福原ソープランド 神戸で人気の風俗店【クラブロイヤル】
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れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門と『れもんちゃんダンス』 様
ご利用日時:2024年7月14日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。余り大きな声では言えないが、最近はダンサーを目指しているようだ。
今日は日曜日。れもんちゃんに会う日。
朝、ゆで卵を作った。もちろん、鑑賞用ではなく、食べるために作ったので、殻を剥いて、口まで運んだ瞬間、シン太郎左衛門が重々しい口振りで、「父上、『れもんちゃんダンス』を踊ってよろしいか」と訊いてきた。
「・・・『踊らないでほしい』と言ったら聞き届けてくれるのか?」
「聞き届けるわけがない。では、踊ろう」
シン太郎左衛門は、ダイニングテーブルの上に跳び移ると、「ラジオ体操第一~。腕を前から上にあげて大きく背伸びの運動~」と声をあげながら、クネクネし始めた。
前回も書いたが、シン太郎左衛門作の『れもんちゃんダンス』とは、早い話が、ラジオ体操の曲に乗せて身を捩らすだけのことで、『ダンス』と呼ぶのも烏滸がましい代物だった。加えて、要所要所でウインクをするのだが、シン太郎左衛門のウインクは見ていて大変に腹が立つ。れもんちゃんの新作動画では、可愛いウインクが素晴らしいアクセントになっている。それは、全宇宙のれもんちゃんファンが満場一致、全員起立の上、拍手をもって承認するところであるが、シン太郎左衛門に動画を見せると色々と面倒なことになるから、当然一切教えていない。つまり、れもんちゃんの蠱惑のウインクに触発されたわけでもないのに、シン太郎左衛門が取り付かれたようにウインクを連発するようになったことは謎であった。
れもんちゃんのウインクの件はともかく、目の前でクネクネ動くオチンからウインクをされる状況は決して愉快なものではない。段々、苛立たしくなってきて、「そもそもだ」と私は憤然として口火を切った。「なんでオチンに目が付いているのだ?その時点でおかしい。さらに、ぎこちなくウインクするオチンは、とても不気味だ」
「うむ。最初はそう言っていても、やがてこの不気味さがクセになるのでござる」
「ならんね。俺はそういうタイプの人間ではない。俺がクセになるのは、趣味の良いものだけだ。れもんちゃんが、いい例だ。そもそも、この踊りのどこが、『れもんちゃんダンス』なんだ?」
「うむ。れもんちゃんと言えば、可愛いウインクがトレードマーク。新作の動画が巷で大変な話題になってござる」
「・・・お前、どうして、それを知ってるの?」
「拙者、最近、副業でWi-Fiのアンテナをやっておるゆえ、巷の情報に通じてござる」
「・・・そうだったんだ・・・お前・・・頑張ってるな」
「うむ。拙者、頑張っておる」
そんなことを話した。
そして、れもんちゃんに会った。
もちろん、れもんちゃんは、宇宙一に宇宙一だった。
親子ともども宇宙一幸せだった。
というようなことを翌日投稿しようとしていたら、立て続けにスマホのシステムアップデートに失敗して、スマホの調子がすっかりおかしくなった。シン太郎左衛門のWi-Fiスポットのせいだと思う。
そんなわけで今回、投稿が大幅に遅れてしまったのである。
シン太郎左衛門と『れもんちゃんダンス』 様ありがとうございました。
けい【VIP】(23)
投稿者:モアイ様
ご利用日時:2024年7月20日
初めての利用
写真も顔出しだったし、SNSも覗いて即指名予約しました
入室し暫くお喋り
他の方も言われてた通りトーク力はハンパない
キス→ベットでイチャイチャ
そのまま2回戦までヤッてしまいました
少し話してマットへ
しっかり攻めてもらいました
最高の体験が出来ました
モアイ様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門の熱暴走 様
ご利用日時:2024年7月7日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。暑いのが大の苦手で、夏日中の外出を忌み嫌う。れもんちゃんに会いに行くのだけは、もちろん例外。それ以外の用事だと、じきに怒り出す。
