゴロしていると、体調は微かに持ち直してきた。
そろそろ起きて、朝食兼昼食、場合によっては夕飯も兼ねたものを食べよう、そして、熱があるのか無いのか、何が体調不良の原因だか分からないが葛根湯を飲んで、水分補給をして明日の朝まで眠り続けよう、そうボンヤリ考えていると、シン太郎左衛門が突然「ビッ!ビッ、ビッ、ビッ!!」と電子音めいた音を発し始めた。知っている人は知っている(もちろん、知らない人は知らない)、シン太郎左衛門の「絶対れもん主義宣言」のイントロだった。
体調が悪いのに、キツいのが始まったなぁと思いつつ、「止めろ」と言う元気もないので、放っておいた。「ビッ!ビッ、ビッ、ビッ!!」を4回繰り返した後、「美容院に行ったよ~ん」と歌が始まるはずなのだが、5回でも6回でも「ビッ!ビッ、ビッ、ビッ!!」が繰り返され、段々ピッチが早くなっていくようだ。
いよいよ耐えられなくなって、「おい、シン太郎左衛門、それ止めてくれ・・・いつ歌が始まるかという不安も手伝って、精神が蝕まれていく」
「うむ?歌とは何のことでござるか」
「今、お前がやってるヤツだ」
知っている人には知っての通り、シン太郎左衛門は歌いながら太鼓の音を口真似するなど、同時に複数の音を口から発することができる。「これは、歌ではござらぬ」と言いながら、並行して引き続き「ビ!ビビビ!!ビ!ビビビ!!」と益々ピッチを上げて甲高い電子音まがいの音を立てていた。
「これは『れもんちゃん警報』。れもんちゃんの接近を知らせてござる」
「無礼者め!れもんちゃんを台風や津波のように言うな」
「それより、父上、大事なことを言い忘れてござった」
「どうした?」
「れもんちゃんが近づいてござる」
「今さっき聞いた。だから『ビビビビ』言ってるって、たった今、お前自身が言ったじゃないか」
「うむ。父上、大変なことでござるな」
「・・・何が?会話が全く噛み合ってない。まずその『ビビビビ』を止めてくれ」
「『れもんちゃん警報』は、その重要性ゆえ、タマタマを捻って音量を変えたり、エコーをかけたりは出来ぬ。今、南西方向約1800メートル、高度2000メートルの位置に『宇宙空母れもんちゃん号』が飛行してござる」
「どうして、お前に、そんなことが分かる?何の音もしないし、震動もないのに」
「そこが、父上のような口先だけの人間と、拙者のような真の求道者、絶対れもん主義者(黒帯)の違いでござる」
「失礼のことを言うな!」
その瞬間、「び・・・び・・び・・・」と『れもんちゃん警報』が止んだ。
「どうした?」
「宇宙空母が突然飛び去ってござる。おそらく、れもんちゃん、コックピットで『いやん、美容院の予約時間を勘違いしてた。遅刻しちゃう。ワープするよ~ん』と奥の手を使ったのでござろう」
「そうか。普段、れもんちゃんに、時間にルーズな印象を受けたことはないけど、プライベートでは結構やらかすタイプなのかもしれん」
「何をグダグダと言っておられる。警報が鳴ってすぐに外に出れば、れもんちゃんの宇宙空母が見れたのに、父上がウスノロだから見れなかった」
「しょうがない。元気だったら見に出たさ。今日は体調不良で仕事を休んだのだ」
「そうでござったか。どこが悪いのでござるか」
「分からん。昨日、悪いモノでも食ったのかなぁ・・・」
「父上が悪いモノを食ったかは知らぬが、良いモノを食っていないのは間違いござらぬ。最近食したマトモなものは、三日前の夜に駅前の中華屋さんで食べた麻婆茄子定食ぐらいでござる」
「ホントだ。思えば、昨日は、ほとんど何も食べなかった。夜、帰って来て、冷蔵庫を開けたら、何もなかったから水を飲んで寝た・・・つまり俺は今、栄養失調なのか?」
「おそらく、そうでござる」
「もう一眠りしてたら、そのまま死んでたかもしれない。大雑把すぎる性格のせいで、危うく命を落とすところだった。とにかく何か食べよう」
「でも、冷蔵庫には何もござらぬ。駅前まで歩けまするか」
「歩けないね。でも、大丈夫」