昨日、土曜日、東京に出張した。昼過ぎに新幹線で品川駅に到着して、在来線に乗り換え、取引先の最寄り駅で降りると、目が回るような日差しだった。
取引先の自社ビルは駅から歩いて5分程度と聞いていたが、初めて行く場所だったからグーグルマップのナビを使った。
ガンガンの日差しの中、ナビに命じられるまま、汗を拭き拭き歩いていると、シン太郎左衛門が文句を言い出した。
「暑い!!」
「そんなこと、お前に言われんでも分かってる!暑いのは、お前だけではない。むしろ、直射日光を浴びてる俺は、お前の倍暑い」
「父上、喫茶店に入って、夕方、日が沈むまで待ちましょうぞ」
「そんな余裕をぶちかましてられるほど時間がない」
汗を拭うと、私は先を急いだ。ナビの言うとおり歩き続けたが、思いのほか遠い。かれこれ15分ほど歩かされて、「目的地に到着しました」と言われたが、どうにも実感が湧かない。二階建ての小さなビルの前に立った私の目の前にあるのは「西東京ダンススタジオ」の看板だった。
「練習生、募集中!!」のポスターを眺めながら、「なんか変な所に連れて来られた。とんだ勘違いだ。俺のどこを見て、ダンスの要素を感じたんだろう?」
「何をごちゃごちゃ言うておられる。早く喫茶店に入りましょうぞ」
「そんな時間はないし、見渡す限り喫茶店はない」と、もう一度ナビに訪問先の名称を入れて検索すると、今度は所要時間2時間半と表示された。
「ダメだ。暑すぎて、スマホが熱暴走したようだ。適当なことを言いやがって。これじゃ、シン太郎左衛門と五十歩百歩だ」
「なに、熱暴走とな。どれどれ、拙者が見て進ぜよう」
「見せられるか!こんな人通りのあるところでオチンを出したら、俺が熱暴走してるヤツだと思われてしまう」
「なるほど。それでは、そろそろ家に帰りましょう」
「・・・しばらく静かにしておけ」
通り掛かった人物に尋ねたら、500メートルほど引き返せと教えてくれた。その言葉どおり、無事に目的地に到着できた。
これが昨日の出来事だった。
そして、今日、日曜日、れもんちゃんに会う日。
朝起きて、新聞を読みながら朝ごはんを食べていると、シン太郎左衛門が『れもんちゃんダンス』を踊り始めた。
『れもんちゃんダンス』というのは、昨日、帰りの新幹線の中でシン太郎左衛門が考案した踊りなのだが、ラジオ体操の音楽に合わせて踊る、要所要所でウインクをするセクシーダンスだった。これ以上は、言葉では上手く説明できない。
新聞を読み終えると、食器を洗い、歯磨きをした後、「よし。シン太郎左衛門、そろそろ出発の時間だ」と告げると、シン太郎左衛門は踊るのを止めて、満面の笑みで、
「いよいよ待ちに待った『れもんちゃんタイム』でござるな」
「そうだ。今日は『れもんちゃんデー』だ」
「うむ。昨日は『れもんちゃんイブ』でござった」
「そうだ。ところで、その『れもんちゃんダンス』は、踊ってて楽しいか?」
「・・・微妙でござる。れもんちゃんが踊ってくれれば、見てて楽しいとは思いまする」
「それは、そうだが、お相手が、れもんちゃんなら、何をしたって楽しい時間になるに決まってる」
「うむ。間違いござらぬ」
ということで、れもんちゃんに会ってきた。
念のために言っておくと、やっぱり、れもんちゃんは宇宙一に宇宙一であった。
帰りの電車の中、れもんちゃんの爽やかな色気を浴び続けて熱に浮かされたシン太郎左衛門は、興奮の余りほとんど叫ぶような大声で、ここに記して人目に晒すことが許されないような生々しい言葉を使い、れもんちゃんを讃え続けた。そして、その都度私にも同意を求めてきた。
「熱暴走した武士は手に負えん・・・うるさすぎる」
れもんちゃんの余韻にマッタリと浸るのを邪魔された私は本当に不機嫌になっていくのであった。
シン太郎左衛門の熱暴走 様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門と「宇宙一」の証明 様
ご利用日時:2024年6月30日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。どうしようもなく怠け者の穀潰しである。
今日は日曜日、れもんちゃんに会う日。
朝9時に目を覚ますと、シティ・ヘブンのれもんちゃんのページで新しい動画を繰り返し見ては、胸の中で「今回の動画は、大変によく出来ている。もちろん実物には及ばないが、自然な表情とか、れもんちゃんの良さが引き出せている。れもんちゃんは、やはり素晴らしい」と呟き、深々と頷いた。
いつまでも、動画ばかり見てもいられないので、朝御飯の用意をして、新聞を取りに表に出た。最近、近所に引っ越してきたMさんの家のお爺ちゃんが犬の散歩をしていた。
「あっ、Mさんのうちのお爺ちゃんだ!」と言うと、シン太郎左衛門は気のない様子で、「そんな嬉しそうに声を上げるほどの人物でござるか?」
「お前も見てみろ。Mさんのお爺ちゃんは一見の価値があるぞ。ツルっ禿げで無帽で眼鏡もしていない。でんでん虫みたいにのんびりと歩いているし、むっちゃツルンとしてノメ~っとした顔してるから、真面目に観察しないと、正面から見ているのか、後ろ姿なのか区別が付かん」
「そんなことがありまするか」
「ある。今も遠目に俺が見ているのが、お爺ちゃんの顔面なのか、後頭部なのか、全然分からない・・・って、冗談のつもりで言っていたが、実際、前後ろの区別がつかん。こんなことって、本当にあるんだな」
「・・・単に、加齢による視力の衰えでござろう」と、シン太郎左衛門は吐き捨てるように言った。
確かに日々衰えを感じる。れもんちゃんだけが、私の支えだった。
新聞の日曜版は読み応えがない。トーストを噛りながら斜め読みをしたが、れもんちゃんの動画がリニューアルされたという大事件の記事もないし、すぐに放り出した。代わりに、昨日から読みかけの本を手に取った。
「父上、最近よく本を読んでおられまするな。小説でござるか」
「小説なんて国語の教科書以外で読んだ記憶がない。俺はフィクションが嫌いだからな」
「確かに『シン太郎左衛門』シリーズは、ノンフィクションでござる」
「・・・お前、それ、嫌味で言ってるだろ?真面目な話、『シン太郎左衛門』シリーズは、『れもんちゃんは宇宙一に宇宙一であること』の、数学的に厳密な証明を目指して書かれているのだ。しかし、筆者の真摯な想いにもかかわらず、毎回、変な武士が登場して、ぶち壊す。本来、『シン太郎左衛門』シリーズに、シン太郎左衛門は出て来てはならんのだ」
「では、金ちゃんなら出て来てよいのでござるか」
「金ちゃんもダメだ。当然Mさんのうちのお爺ちゃんもダメだ。こういう連中がいるから、話がおかしくなる。『シン太郎左衛門』シリーズは数式だけを使って、『れもんちゃんの宇宙一性』を証明することに徹するべきなのだ」
「なるほど。流石は、ホカホカのカイロ大学数学科の主席卒業者の言うことは違いまするな」
「また嫌味なことを言いやがって。俺は確かに数学科の卒業だが、本当は最低の成績で、お情けで卒業させてもらったのだ。もちろんカイロ大学なんて嘘だ。そもそも、このジメジメとクソ暑い日に、カイロだのコタツだの鍋焼きうどんだの、暑苦しいものの名前を出すな」
「うむ。畏まってござる」
「それにしても、今日はジメジメとして暑いなぁ。早くれもんちゃんに会わなければ、やってられん」
「うむ。れもんちゃんは爽やかで涼やかでござる」
「そうだ。それに、れもんちゃんとだと暑苦しいことをするのも大変楽しい」
「うむ。『エアコンの壊れた二畳足らずの個室で、全裸の力士10人と朝までカラオケ』という状況とは雲泥の差でござる」
「・・・そんな状況になったことがあるのか?」
「ない」
「そんなら言うな。そんな馬鹿なことを聞いたせいで暑さが増した」
というような下らない話をした後、れもんちゃんに会いに行った。
れもんちゃんは、やはり宇宙一に宇宙一だった。新しい動画が素敵だと言うと、れもんちゃんは「うん、頑張った」と、それはそれは素敵な笑顔を浮かべるのだった。
(証明終わり)
シン太郎左衛門と「宇宙一」の証明 様ありがとうございました。
もこ【VIP】(21)
投稿者:ロッキーを様
ご利用日時:2024年6月28日
誕生日だったのですが
人生最高の誕生日になりました!
おっとりとしてますが行為中は豹変して
感じてくれるので、自分も本能とSッ気な
部分が剥き出しになって、思いの丈を
もこちゃんにぶつけれて毎回大満足です!
こんなにお腹一杯大大満足出来る娘は
日本でも有数だと確信しています!!
これからもタイミングが合えば
何回でも訪れたいと思います!!!