外はいい天気だった。隣家の呼び鈴を鳴らすと、インターホンに金ちゃんが出た。
「オジさん、今日、お休みだったんですか?よかった。助かった」とか言っている。
どういう意味で助かるのか分からなかったが、「さっき俺の家で警報が鳴り続けていた。お前の身に何かあったのではないかと心配になって見に来てやった。5秒以内に玄関のドアを開けろ。何はともあれ飯を作ってやる。俺も一緒に食べる」
「ああ、助かった。ホントに、ありがとうございます」
こんなに感謝されるとは全く予想外だった。
聞けば、こんな事情だった。仕事の納期が迫っていて、金ちゃん、この数日ほぼ不眠不休だったらしい。今朝ようやくプログラムを仕上げて納品を終え、緊張感から解き放たれた途端、金ちゃんは自分が死ぬほど疲れていて、死ぬほどお腹が空いていることを発見したが、両親は朝から外出していて、誰も助けにならない状況にパニックになっていたらしい。
「疲労感がひどくて、全身寒気がするし、空腹で立ってることもできないほどだったのに、オジさんの声を聞いたら、不思議と元気が出ました」
「よかったな。とにかく今は飯だ」
金ちゃんと私は、玄関からダイニングまでお互いを抱きかかえ合うように千鳥足で廊下を歩いた。
「ご飯は炊けてますよ」と、金ちゃん。
「いや。今の俺たちに必要なのは、ふりかけご飯ではない。栄養バランスの取れた、ちゃんとした食事だ」
「はい」
「反省しろ」
「はい。反省します」
「反省したら、ダイニングの椅子に座って、石川さゆりの『天城越え』を歌って、大人しく待っておけ」
「その歌、知らないんですけど」
「なに?石川さゆりを知らんのか」
「石川さゆりは知ってます」
「美人だ」
「はい」
「でも、れもんちゃんほどではない」
「・・・れもんちゃんって誰ですか?」
「とっても偉い人だ。得意技は『レモンスカッシュ』ほか数え切れない」
「全然分かんないです。得意技って、れもんちゃんは、プロレスラーなんですか?」
私は冷蔵庫を開けて食材の確認に忙しかった。
「違う。れもんちゃんは、プロレスラーではない。人生そのものだ」
「・・・全然分からない・・・オジさん、熱でもあるんですか?」
「腹が減ってるだけだ。お前は黙って座っておけ」
私は、食材に続いて、調味料のラインナップのチェックを済ますと、声高らかに宣言した。「メニューが決まった。王さんの幸せ酢豚と王さんのニコニコ五目チャーハン、そして王さんのふんわり玉子スープ、デザートには市販の杏仁豆腐だ」
「王さんって誰ですか?」
「何も知らないヤツだな。お前、まさか俺の正体が王さんではないかと疑っているのか?」
「そんなこと、思ってませんよ。オジさんちの表札は頻繁に見てるし」
「そうだ。俺は、王さんではない。『王さんの中華レシピ』は、若い頃、日本中で単身赴任を繰り返していた時代の、俺の愛読書だ。全文暗記している。毎日欠かさず、王さんのお世話になった。筆者近影によれば、大変陽気そうな五十絡みの中国人だった。当人には一度も会ったことがなく、今どこで何をしているか、生死を含めて俺は知らない。以上が、俺が持っている王さん情報の全てだ。満足したか?」
「はい」
「では、黙って、石川さゆりの『天城越え』を歌っとけ」
金ちゃんは、小声で「だから、知らないって・・・大体『黙って歌っとけ』って、どういうことだよ」と文句を言っていたが、彼はもう私の眼中になかった。
炎を上げて、一気呵成に調理した。
「うわぁ~、凄い美味そうな匂いだ」と金ちゃんは感動の声を上げた。
「確かに、いい匂いだが、れもんちゃんの甘い薫りには勝てない。れもんちゃんの薫りは、人を幸福の絶頂に誘うのだ」
「れもんちゃんって、一体誰なんですか?」
「今、その話はできない。王さんのニコニコ五目チャーハンが、真っ黒焦げ焦げチャーハンになってもいいなら、話してやる」
「じゃあ後でいいです」
「よし出来た。まず玉子スープだ」
「ああ凄い!!」
金ちゃんは、満面の笑みで箸をとった。
「続いて酢豚だ」
「うわぁ、感動するなぁ」