ロッキーを様ありがとうございました。
りお【VIP】(23)
投稿者:Jay様
ご利用日時:2024年6月28日
写メ更新してね~見ているので
Jay様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門が行方不明 様
ご利用日時:2024年6月23日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。最近は、剣術の練習もサボっているし、「れもんちゃん音頭 2024」も諦めた様子だし、誠に天晴れな怠け者ぶりを晒している。
一昨日の金曜日、役所に行く用事があったので、年休を取り、(わーい、三連休だ)と年甲斐もなく喜んでいた。
金曜日の朝ゆっくりと起きて、朝御飯を食べていると、シン太郎左衛門が、
はあ~、広い世界にただ一輪
可憐に咲いた、れもん花
甘い香りに誘われて・・・
と「元祖れもんちゃん音頭」を歌い出した。懐かしさもあって、染々と聞き入ってしまったが、
「おい、シン太郎左衛門。お前、『れもんちゃん音頭 2024』は諦めたのか?」
「うむ。綺麗さっぱり諦めてござる。これからは、『元祖れもんちゃん音頭』一本で、地方営業に精を出す所存でござる」
「もう少し粘れよ。れもんちゃんへの想いが足りないんじゃないか?」と意見すると、シン太郎左衛門は憤然として、
「父上のような凡人に、アーティストの苦悩は分かりますまい。れもんちゃんへの想いが増すほどに、れもんちゃんの偉大さに比して我が力量の不足が痛感されるのでござる」
「ふ~ん」と気のない調子で答えたが、この日一日、シン太郎左衛門は鬱ぎ気味であった。
翌日土曜日の朝、昼前までぐっすり眠った。目覚めると、何か変だなと感じた。
「シン太郎左衛門、なんか変な感じしないか?」と訊いてみたが、答えがなかった。
「おい、シン太郎左衛門」と布団を捲ってみて、違和感の由縁を理解した。私は寝ている間に自覚なくパジャマのズボンやパンツを脱いで下半身裸になる癖があるのだが、ヘソから下に目をやって気付いた。シン太郎左衛門がいるべき場所にいなかった。
そもそも絶大な存在感のあるヤツではないから、股の間の皺に紛れ込んでいるのかと手で探ってみたが、さすがにそんな蚤のように小さい訳でもなかった。
「お~い、シン太郎左衛門。どこだ?トイレか?」と呼んでみたが、答えは返ってこない。少し嫌な予感がした。家の中を「お~い、シン太郎左衛門」と言いながら探し回ったが、気配さえしなかった。家を出たのだ。その証拠にヤツの愛刀(銘は「正宗」だったか、何だったか。何と呼ぼうと、結局は昔コンビニでもらった割り箸)も消えていた。
私は、(面倒くさいことになったなぁ)と、とりあえずリビングの椅子に腰を下ろすと、前回会ったとき、れもんちゃんから「れもんちゃんのパネルが新しくなるよ~ん」と聞かされていたので、シティ・ヘブンのれもんちゃんのページで新しいパネルを一枚一枚丁寧に確認し、「今回のパネルもいい出来だが、結局、れもんちゃん本人には勝てない」という当然の結論を口にして、誰も何とも言い返さない沈黙の中で、シン太郎左衛門が家出したことを思い出した。
(いかん、いかん、明日は、れもんちゃんに会う日だから、今日中にシン太郎左衛門を探し出さねば)と考えたが、まさか、これから警察署に出向いて、「すいません。昨日か今日か、武士の落し物が届いてませんか?」なんて訊く気にはならなかった。そもそも警察署は家からとても遠かった。
(そうだ。それほど遠くまでは行ってないだろうから、近所の電柱に「迷い武士を探してます」のチラシを貼って回ろう)と思い、書斎のパソコンを立ち上げて、ワープロソフトで、
迷い武士を探してます!!
名前:富士山シン太郎左衛門
年齢:不詳(多分、私と同じ年)
特徴:よく喋る。歌う。何より、れもん好き
と打ち込んだが、はたと手が止まった。私は、シン太郎左衛門の写真を持っていなかった。捜索願のチラシが写真なしでは様にならないと思われた。仕方ないので、描画ソフトでイラストを描いてみたが全然上手くいかなかった。
(なんだ、これ?イカにしか見えん。そうだ、色を塗ろう・・・しまった、グチャグチャにしてしまった。もう何だか分からない)
捜索願のチラシは諦めざるを得まいと思ったとき、閃いた。一時期シン太郎左衛門がT(私の知人)と連れだって京都の宮川町で御座敷遊びをしていたと言っていたことを思い出した。
早速Tに電話した。
幸いTは、すぐに電話に出た。
「よう、久し振り」と切り出したTは元々京都の人間だが、事情があって京都の言葉が上手く話せない。
「ああ」と答えた私も、子供の頃は親の仕事、就職してからは自分の仕事のせいで住まいを転々としてきたから、東京弁にも関西弁にも、また他のどの「弁」にも属さない日本語しか話せない。ともに言葉にコンプレックスを感じている者同士だった。
「早速だけど、シン太郎左衛門、そっちに行ってない?」
「シン太郎左衛門?誰、それ」
「会ったことあるはずだぞ。『Tと一緒に宮川町で御座敷遊びをした』って、シン太郎左衛門が言ってた」
「シン太郎左衛門なんてヤツ、記憶にないなぁ」
「そうなのか・・・つまり、昨日か今日か、お前のところに武士は来てないんだな?」
「武士?お前、今、『武士』って言った?」
「・・・まあ、いいや。ところで、お前、れもんちゃんを知ってるか?」
「知らん」
「そうか。れもんちゃんを知らないとは可哀想なヤツだ。いい年して、お前はまだ人生の本当の意味も楽しさも分かっていない」
そう言うと私は電話を切った。もう八方塞がりだった。窓の外では雨が降っていた。そのまま夜になった。
夕食の食器を洗いながら、
はあ~、広い世界にただ一輪
可憐に咲いた、れもん花
と「元祖れもんちゃん音頭」を歌ってみたが、自分でも気分が悪くなるほどの音痴だった。
「シン太郎左衛門、さっさと帰って来いよ」と、独り言を言っていた。
ボンヤリとしているうちに時刻は夜10時を過ぎていた。いよいよ心配になってきた。明日、シン太郎左衛門なしに、れもんちゃんに会う気まずさを想像していると、リビングの引き戸を開けて、「只今帰参つかまつってござる」と声がした。脇に割り箸を手挟んだシン太郎左衛門が立っていた。
「遅かったな。どこへ行っていた?」
「公園の裏山で、新兵衛に会って参った」
「そうか。新兵衛は元気だったか?」
「うむ。大いに語らってまいった」
クワガタ相手に、何を大いに語らってのかは到底理解の及ばぬことだった。
「新兵衛は相変わらず無口だったか?」
「いやいや。新兵衛め、随分と喋りおった。最近、一戸建ての住宅を購入し、ローン返済が大変だと、ぼやいておった」
「・・・お前、誰に会って来たんだ?」
「新兵衛でござる。クヌギの大木の枝の上で、風の音を聴きながら語らった。そのうち雨が降ってまいった。いつの間にか新兵衛はいなくなっておった。日も暮れて、闇の中、遠くの街灯の光を受けてキラキラと輝く雨粒を見ながら、れもんちゃんのことを思い出し、『やはり、れもんちゃんは素晴らしいなぁ』などと考えもって雨止みを待っているうちに、こんな時間になってござる」
「そうか。自宅を持つとは、新兵衛も立派になったもんだ」
「うむ。新兵衛、立派になってござった。身体付きも見違えるほど逞しくなり、ほんのり赤みを帯びておった。顎もグワンと湾曲して恐いほど立派になってござった」
「・・・それは、ノコギリクワガタだ。新兵衛ではない。別のクワガタだ」
そんな話をした翌日、日曜日、れもんちゃんに会った。
れもんちゃんは、当然宇宙一に宇宙一で、昨日、シン太郎左衛門が失踪したことを告げると「戻ってきてよかったね」と、宇宙一可愛い笑顔を浮かべた。
帰りの電車の中、窓の外は前日に続いて雨模様だったが、我々親子の心の中は晴れ渡っていた。
れもんちゃんの神々しい面影が、我々の心の中で燦然と輝いていた。
そして、れもんちゃんの新しい動画はとてもよい。
シン太郎左衛門が行方不明 様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門と『れもんちゃん音頭 2024』3 様
ご利用日時:2024年6月16日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。最近、私は仕事が忙しくて、寝不足ぎみだ。必然的に息子もお疲れぎみの武士である。
さて、シン太郎左衛門は、引き続き「れもんちゃん音頭 2024」を製作しているが、はかばかしい進展も見られない。
「う~ん、う~ん」と唸ってばかりいる。
今日は、日曜日。れもんちゃんに会う日。シン太郎左衛門が、やはり朝から唸ってばかりいるので、
「そう唸っていてもダメだ。しょうがない。俺が手伝ってやろう」