金ちゃんは、感動で目を潤ませた。
「そして、チャーハンだ」
「いやぁ、完璧だ」
感涙が金ちゃんの頬を伝った。
「さあ食え。そして、この世に完璧なのは、れもんちゃんだけで、れもんちゃん以上の感動はない。よく覚えておけ」
我ながら大変上出来で、食べながら、幸福感に満たされていった。少し作り過ぎたと思ったが、そんなこともなかった。
「いやぁ、オジさん、何で、プロの料理人にならなかったんですか?」という金ちゃんの言葉は全くお世辞に聞こえなかった。
「毎回、これだけのものが作れるなら、料理人になっていたかもしれん。実際には、毎回、味が一定しない。そもそも俺のウチのコンロの火力では中華は無理だ。期せずして、今回、生涯最高の出来を実現してしまったのだ」
「本当に美味しかった。ご馳走様でした。お蔭で生き返りました」
「俺には感謝しなくていい。食材を買い揃えておいてくれた、お前のお母さんに感謝しろ。お前の家の、火力の強いコンロにも感謝しろ。レシピを考えた王さんにもな。そして、当然れもんちゃんにもだ」
「結局、れもんちゃんって誰なんですか?」
「れもんちゃんというのはだな・・・」と話し始めたとき、股間で「ビッ!ビッ、ビッ、ビッ!!」と、シン太郎左衛門が警報を発し始めた。
私は椅子から立ち上がり、「あっ、大変だ!『れもんちゃん警報』だ」
「『れもんちゃん警報』?何ですか、それ?」
「説明している暇はない。悪いが、皿洗いは、お前に任せた。さらばだ。あっ、後で気が向いたら、ラッピーたちを散歩させてやる」
私は一目散に表に飛び出した。
「シン太郎左衛門、空母はどっちだ?」
シン太郎左衛門は、ズボンのチャックを勝手に開けて、周囲をキョロキョロ見回しながら、「それが、今回ばかりは皆目見当が付きませぬ。近付いているのは、確実でござる」
抜けるような青空には清々しい風が吹いているばかり。通りには誰一人いない。
「厄介だな。取り敢えず、丘の上に登ろう」
丘の上の公園まで小走りで急ぐと、眼下の風景を見渡したが、空母は影も形もなかった。しかし、シン太郎左衛門は、いよいよ激しく「ビッ!ビッ、ビッ、ビッ!!」と『れもんちゃん警報』を繰り返している。
「シン太郎左衛門、どういうことだ?あんな馬鹿デカいもの、見逃すはずがない」
「うむ、ビッ!ビッ、ビッ、ビッ!!拙者にも分からぬ」と言った直後、
美容院に行ったよ~ん
宇宙空母で行ったよ~ん
と歌が始まった。
「シン太郎左衛門、歌が始まったぞ」
「れもんちゃんの登場でござる」
そのとき、背後の山が競り上がって、覆い被さって来るような異様な感覚に襲われた。頭上に顔を向け、喉チンコをお日様に晒しながら、「あっ、れもんちゃんだ」と呟いた次の瞬間から、地上は巨大な影に包まれていった。背後の山脈から姿を現した巨大な空母は、我々の頭上を静かに通過していった。
「やっぱり、れもんちゃんは凄いなぁ」
「れもん星の美容院からお帰りでござる」
「宇宙海賊の討伐を兼ねて、美しさに磨きを掛けてきた訳だ」
「れもんちゃんは、いろんな意味で宇宙一でござる」
「ホントに破格だ。スケールが大きすぎる」
トボトボと坂道を下りながら、
「れもんちゃんに会った後は、爽快なまでに茫然自失となりまするなぁ」
「ほんとだよ。嵐のような女の子だ」
「このまま帰られまするか」
「いや。スーパーに買い出しに行く。こんな風に人の家のモノを使って、只飯を食わせてもらっていては、れもんちゃんファンの名折れだからな」
「うむ」
「買い出し、楽しみでござる」
「今日からは、毎日、栄養のあるものを食べて、元気になることに決めた。れもん道の第一歩は食事だ」
「うむ。間違いない」
そして、今日、れもんちゃんに会ってきた。やっぱり、れもんちゃんは、宇宙一も、いいところだった。
ところで、金ちゃんは、未だに、れもんちゃんが誰なのかを知らない。教えてやる気は全くない。
シン太郎左衛門と『れもんちゃん警報』と王さんのレシピと金ちゃん様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門と毛糸のパンツ様
ご利用日時:2023年12月3日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。「シン太郎左衛門」シリーズが、今回で何度目か、れもんちゃんの「お客様の声」をスクロールして数えようとしたが、途中で面倒臭くなって止めた。よく、まあ、こんなに書いたものだ、と我ながら呆れた。
今朝、ネット通販で買ったパンツが届いた。
「あったか毛糸パンツ(手編み風)」。箱から出すと、目の高さまで掲げて、表裏ひっくり返してみたり、様々な角度から眺めた。眩しいほどのレモンイエローだった。
「シン太郎左衛門、パンツを買ったぞ」
「なんと。拙者に何の相談もなかった」
「お前の意見を訊けば、話がややこしくなるからな」
「また、動物のプリント柄でござるか」
「違う。内側からズボンのチャックを開けて出てこい」
シン太郎左衛門がモゾモゾと顔を出した。
「ほら、これだ。あったかパンツ」
「・・・父上が、これを履くのでござるか」
「うん。最近、すっかり寒くなった。お前へのプレゼントだ」
「・・・嬉しくない」
「お前の大好きな色だ」
「拙者が大好きなのは、れもんちゃんであって、レモンイエローの毛糸のパンツを履いたオヤジはむしろ大の苦手でござる」
「まあ待て。履き心地を試してみよう」
毛糸のパンツは、想像以上に心地よい肌触りだった。
「どうだ?」
「フワフワでござる」
「肌触り、よくないか?」
「よい。フワフワ~。フワフワは、れもんちゃんでござる」
「ヌクヌクしてるだろ?」
「ヌクヌクしてござる。ヌクヌク~は、れもんちゃんでござる」
「どうだ、あったか毛糸パンツは?」
「あったか毛糸パンツは、れもんちゃんでござる」
「無礼者!『れもんちゃん』を普通名詞のように使うな」
「いや、それだけ、このあったか毛糸パンツ、気に入ってござる。これはよい。早速れもんちゃんに自慢しに行きましょうぞ」
「よし。少し早いが出掛けるか」
と、立ち上がって、リビングの飾り棚のガラスに映った自分の姿を見て、背筋が凍った。
「シン太郎左衛門、ダメだ。これはさすがに、れもんちゃんに見せられるものではない。『似合わないにも程がある』のレベルを遥かに越えている」と、毛糸パンツを脱いだ。
「うむ。フワフワ、ヌクヌクでは、ござるが、これを着こなせる成人男性は、日本には存在せぬ」
「『人気色』と書いてあったし、れもんちゃんに因む色だから、迷わず買ってしまったが、これは凄まじく不恰好だ」
「絶対れもん主義者が陥りがちな罠でござる」
「そうか・・・まあ、家で履けばいいから、いいや」
「おそらく、そのセリフ、多くの絶対れもん主義者が口にしたものでござる。ただ、拙者は、この毛糸パンツが気に入ってござる。ステキなプレゼントでござる」
「喜んでもらえれば、何よりだ」
「うむ。ちなみに、今回は31回目でござる」
「何が?」
「シン太郎左衛門シリーズ」
「そうか。お前、記憶してたか」
「違いまする。初回が5月7日、以降の日曜日の数ぐらい、軽く暗算できまする」
「そうか。俺は、クチコミを一つずつ数えようとしてた」
「父上は実にドンくさい」
「まあ、そう言うな。そうか、31回目か・・・いろんなことがあったが、これからも仲良く頑張ろうな」
「いや。拙者、最近とみに父上との音楽性の違いを感じてござる。年内には、独立して、ソロデビューを致す所存」
「独立して何するの?」
「メタル」
「メタル?」
「武士メタル。れもんちゃんへの、ちょっと切ない武士の想いをデスボイスに乗せて歌う」
「そうか、武士メタルか。今日、二度目に背筋がゾッとした。一緒に音楽をやってきた覚えはないが、確かに武士メタルは俺が許容できるジャンルではない。ぜひ独立してほしい。ちなみに、クチコミは?」
「そちらは、今まで通りで願いたい」
「そうか」
こいつ、本当に馬鹿だ、と思ったが、口には出さなかった。結局、親子揃って大馬鹿者だった。