「父上のような選りすぐりのクソ音痴に作曲などできまするか」
「出来ないものではない。隠していたが、実は割りと得意だったりする」
「それは誠でござるか」
「うん。学生の頃、プログレのバンドをやってて、作詞・作曲もしてた」
「なんと。音大で作曲を学ばれたとな。ピアノも弾けると」
「そんなことは一言も言っていない。ちゃんと聴け。ロックバンドでベースを弾いていた。それに俺の通っていたのは、音大ではなく、カイロ大学だ。主席で卒業した」
「・・・どこかで聞いたような話でござる」
「そうか?言っておくが、俺のカイロ大学は、エジプトの首都とは関係ないからね。揉んでから懐に入れると、ポカポカと温かい方のカイロだ」
「うむ・・・そんなヘンテコな大学で何を学ばれましたか」
「数学。理学部数学科の卒業だ」
「数学は『れもんちゃん音頭』に役立つのでござるか」
「全く役に立たないよ」
「・・・全然話が噛み合っておらぬ。父上、結局何が言いたいのでござるか!」
「お前がトンチンカンだから、会話が成り立たないのだ。『こんな感じの曲にしたい』っていうイメージを教えてくれたら、俺もアイデアを出してやるって言ってるの!」
「分かりにくい!」
「いいから、曲のイメージを言え!」
シン太郎左衛門は、少し神妙な表情になり、
「新しい『れもんちゃん音頭』のコンセプトは『愛と平和』でござる」
「そういうの止めよう。お前の口から『愛と平和』なんてセリフ、聞きたくもない」
「では、『愛と平和2(ツー)』で」
「意味が分からん。助けようという気持ちが一気に萎えた。やっぱり、お前は気が済むまで唸っておけ」
そのとき、「あっ」とシン太郎左衛門は目を輝かせ、「思い付いてござる。『れもんちゃん音頭』は、拙者、富士山シン太郎左衛門から、優しく可愛く美しい、宇宙一に宇宙一のれもんちゃんへの愛のメッセージでござるゆえ、歌い出しには富士の山が相応しい。そこから、先週作った『宮川町より福原町。今日もれもんの花盛り』に繋げていきまする」
「なるほどね。大して感心するほどのアイデアでもないが、それでもいいんじゃないか」
「うむ。では、こんな感じでござる」とシン太郎左衛門は歌い出した。
富士の高嶺に降る雪の~
「待て待て。それ、『お座敷小唄』だろ?」
「『お座敷小唄』とは何でござるか?」
「『富士の高嶺に降る雪も~京都先斗町に降る雪も~』って、60年前の松尾和子の歌だ。和田弘とマヒナスターズだ」
「何を言っているか、さっぱり分からぬ。黙って最後まで聴かれよ」
富士の高嶺に降る雪の
溶けて流れて渦巻いて
やがて京都の鴨川を
遥かに越えて神戸港
ほれ、宮川町より福原町
今日もれもんの花盛り
「・・・論外だ。富士山の雪解け水が、なんで鴨川を流れてるんだ?駿河湾に注いで、太平洋を渡って大阪湾から淀川を逆流したのか?さらに鴨川を流れてたと思ったら、いきなり神戸港に現れる。雪解け水が神出鬼没な、変な動きをするせいで、気が散って、れもんちゃんに集中できない」
「れもんちゃんを引き立てられておりませぬか」
「全然だ。俺が、れもんちゃんなら『ふざけるな』と怒るところだが、れもんちゃんは俺と違ってニッコリ笑ってくれるだろう」
「・・・つまり、れもんちゃん視点では、かなりいい線を行っているということでござるな」
「そんなことは言っていない。れもんちゃんは、宇宙一気立てもいいから、こんなことに目くじらを立てたりしないと言ったまでで、今の曲は論外だ」
「分かりにくい!」
「お前が馬鹿なだけだ!」
「黙れ、この変態オヤジめ!」
「・・・そこまで言うなら、今日、お前はお留守番だ」
「うっ・・・」シン太郎左衛門はしばし押し黙り、呻くような小声で「お留守番は嫌でござる」
「いや、お留守番だ!」
「お留守番だけは勘弁してくだされ」
「では、反省しろ!」
「うむ、反省いたしまする。さて、反省いたしました。では、そろそろ出掛けましょうぞ」
「よし、行こう。れもんちゃんが待っている」
「れもんちゃんは宇宙一に宇宙一でござる」
「言うまでもないことだ」
そして、れもんちゃんに会った。
親子揃って、夢のような時間を過ごした。
帰りの電車の中、シン太郎左衛門がボソッと呟いた。
「考えてみれば、『元祖れもんちゃん音頭』は、よく出来ておりましたな」
「分からん。そうかもしれん。違うかもしれん。唯一確かに言えることは、れもんちゃんは宇宙一に宇宙一だということだけだ」
「うむ。それは疑う余地がござらぬ」
それきり二人は、それぞれ黙って、れもんちゃんの余韻に浸っていった。
おそらく『れもんちゃん音頭 2024』は完成することはないだろう。しかし、それは大したことではなかった。
シン太郎左衛門と『れもんちゃん音頭 2024』3 様ありがとうございました。
けい【VIP】(23)
投稿者:I様
ご利用日時:2024年6月13日
カーテンを開けると、写真をはるかに上回る美人がいるではありませんか!まさに癒しのひとときを過ごさせていただきました。会話もテンポよく、全てが最高でした!!また、けいさんを指名させていただきます!!