何はともあれ、れもんちゃんは、今日も宇宙一だった。シン太郎左衛門も私も、絶対れもん主義の信念をさらに強固なものとした。
今日の感動を抑えられず、シン太郎左衛門が、帰りの電車で、前触れなく武士メタルを始めた。シン太郎左衛門のデスボイスは見事に様になっていたが、気味の悪い声で、「うお~っ」と雄叫びをあげて、「可愛い、可愛い、れもんちゃん」とやられると、今日三回目に背筋が凍り、総髪が逆立った。周りの乗客も一斉に顔をしかめた。武士メタルに限っては、音漏れするらしい。慌てて、シン太郎左衛門に止めさせた。
シン太郎左衛門と毛糸のパンツ様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門、れもん星で缶バッジを買う様
ご利用日時:2023年11月26日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士を自称している。ただ、武士の基本用語、例えば月代という言葉を知らなかったりする。疑えばキリがない。
今朝、シン太郎左衛門の喚き散らす声で目を覚ました。「無礼者!」とか怒鳴っている。布団を捲って、「何の騒ぎだ」と言うと、シン太郎左衛門、はっと目を見開き、
「あっ、夢を見てござった」
「俺も夢を見ていた。お前の声に起こされた」
「拙者、れもん星に観光に行ってござった」
「俺もだ。お土産物屋で買い物をしている最中だった」
「拙者もでござる」
「それなら同じフライトに乗っていたに違いない。俺が見たれもん星の風景は関西国際空港にそっくりだった」
「拙者が着いたのは、港でござる。海が見え、小型のフェリーが停泊してござった」
「巨大な空母は泊まってなかった?」
「空母が入れるような港ではござらぬ。ごく小さな港でごさった。人影疎らな、哀愁が漂う景色、まるで『津軽海峡冬景色』でござった」
「それ、本当に、れもん星か?」
「れもん星に間違いござらぬ。閉まっておったが、『れもん星観光案内所』という看板を上げ、45度傾いた、崩れかけの建物がござった。その隣に鄙びた土産物屋が、店を開けてござった故、立ち寄ってみると、クラブロイヤルの入り口でいつも愛想よく出迎えてくれるスタッフさんとそっくりな人が『れもんちゃんグッズ、いかがですか』と声を掛けてきた」
「おお、それは入るしかないな」
「うむ。当然、入店してござる。すると、店内には陳列棚の一つもなく、ガシャポンが1台置いてあるばかり。『れもんちゃん缶バッジ』と手書きしてござる」
「それはステキだ。いいお土産になる」
「『1回千円』とあった故、店員殿に千円札を渡し、代わりに受け取ったコインでガシャポンを回し、カプセルを開けると・・・」
「うん」
「ただ一文字『も』と書かれた缶バッジが入ってござった」
「れもんちゃんの『も』だ」
「うむ。しかし、これでは、土産として頼りない故、もう一度千円払った。出てきたのは、またしても『も』。『れもん』でなく、『もも』になってしまった」
「悔しいな」
「いかにも悔しいので、また千円払うと、今度は『ん』が出た」
「近づいたな。次に『れ』が出れば、『れもん』が揃う」
「うむ。そう思って、また千円注ぎ込んだ。『が』の缶バッジが出てござる」
「並べたら、『ももんが』だ」
「うむ。いささか逆上して、今時珍しい二千円札でコインを2枚譲り受け、続けて2度回したら、『ず』と『き』が出た」
「『ももんがずき』になった」
「腹が立って、『無礼者!誰が、モモンガ好きだ!拙者、富士山シン太郎左衛門は生粋の絶対れもん主義者なるぞ!』と怒鳴った」
「なるほど、その夢はハズレだ」
「ハズレでござった」
「その缶バッジ、見てみたい」
「夢の中に忘れてきた」
「残念だ」
「うむ」
「それに比べると、俺の夢の方が、まだ良い」
「と言いますると」
「俺の夢の舞台は、関空のような場所だが、『歓迎 れもん星へようこそ』とカラフルな横断幕が掛かっていて、免税店のようなものが軒を連ねていた」
「華やかでよい」
「そうだ。人もたくさんだ。ふらっと散歩していると、一つのお土産物屋の前で、クラブロイヤルの入り口でいつも愛想よく出迎えてくれるスタッフさんとそっくりな人から『れもんちゃんグッズ、ありますよ』と声を掛けられた」
「拙者と同じでござる。同一人物に違いござらぬ」
「レモンイエローの法被を着てた」
「同じでござる」
「じゃあ、同じ人だ。明るい店内に入ると、なかなかの品揃えだ」
「ガシャポンは?」
「ガシャポンはなかった。れもんちゃんの等身大フィギュアがあって、非売品との札が掛かってた。本物には遠く及ばぬが、中々よく出来ていた。触ろうとして、怒られた」
「拙者の入った店とは、随分と違う」
「うん。ディスプレイもシャレてて、れもんちゃんのパネルが大小飾られている、とても居心地のよい空間だった」
「れもんちゃんがいる空間は居心地が良いに決まってござる」
「缶バッジもあった。それぞれ、れもんちゃんの全身写真、お顔のアップ、『れもんちゃん』とカラフルでポップな文字で記したもの等、5個セットで千円だった」
「・・・父上、拙者に喧嘩を売ってござるか」
「違う。あれこれ目移りしているうちに、『チームれもん』の黒いキャップに目が止まった。値札を見て、気を失いそうになったが、大奮発して買ってしまった」
「羨ましい限りでござる。その店は、関空にあるのでござるな」
「いや、そうは言ってない。関空にあれば、また行きたいが、そうではない」
「残念でござる」
「そのうち、店の奥の方にカーテンで閉ざされた入り口があるのに気付いた」
「それは、まさか・・・」
「うん。この奥、カーテンの向こうに、れもんちゃんが待っていると感じさせる雰囲気があった。少しドキドキしながら、『この奥、入っていい?』と訊くと、店員さんが『どうぞ、ご案内します』と快く答えてくれた」
「おおっ、それは期待が高まりまする。まさに、れもんちゃんとの御対面の場面そのままではござらぬか」
「そうだ。そして、クラブロイヤルのスタッフさんに似た店員さんが、お口のエチケットを軽く二度シュシュっとしてくれた後、カーテンを開けながら、にこやかに『カーテンの向こうに・・・』と言うので、勇んで一歩踏み出したら、カーテンの向こうには、まさに今カーテンを開けてくれたスタッフさんが満面の笑顔で立っていた」
「・・・スタッフさんの瞬間移動芸でござるな」
「そうだ。見事なテレポーテーションだった・・・でも、こういうものが見たかった訳ではないので、心底ガッカリした。ただ、お義理で拍手はした。その場面で、お前の怒鳴り声に起こされた」
「父上の夢もハズレでござる」
「そうだ。お前は6等、俺は5等だ」
「いい年をして、残念な夢の話で盛り上がっているとは、我々親子は救いようのない愚か者でござるな」
「そのとおりだ。しかし、実物のれもんちゃんにハズレや残念はない。いつも数万発の花火が打ち上がるような大当たりだ」
「いかにも。そして、今日は、れもんちゃんに会う日でござる」
二人揃って、ヘヘヘヘと、だらしなく笑った。
れもんちゃんは、今日もやっぱり宇宙一だった。この冬空に、百万発の花火が上がった。
シン太郎左衛門、れもん星で缶バッジを買う様ありがとうございました。
ひかり【VIP】(19)
投稿者:たまのじょう様
ご利用日時:2023年11月23日
久しぶりの福原、ひかりさんで楽しい時間をすごせました。
気持ちよくしてくれてさらに会話もとても楽しかったです。
また必ず指名します。
ひかりさんで最高!
たまのじょう様ありがとうございました。
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強く抱きしめたら折れそうなスレンダーで色白な綺麗な体、形の良い小ぶりなお尻がとてもいい、
一度いなくなって、もう会えないのかなと思ったら可愛いさがパワーアップして帰って来てくれて嬉しいです。
再会してから、しおり病にかかってしまい治療のために次の指名も必須です。