I様ありがとうございました。
れもん【VIP】(23)
投稿者:シン太郎左衛門と『れもんちゃん音頭 2024』2 様
ご利用日時:2024年6月2日
我が馬鹿息子、シン太郎左衛門は武士である。現在、『れもんちゃん音頭 2024』の製作に全身全霊を傾けているが、全くもって進捗が見られない。
今日は日曜日、れもんちゃんに会いに行く日。
朝起きるなり、シン太郎左衛門は、「『れもんちゃん音頭 2024 』製作委員会 委員長」のタスキをつけて、リビングのテーブルに向かった。ぶつぶつ言いながら、原稿用紙に数文字書いては、「う~む」と唸って握り潰し、床の上に投げ付けた。あっと言う間に床一面、紙の玉で一杯になった。まるで雪原を見るようだった。
「おい、紙の無駄遣いはやめろ。一行書いては丸めて捨てやがって」
「うむ。『れもんちゃん音頭』は大変に難しいものでござる」と言いながら、また原稿用紙を丸めて、床に投げ付けた。
去年、あんなに易々と作れたのが嘘のような苦戦ぶりだった。
一方、私は、本棚に収まり切らなくなった書籍や雑誌を処分すべきか悩んでいた。
廃棄候補として、床にうずたかく積まれた本の上に載った紙玉を払い除けると、一番上の一冊を手に取った。真っ先に捨てる積もりの古い雑誌だったが、表紙を捲ると、そのまま読み耽ってしまった。
「父上、何を読んでおられまするか」
「古い旅行雑誌の特集『京のおもてなし』の号だ」
シン太郎左衛門に、祇園の町を歩く舞妓さんの写真を使った表紙を見せてやった。
「祇園でござるな」
「うん。そうらしい。俺は祇園なんて行ったことがない」
「拙者も祇園には縁がござらぬ。もっぱら宮川町で遊んだものでござる」
「・・・宮川町も京都で有名な花街だな」
「うむ。馴染みの舞妓がおった。何度か御座敷遊びを致した」
「・・・俺には、そんな記憶はない」
「そうでござろう。父上と行ったわけではござらぬ」
「では誰と行ったのだ?」
「Tを連れて行ってござる。お茶屋は、彼奴の紹介でござった」
Tというのは、私の知り合いで、京都の古い商家のドラ息子だった。
「そうか。いつの間にか、Tと親しくなっていたのだな」
「うむ」
「何度も行ったのか?」
「ほんの四、五回行ったばかり。言うて、御座敷遊びは拙者の趣味ではござらぬ」
「ふ~ん・・・で、その間、俺は何をしてたのだろう?」
「知らぬ。大方、駅前の中華屋で、大好きなマーボ丼か半チャンラーメンでも食ろうておったのでござろう」
「・・・解せぬ話だ。お前とTが、そんな贅沢をしている間に、どうして俺は独り遠く離れた場所で中華を食べていたんだ?」
「理由など知らぬ。ともかく、Tも拙者も、父上を誘う気にはならなんだ」
「ひどい話だな。それって、いつ頃の話だ?」
「かれこれ5年は前でござろう・・・あっ、そうだ、思い付いてござる」と、シン太郎左衛門は目を輝かせ、
宮川町より福原町
今日も、れもんの花盛り~
と、歌声を響かせた。
「うむ、これはよい。これを一番の締めに使うと致そう」
「・・・よかったね。やっと少し出来た」
こんな調子で、1週間もかけて、「れもんちゃん音頭2024」は、一番の最後の一節しかできていない。
「一年の間に、れもんちゃんの凄さを思い知らされたゆえ、気軽に書けなくなった」というのが、シン太郎左衛門の言い分である。
そして、れもんちゃんに会いに行った。
れもんちゃんは、当然のことではあるが、宇宙一に宇宙一だった。
私には、どうしても、宇宙一に宇宙一のれもんちゃんに訊いてみたいことがあった。
「ねえ、れもんちゃん。これまでに、シン太郎左衛門が一人で会いに来たことって、ある?」
れもんちゃんは宇宙一可愛い笑顔を浮かべて、「ないよ」と答えた。
「じゃあ、シン太郎左衛門が俺以外の誰かと連れ立ってきたことは?」
「それもないよ」
「よかった。もし、今後そういうことがあったら、シン太郎左衛門を30分ぐらい冷蔵庫に閉じ込めて、懲らしめてやってね」と言うと、れもんちゃんは、「うん、分かった」と、それはそれは可愛く笑うのであった。
シン太郎左衛門と『れもんちゃん音頭 2024』2 様ありがとうございました。
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今日は日曜日。れもんちゃんに会う日。
朝、ゆで卵を作った。もちろん、鑑賞用ではなく、食べるために作ったので、殻を剥いて、口まで運んだ瞬間、シン太郎左衛門が重々しい口振りで、「父上、『れもんちゃんダンス』を踊ってよろしいか」と訊いてきた。
「・・・『踊らないでほしい』と言ったら聞き届けてくれるのか?」
「聞き届けるわけがない。では、踊ろう」
シン太郎左衛門は、ダイニングテーブルの上に跳び移ると、「ラジオ体操第一~。腕を前から上にあげて大きく背伸びの運動~」と声をあげながら、クネクネし始めた。
前回も書いたが、シン太郎左衛門作の『れもんちゃんダンス』とは、早い話が、ラジオ体操の曲に乗せて身を捩らすだけのことで、『ダンス』と呼ぶのも烏滸がましい代物だった。加えて、要所要所でウインクをするのだが、シン太郎左衛門のウインクは見ていて大変に腹が立つ。れもんちゃんの新作動画では、可愛いウインクが素晴らしいアクセントになっている。それは、全宇宙のれもんちゃんファンが満場一致、全員起立の上、拍手をもって承認するところであるが、シン太郎左衛門に動画を見せると色々と面倒なことになるから、当然一切教えていない。つまり、れもんちゃんの蠱惑のウインクに触発されたわけでもないのに、シン太郎左衛門が取り付かれたようにウインクを連発するようになったことは謎であった。
れもんちゃんのウインクの件はともかく、目の前でクネクネ動くオチンからウインクをされる状況は決して愉快なものではない。段々、苛立たしくなってきて、「そもそもだ」と私は憤然として口火を切った。「なんでオチンに目が付いているのだ?その時点でおかしい。さらに、ぎこちなくウインクするオチンは、とても不気味だ」
「うむ。最初はそう言っていても、やがてこの不気味さがクセになるのでござる」
「ならんね。俺はそういうタイプの人間ではない。俺がクセになるのは、趣味の良いものだけだ。れもんちゃんが、いい例だ。そもそも、この踊りのどこが、『れもんちゃんダンス』なんだ?」
「うむ。れもんちゃんと言えば、可愛いウインクがトレードマーク。新作の動画が巷で大変な話題になってござる」
「・・・お前、どうして、それを知ってるの?」
「拙者、最近、副業でWi-Fiのアンテナをやっておるゆえ、巷の情報に通じてござる」
「・・・そうだったんだ・・・お前・・・頑張ってるな」
「うむ。拙者、頑張っておる」
そんなことを話した。
そして、れもんちゃんに会った。
もちろん、れもんちゃんは、宇宙一に宇宙一だった。
親子ともども宇宙一幸せだった。
というようなことを翌日投稿しようとしていたら、立て続けにスマホのシステムアップデートに失敗して、スマホの調子がすっかりおかしくなった。シン太郎左衛門のWi-Fiスポットのせいだと思う。
そんなわけで今回、投稿が大幅に遅れてしまったのである。